QR・バーコード決済とは?キャッシュレス経済とモバイル決済・導入する前に確認すべき基本・中国のAlipayとWeChat Pay・事例2件を紹介

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キャッシュレス決済の導入は世界各国で進んでいます。

一般社団法人キャッシュレス推進協議会によると、2016年時点の韓国での普及率は96.4%、イギリスが68.6%、中国は65.8%でした。また、オーストラリアやカナダ、スウェーデンの普及率も50%以上で、今後ますます浸透していく見込みです。

一方で、日本での普及率は19.9%と他国と比較して低く、経済産業省は2027年までに普及率を40%以上に引き上げる方針を発表しました。

キャッシュレス決済の中でもQRコードを用いたQR決済が注目を浴びています。

本記事では、各社のQR決済サービスや使い方、メリットについて解説していきます。

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知っておくべきQR決済の基本

現在、さまざまな企業がQR決済サービスを提供しています。PayPay、LINE Payなどが一例です。

まずは、QR決済の基本についてまとめます。

そもそもQR決済とは

近年、スマホとQRコードを利用した決済サービスを普及させる動きが日本でも活発です。

スマホでの決済には大きく分けて2種類あり、「非接触型(非接触IC決済)」QR決済があります。「非接触型決済」はスマホにSuicaやEdyなどの電子マネーの情報を搭載し、会計時に店舗の専用端末にスマホをかざすことで決済が行われます。他方、「QR決済」はQRコードと呼ばれる二次元のコードをバーコードリーダーで読み取ることによる決済方法です。

PayPayLINE Payでは、QRコードによる支払いの他に、バーコードでの決済も提供しています。

PayPayLINE Payは店頭での支払いに加え、個人間でのお金の送金ができることも大きな特徴です。グループで飲食した際の割り勘などをスムーズに行えます。

決済の仕組みは?

QR決済で使用するQRコードの読み取り方法は、店舗側のQRコードを消費者が読み取る「店舗表示型コード決済」が利用できます。

お釣りの数え間違えなどの金銭授受のトラブル、クレジットカードを利用するときの情報盗難などのリスクがなくなるため、スマートで安全な店舗運営が可能となります。

店舗側のメリットも計り知れません。QR決済サービスを利用することで、購入履歴や売上をリアルタイムで管理できるだけでなく、紙幣の出し入れにかかわる事務的な作業を軽減させたり、データをもとに効率的な販売戦略を立てたりできるメリットがあります。

日本で主に使われているQR決済サービス3選

現在日本で普及しているQR決済サービスの上位3つをご紹介します。

ある調査によれば、利用経験はPayPayLINE Pay、楽天ペイの順に多くなっているとの結果もありますが、それぞれポイントの還元等の施策を通じて利用者の拡大を図っている最中と言えるでしょう。

1. PayPay

PayPayは、ソフトバンクとYahoo!の合同会社、PayPay株式会社によるQR決済サービスです。

キャッシュレス決済が進んでいる中国で最も利用されていると言われる決済システムがアリババ傘下のアントフィナンシャルが提供するAlipayアリペイ)です。PayPayではアリババグループが出資するインドのPaytmの技術を基盤としており、AlipayPayPayのQRコードを読み取って支払いができます。

中国人観光客が多い日本では、インバウンド対策に向いているサービスと言えるでしょう。

【決済手数料】

  • 無料(2020年6月30日まで)

【入金サイクル】

  • 月末締めor累計決済金額が1万円以上で締め可能

            ※ジャパンネット銀行の場合…翌日入金

            ※その他の銀行…最短翌々営業日入金

【メリット】

  • Alipayに対応している
  • ジャパンネット銀行の場合、売上げがすぐに入金される
  • 決済システム利用料(読み取り支払いのみ対象、2021年9月30日まで)
  • 手数料が無料(2020年6月30日まで、ジャパンネット銀行の場合は永年無料)

2. LINE Pay

LINE PayはメッセージアプリのLINEで利用可能なQR決済サービスです。

LINEをメッセージの送受信に使っているスマホユーザーは多く、こうした人にとって利用ハードルが低くなっています。今後、普及が進むと見られています。

【決済手数料】

  • 無料(2021年7月末まで)

