中国人の白タク問題とは | 対策や日本の課題、中国配車サービスについて

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「白タク」とは、在日中国人がタクシーとしての営業許可を受けていない自家用車を利用して顧客を輸送するタクシーを指します。

「白タク問題」とは、白タクが無許可で営業していることなどを指します。

この記事では、

  • 在日中国人による白タク問題
  • 白タクが行われる原因
  • 白タク問題への対策

について解説します。

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白タクとは?

本来、タクシー業などの有償運送業務は営業許可を得た乗用車でしか営業できず、たとえ二種免許を持っていたとしても自家用車でタクシー業を営むことは禁じられています。

タクシー業の営業許可を受けている乗用車のナンバープレートは緑色であるのに対して、営業許可を受けていない乗用車は通常の白色プレートであることから「白タク」と呼ばれています。

在日中国人による白タク問題は何が違法行為なのか

日本では違法行為となる在日中国人による白タク問題の背景には、

  • 営業許可を得ていないこと
  • 日本で相乗りは禁止されている
  • 文化の違い

が挙げられます。以下では、白タクの概要、問題の背景について解説します。

問題1. 無許可営業

タクシーは一般乗用旅客自動車運送事業で、営業を行うには許可が必要です。

また営利目的で人を運ぶサービスを行う場合、運搬車両は緑色のナンバープレートを装着しなければいけません。

しかし白タクでは営業許可を得ておらず、自家用車を運搬車両としてナンバープレートも普通乗用車である白色のままで違法行為となっています。

問題2. タクシーの相乗り

現在日本では禁止されている相乗りですが、中国では相乗りが認められています。

中国で多くのユーザーから支持を得ている配車サービス滴滴出行(DiDi)」(以下、DiDi)内にも、中国国内では相乗りで利用するためのサービスが提供されています。DiDiは日本でも利用できますが、日本の法律に合わせて相乗りサービスは提供されていません。

訪日中国人の中には日本での移動手段としてDiDiを利用している人々もいますが、こうした違いに気付いていない場合もあると考えられます。

DiDi同様、中国企業が提供するライドシェアサービス中国国外でも利用できるものが「皇包車」です。

皇包車は、日本においては訪日中国人をターゲットとした在日中国人によるライドシェアサービスです。実は、DiDiが日本で「タクシーの配車サービス」を提供する合法なサービスであるのに対し、個人の運転する車への「相乗り」を提供する皇包車は違法となります。

DiDiは日本でサービスを開始するにあたり、白タクで利用されることがないようにタクシー会社と協力し、正規ドライバーのみ利用可能な仕組みを構築しています。

中国ではDiDiも相乗りサービスを提供しているという背景から、日本では皇包車がNGとなるということに気付かない場合もあると考えられます。

問題3. 訪日中国人観光客が白タクを利用する理由

訪日中国人の中には白タクが違法であるとわかっていても、あえて白タクを利用する人々が後を断ちません。

要因として主に在日中国人が営業している白タクは、

  • 中国語でミュニケーションや観光案内を円滑に行える
  • 料金が正規のタクシーに比べて安価

などのメリットがあるためです。

また荷物の多い訪日外国人は、バス電車よりも車を利用するほうが格段に楽に移動できるため、言葉が通じる上、コスパの良い白タクを選んでしまうという問題につながっています。

中国国内で配車サービスが普及

中国国内では、タクシーの配車サービスが普及しており、大手配車サービスDiDiは日本でも利用されています。

以下では、中国において配車サービスが普及した理由、配車サービスの概要について解説します。

中国で配車サービスが普及した理由

中国では、シェアリングエコノミー市場が急成長しており、ライドシェアサービスのDiDiもその内の1つです。

シェアリングエコノミーに対する国民レベルでの意識の高さなど、さまざまな要因がありますが、ことタクシー配車サービスについては接客マナーサービスの良さも大きな要因となっています。

