なぜMKタクシーは訪日客からも愛されるのか:インバウンド需要にこたえて英語・中国語ドライバーを育成 リピーター醸成すべく良質のサービスの提供がカギ

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インバウンド業界では、二次交通手段としてタクシーが注目されています。しかしながら、費用が高いため訪日外国人のタクシー利用は6割にとどまっているというデータもあります。

2018年

インバウンド業界ではタクシーは、空港や主要の鉄道駅から観光地までの交通を指す 「二次交通」 の手段として注目を集めています。しかしながら、三井UFJリサーチ&コンサルティングの資料によると、訪日外国人観光客のうち約6割がコストが高い故にタクシーを利用していません。 また、利便性に優れるUberやGrabなどのタクシーの配車アプリの利用が近年外国人観光客の間で流行していることから、インバウンド市場では逆風にさらされているという見方もできるタクシー業界。インバウンド対策としてどのような取り組み...

一方、費用がかかっても、快適な移動手段を希望する訪日外国人もいます。そのような需要に応えようと英語ドライバーを育成するなどの取り組みをしている「MKタクシー」で知られ、京都に本社を構えるエムケイ株式会社(以下、MKタクシー)にお話を伺いました。

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増加する訪日外国人:インバウンド最前線の京都で活用が期待されるタクシーの位置づけ

京都を訪れる訪日外国人の数は年々増加を続け、2016年には、日帰り客と宿泊客をあわせて661万人だったとの京都市のデータがあります。京都はインバウンドの最前線といってもよい地域です。

【その額なんと1兆円】京都市

2017年12月15日、京都市産業観光局は「観光消費額に係る京都市域への経済波及効果等について」を発表しました。これは、2016年に観光産業によって産み出された消費額の京都市域への経済波及効果などをまとめたもの です。多くの世界遺産や四季折々の豊かな自然など多くの観光資材をもつ京都には2016年、観光産業によってどれほどの経済効果がもたらされたのでしょうか。キーとなる数値をいくつかご紹介します。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?「調査・...

京都のホテル 宿泊客の「4割」がインバウンドという驚きの結果

公益社団法人京都市観光協会では、2014年から京都市内の36の宿泊施設の協力を得て、国・地域別のインバウンド宿泊状況に関する調査を行っています。2018年2月末に発表された2017年分の調査結果をもとに京都市内の訪日外国人観光客の宿泊動向をご紹介します。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料でダウ...

なお、京都の公共交通機関については、地下鉄は2路線のみで多くは市バスに頼っています。特に観光シーズンには観光客が多く、市バスに乗客が乗りきれないといった事態も起こっています。二次交通手段としてタクシーが注目される理由のひとつです。

そろそろ本気で考えなければならない『観光公害』 京都 増えすぎた訪日客による混雑解消のため、市バスの1日乗車券が値上げへ

今年3月に、京都を訪れる訪日外国人観光客のマナーが悪化したことが問題で京都の祇園の夜桜のライトアップが中止になったという話題がありました。最近はこのような形で増えすぎた訪日外国人観光客による弊害、つまり 「観光公害」 がときおり報告されるようになってきましたが、今度は京都市の市バスが混雑しすぎて乗れないという問題が発生しています。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる...

インバウンド最前線のタクシー・ハイヤー会社「MKタクシー」の訪日客からの評価

京都駅八条口前には、各方面へ向かう市バスの停留所、またタクシー乗り場があり、多くの乗客で賑わっています。MKタクシーの乗り場(京都駅八条口貴賓室VIPステーション)は、向かい側の道路を渡ったところにあります。

MKタクシー接客に定評があることから、信号をひとつ越えて多くの顧客がやってきます。今までは日本人客が主だったのですが、MKタクシーを利用する訪日外国人顧客も増えてきました

インバウンド対策として語学の講師を採用、社内でドライバー向けに英語・中国語研修

訪日外国人が増加すると、基本的な接客にも語学が必要になってきます。また、タクシーやハイヤーでの京都観光を希望する顧客のために、外国語でのガイディングサービスもかかせません。