            ※LINE Pay店舗用アプリ、プリントQR、据え置き端末が対象

            ※2021年8月以降2.45%~

  • Star Pay端末 : 3.45%

【入金サイクル】

  • 当月末締め、翌月末入金

【メリット】

  • 店舗LINEアカウントとの併用で、クーポンの配信などのPRが行える
  • StarPayの端末では、Alipayに加えWeChat Payでの支払いに対応

3. 楽天Pay

楽天Payは、楽天市場の運営会社、楽天株式会社によるQR決済サービスです。

楽天ペイの大きな利点は「ポイント」です。決済で紐づけられたクレジットカードにポイントが蓄積されると同時に、楽天スーパーポイントも獲得できます。楽天Payのアプリを使えば、お店での支払いにこのポイントが利用できます。

また、店舗は専用カードリーダーを導入すればクレジットカード決済と電子マネー決済にも同時に対応できるようになります。

【決済手数料】

  • 3.24%

【入金サイクル】

  • 楽天銀行の場合…翌日入金
  • その他の銀行…入金依頼日の翌営業日入金

【メリット】

  • 楽天ポイントが貯まるお店として訴求できる
  • 楽天銀行の場合、売上がすぐに入金される
  • クレジットカード決済、電子マネー決済と同時導入できる

インバウンドに最適なQR決済

外国人観光客にとって、現地通貨での金銭のやり取りはとても不便です。そのため、QR決済をはじめとしたキャッシュレス化は訪日客の集客に役立つツールであると言えます。

QR決済導入のメリットは?

各国ではキャッシュレス化が進んでおり、現金を持ち歩くことが少なくなっています。

上記で述べた通り、韓国ではキャッシュレス普及が90%を超えており、その他複数の国で過半数を超えています。

キャッシュレス決済にはクレジットカードやICカードなども含まれますが、QR決済は初期費用が抑えられることが特徴であり大きなメリットとなっています。

QRコードの読み取り端末は、クレジットカードの読み取り端末よりも安く、利用するサービスによっては販売者にすぐに入金されるといったメリットも存在します。

訪日外国人に人気のQR決済は?

キャッシュレス化が進んでいる中国では、多くの人がQRコードでの決済を利用しています。代表的なサービスがAlipay(アリペイ)とWeChat Pay(ウィーチャットペイ)です。

2018年11月時点のアクティブユーザー数は6億5,000万人、またその三か月後の2019年1月には登録ユーザー数が10億人を超えたことが伝えられています。

WeChat Payも着実にユーザーを増やしており、昨年末には8億人を突破したと中国のメディアが報じています。WeChat Payの強みは登録ユーザー数10億超のメッセージングアプリ、WeChat(ウィーチャット)の付帯サービスという点にあります。

WeChatは決済機能以外にも、サードパーティツールやミニプログラム(ミニアプリ)の機能で、ユーザーの様々なニーズを満たし、その利用時間を延ばしています。こうしたWeChatに備わってるWeChat Payは今後も、ユーザーの増加と定着が進んでいくでしょう。

【中国】8億ユーザーが利用するQR決済WeChat Payとは

多くの中国人が中国国内での支払いに利用しており、訪日旅行の際にも需要があるのが、モバイル電子決済のサービスです。そのなかの一つWeChat Pay(ウィーチャット・ペイ/微信支付/ウェイシンジーフ)」は、中国のインターネット企業最大手テンセント(騰訊)が提供するサービスです。メッセージングアプリのWeChatは2011年からサービスを開始していますが、決済サービスのWeChat Payは2014年にリリースされた機能です。財付通(Tenpay/财付通/ツァイフートン)と呼ばれるオンライン決...

【事例アリ】Alipay(アリペイ・支付宝)

中国や欧米を中心にキャッシュレス化が進んでいます。キャッシュレスにも様々な形態がありますが、近年は中国のモバイル決済が注目を集めています。中国のキャッシュレス化は、プラスチックのクレジットカードを用いた決済ではなく、スマートフォンアプリに表示するQRコードやバーコードによるモバイル決済「Alipay」「WeChat Pay」の普及により、非常に発展しています。中国ではこうしたモバイル決済がユーザーに支持され、キャッシュレス比率は現在およそ60%にまで達するとの調査結果もあります。日本のキャ...