DiDiや皇包車などの大手配車サービスでは、配車後に乗客と運転手が相互に評価するシステムを採用しています。

悪い評価が多い乗客は配車されにくくなってしまい、同様に悪い評価が多い運転手は乗客が捕まりにくくなってしまうため、乗客、運転手ともにマナーサービスの質が高いという特徴があります。

配車サービスアプリ

中国における配車サービスの最大手であるDiDiは、アメリカ発の大手配車サービス「Uber」とよく似たビジネスモデルを形成しています。

乗客はアプリを通して運転手に直接連絡を取ることができ、先述の評価システムによってマナーサービスの質が低い運転手は淘汰されます。

乗客にとっては運転手本人との連絡が取りやすいだけでなく、マナーサービスの質が保証されているため、利便性とクオリティを両立しているサービスと言えるでしょう。

また日本では違法とされている皇包車もリーズナブルな料金で、中国語を話せる運転手に案内してもらえると利用する訪日中国人は少なくありません。

皇包車もDiDiと同様の評価システムを採用しているため、運転手のマナーサービスには定評があり、その利便性の高さゆえに利用者をゼロにすることはなかなか難しいのが現状です。

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白タク問題の対策

利用者に対して質の高いサービスを提供しているとはいえ、白タクが違法であることには変わりありません。

しかし、利用者が後を絶たない白タク問題に対してどのような対策を取るべきなのでしょうか。

以下では、日本における配車サービスの現状と必要性について解説します。

配車サービスの日本の現状

ソフトバンクは、2018年にDiDiと合同してDiDiモビリティジャパン株式会社を設立しました。

アメリカ中国に倣い、国内で次世代のタクシー配車プラットフォームを立ち上げることを目的としており、既に東京や大阪などの主要都市を中心に試験的な運用が開始されています。

事業者には事業者用アプリケーションと管理用コンソールを提供してスムーズな導入を促し、乗客には利便性の高い配車サービスを実現するアプリケーションと、クレジットカード支払いなどのサービスを提供していくねらいです。

配車サービスの必要性

現在の日本では、アメリカ中国などの先進諸国に比べて配車サービスが充実しておらず、タクシー会社への直接予約によって手配することが多いという現状があります。

しかし、

  • 交通網の整備が不十分な地方が多い
  • 少子高齢化に伴いドライバーの高齢化が加速している
  • 配車サービスにより訪日外国人の移動手段の幅が広くなること

などの事情を踏まえると、さらなる配車サービスの充実が必要とされていることもまた事実です。

配車サービスが普及することによってさまざまな問題が解決されることを考慮し、政府は「相乗り型タクシー」の解禁を検討しています。

配車サービス導入に向けて必要な取り組み

配車サービスの導入によって解決される諸問題はあるものの、現在の日本においてライドシェアは規制されています。

配車サービスをリリースするにも、他国の配車サービスに比べて部分的なサービス提供しかできないという問題が残されています。

また配車サービスでは、料金を現金で受け渡すことによるトラブルを防止するために、キャッシュレス決済を用いることが多い傾向です。

しかし日本ではキャッシュレス決済モバイル決済の浸透が不十分であるという問題もあります。

今後、交通手段の一角として本格的に配車サービスを促進するのであれば、ライドシェアに関する規制の見直しや、キャッシュレス決済モバイル決済の普及を促す必要があるでしょう。

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配車サービスは観光立国を促進する

アメリカ中国をはじめとする先進諸国では配車サービスが普及しており、利便性の高い交通手段の一つとして浸透しています。

しかし現在の日本において、配車サービスは交通手段を決定する際の選択肢の一つに入りきれていない状況です。

そのため配車サービスが充実している国から日本を訪れた訪日外国人の中には、交通面で不便を感じている人も多く、観光立国を推進していく上では配車サービスの充実が必要とされています。

法整備の促進やキャッシュレス決済の普及とともに配車サービスを導入することで、より多くの外国人客を取り込める観光立国の実現に一歩近づくでしょう。

<参考>

日本産経新聞:相乗りタクシー解禁へ 距離に応じて割り勘精算

日経XTECH:中国DiDiが日本上陸、白タク利用を防ぐ秘策とは

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2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。

これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。

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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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