そこで、MKタクシーではネイティブの英語講師と中国語講師を外国語教育担当の正社員として採用し、定期的にドライバー向けに社内研修を行っています。実際に仕事で使う生きた外国語を学びます。

▲MKタクシーのインバウンド対策:ドライバーの英語研修。実際に使う生きた英語を学びます。

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ドライバーの語学レベルにあわせて、仕事を割り振りする制度

MKタクシーには英語でのガイディングができるドライバーは、2018年4月現在で62名、また基本的な接客を英語で行えるドライバーは146名在籍しています。また、中国語対応が可能なドライバー8名のうち、ガイディングもできるドライバーも1名おり、訪日外国人の希望にあわせて、担当ドライバーを割り振りします。

また、現在は基本的な接客を外国語で行うだけであっても、外国語でのガイディングができるようになりたいと考えるMKタクシー所属ドライバーも多く、訪日外国人の増加は、ドライバーのモチベーションを上げることに役立っています。

▲インバウンドでも人気の祇園白川にて。英語で訪日外国人客を案内するドライバー。

▲インバウンドでも人気の祇園白川にて。英語で訪日外国人客を案内するドライバー。

富裕層インバウンドの需要を取りに行く:ハイグレード車両の用意

MKタクシーでは、富裕層訪日客の需要に対応すべく、車種についても、一般的なセダンだけでなく、ハイグレード車両のアルファードも用意してあります。グループ企業にバス会社がありますから、人数によってはバスでの対応も可能です。

タクシーやハイヤーを借り切る富裕層訪日外国人は、荷物が多かったり、お子さん連れだったりとセダンでは間に合わないこともあります。そこで、顧客の状況や希望にあわせて利用車種を案内するようにしています。

まとめ:良質なサービスを提供し、いかにリピーターにつなげるかが鍵

インバウンドが盛んになるにつれ、中国の配車アプリ「滴滴出行(ディディチューシン)」が日本に進出してきたり、また白タクが横行したりなど、タクシー業界を取り巻く環境には様々な課題や問題がでてくるようになりました。

中国版Uber 滴滴出行(ディディチューシン)が2018年春に日本上陸 横行する「白タク」の受け皿となるか

11月30日に、中国版Uberと言える中国の配車サービス最大手、滴滴出行(ディディチューシン) が2018年に日本進出を検討しているということが明らかになりました。これは日本のタクシー会社最大手である第一交通産業(本社:北九州市)との連携によるもので、2018年春にも東京都内でスマートフォンアプリを利用して配車サービスを始めるとされています。このニュースについて詳しく見ていきましょう。インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするが重要!おすすめのインバウンド対策についてより詳しい...

「中国人による訪日中国人向けビジネス」がインバウンドではびこるワケ:ヤミ民泊、観光地の不動産買い占め、白タクの横行などの違法行為も

訪日中国人が日本のインバウンド市場において、訪日外客数および消費額ともに最も大きなシェアを占めていることは、インバウンド業界の方のみならず、もやは一般常識となりつつあるでしょう。このような状況のなかで、日本での中国人によるインバウンド消費が今後ともどんどん増えていく事に目をつけているのは、日本人だけではありません。そう、中国資本の企業、中国人のビジネスマン達も、この日本のインバウンド需要にあやかろうと動いているのです。インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするが重要!おすすめの...

違法業者が跋扈し、安全にも問題が指摘されています。一方で、MKタクシーのように、ドライバーを育成し、良質なサービスを提供する業者もあります。安かろう悪かろうという発想ではなく、リピーターを呼び込み、次につなげるという発想です。日本のインバウンドを発展させるには、もっとこのような業者が必要でしょう。

また、MKタクシーTwitter(日本語のみ)は、約3万のフォロワーを誇り、訪日外国人だけでなく、従来の日本人顧客をも大切にしている姿勢が、ここからも見られます。このようなきめ細やかなサービスや顧客を大切にするマインドが、国内・インバウンド問わずMKタクシーが愛される理由なのでしょう。

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<参考>

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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