インバウンド市場、中国人に注目するべき理由

キャッシュレス化が進んでいる中国は、訪日外国人の中でも最も多くの割合を占めています。昨年一年間の訪日観光客数は830万人を超え、今年7月には初めて単月で100万人を超えました。

一人あたりの旅行消費額も市場1位となっており、特に買い物に積極的であることがデータからわかっています。

インバウンド対策では、まずは中国人観光客に対する環境整備が必要となっている施設や店舗も少なくないでしょう。

現地通貨の現金での受け渡しは、訪日外国人にとっても、お店にとっても時間がかかりストレスになります。

QR決済なら、スムーズにストレスなく支払い手続きが可能となり、消費者のお店に対する満足度も上がるでしょう。

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QR決済の導入事例3選~アクセサリーショップ・アミューズメントパーク~

大手スーパー各社がQR決済の導入を次々と進めています。2019年9月から「イトーヨーカドー」「西友」「サニー」「サミット」はPayPayを導入したため、訪日観光客だけではなく、日本人消費者の間でもQR決済を利用する人が増えていくことが見込まれます。

インバウンドで決済対応・導入は必要?

2018年の訪日外国人数は3,000万人を突破しました。国が掲げる2020年までの目標4,000万人は確実に射程に入りつつあります。外国人観光客を誘致し、全国津々浦々で消費してもらうことで、地方経済を活性化させようというのが政府の目論見です。今後、外国人旅行者は都市部から地方へさらに関心を移していくことが予想されます。地方では早急にインバウンド対策を講じ、来るべき時に備えておく必要があります。そのためにインバウンド受け入れ体制整備としての決済対応はどのようなものがあるのでしょうか?クレジッ...

多くの会社がQR決済のサービスを始めている

今年、小売り大手のセブン&アイ・ホールディングス社もQR決済サービスに「7Pay」として参入しましたが、不正利用が相次ぎ3ヶ月でサービス停止となる異例の事態が発生しました。

この事件は「7Pay事件」として世間に広まり、QR決済サービスに対して事業者や消費者に不信感を与えることになりました。

しかし、現在日本では大手コンビニチェーンや居酒屋、家電量販店や百貨店、タクシー会社まで、さまざまな業種がQR決済を導入しています。

さらに、QR決済サービスを提供している会社が様々なキャンペーンを実施し、サービスの強化に努めています。

1. お世話や 原宿店

「お世話や 原宿店」は竹下通りにある人気アクセサリーショップです。

合計6店舗あり、その中でも原宿店は訪日外国人客が多いことから、他の店舗よりも積極的にインバウンド対策に取り組み、売上を伸ばしています。

訪日外国人客の中でも中国人観光客の客単価が高くなっています。金額で言えば、一度の買い物で2〜3万円になることが多いそうです。

アクセサリー1点あたりの価格が1,000円〜5,000円のため、一度に多くの商品を購入していることが分かります。

Alipayの導入は、会計にかかる時間を短縮させ、顧客を待たせる時間を減らし、満足度アップにつながりました。

2. 富士急ハイランド

「富士急ハイランド」は、2018年7月にWeCha tPayを園内全エリアに導入し、中国国外初のWeChatPayスマート旗艦遊園地になりました。

乗り物チケットをはじめ、お土産の購入、飲食店の利用まで、全てWeChat Payで支払いが可能です。

また、WeChat内に富士急ハイランド専用のミニプログラム(ミニアプリ)をリリースすることによって、中国での富士急ハイランドの認知度を上げることができました。

このミニプログラム(ミニアプリ)ではチケット購入の他に、乗り物の待ち時間などが確認できます

止まらぬキャッシュレス化の流れ

世界各地でキャッシュレス化が進んでいます。それに伴い、日本企業も次々とQR決済サービスをリリースしています。

中にはキャッシュレス化が最も進んでいる中国のAlipayWeChat Payに対応したサービスもあります。インバウンド対策に積極的に取り組む企業では、こうしたサービスを導入し始めています。

QRコード決済サービス各社が導入事例を紹介しており、こうした情報はどの決済サービスを採用するか検討する際の参考になるでしょう。

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱えるご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開や無料のオンラインセミナーを実施しています。

【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】

【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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