これからのインバウンドに愛される3つのポイントは?「京都×茶葉=農家民宿」定番観光地の京都で、伝統的建造物以外の目的を創出

公開日:2020年01月06日

インバウンドの地方誘客が推進される中、地域の特産物や農家民宿をきっかけとした、インバウンド誘客の取り組みが見受けられます。

近年、市内中心部でオーバーツーリズム問題が表面化している京都では、京都山城地域でお茶をキーワードにした農山村滞在型観光を推進しています。

今回は、京都山城地域のインバウンド向け体験プログラムの例をふまえ、農家民宿が持つインバウンドの地方誘客への可能性を紹介します。


京都山城地域の魅力「お茶」を世界に発信

京都山城地域は、旅行先として国内外から認知されている一方、京都市や大阪市、奈良市といった大都市からの日帰り旅行先として認知されている点が観光地として課題となってきました。こうした現状から、昨年以降、宿泊を伴う観光客の誘致を強化して消費拡大に繋げることを目標としています。

具体的には、12の自治体が連携し、京都山城地域の強みである「お茶」をフックに、農山村滞在型観光を推進することとなりました。

また「お茶の京都」と呼ばれる京都山城地域は、農林水産省が認定する「SAVOR JAPAN(農泊 食文化海外発信地域)」として、昨年度新たに認定され、今後さらなる認知拡大が期待されています。 同地域は、お茶京都DMOと連携し「茶農家民宿 えぬとえぬ」と「d :matcha Kyoto」のPRも開始しています。

お茶農家で自家製茶の飲み比べをしてもらったり、家庭料理でのおもてなし、ホストファミリーとの交流に参加してもらったりするコンテンツを用意しており、お茶をきっかけとした地元民との交流が特徴です。

いまや海外でも「MATCHA」の知名度が高まっており、また健康維持にかかわる話題も各国の人々の関心を誘いやすいことから、「日本茶」は訪日外国人観光客へのPRをしやすいコンテンツと言えるでしょう。「お茶」のさらなる奥深さを発信することでも、京都山城地域へのインバウンド誘客促進を目指すとしています。

体験プログラム特徴は?ターゲット市場、コンテンツのラインナップは豊富に

京都山城地域では、京都市内での平均泊数が長い北米や欧米豪、タイ、シンガポール、マレーシアなどからの観光客をターゲットに、滞在型コンテンツのPRを実施しています。

PRに際し「里山・農村の生活体験」「郷土料理」「自然」「伝統文化」など、地域の魅力を活かしたコンテンツの発掘と磨き上げに取り組みました。

お茶や地元食材を使用した料理や農業体験を提供する、農家民宿や農家レストランを開業し、こうした施設での訪日外国人観光客の受け入れ体制整備も進めます。特産の宇治茶の淹れ方から茶摘み体験、手もみ製茶体験など、「お茶」をコンテンツとした体験を提供しています。

地域資源であるお茶と独自の文化・歴史をストーリー立てており、より地域の魅力が伝わりやすい体験であると言えるでしょう。

その他の特産品や、スポーツからのアプローチも

地域資源を活かした取り組みにはお茶意外にも、地域特産の果物やスポーツ体験と掛け合わせた体験があります。

古老柿をはじめとする伝統食品作り、地域の果物を使用したスイーツ作りは「食」から観光地の魅力を理解してもらえます。また同地域では「食」だけでなく、豊かな自然を満喫できるカヌーやボルダリング、サイクリング体験もできるようにコンテンツの提供をすすめています。

多様な好みに合った複数の観光コンテンツが一つのエリアで楽しめるという特徴は、家族連れの旅行で選ばれる可能性も高めるでしょう。

農場体験で一石三鳥?!インバウンド誘客の可能性

近年では、農場で「労働力」を提供する代わりに、農場から「食事・宿泊場所」「知識・経験」が提供されるボランティアシステム「ウーフ(WWOOF)」も引き続き注目の話題となりそうです。

農業を手伝うウーファーの受け入れにより、農業人口が減少する地域の活性化が期待できます。同時に、インバウンド市場でのコト消費需要の高まり、特にこれまでに体験したことのない観光を求める層の需要を取り込めることも期待できます。

農業体験を通じ地域の魅力に触れそれを理解してもらうことで、リピーター化、また体験者の所属コミュニティへの宣伝効果も見込めます。農家民宿や農業体験は、訪日外国人観光客の新たな受け入れ先として大きな可能性を秘めています。

▲[農家民宿の登録施設を検索できるサービスも存在する]:里の物語公式サイト
▲[農家民宿の登録施設を検索できるサービスも存在する]:里の物語公式サイト

地域資源の活用&独自性を追求が地方誘客促進成功の秘訣

今回の事例からは、「時流に合致したコンテンツ」「幅広い層に受け入れられる複数のコンテンツ」「コミュニティへの宣伝効果」といった観光コンテンツに必要なエッセンスが見えてきます。

農家民宿の整備は、人気観光エリアでの宿泊施設不足も解消してくれるはずです。京都山城地域が取り組んだ地域資源の発掘・磨き上げから、インバウンド向けの体験コンテンツ造成につなげていく動きは、今後さらに活発化していくことが予想されます。

インバウンドの受け入れ体制の強は満足度の向上に寄与し、リピーター獲得や友人家族への宣伝効果も期待できると考えられます。効果検証を経て、こうした手法は今後他の地域でも取り組みが進んでいくかもしれません。


<参照>

・日本遺産 ポータルサイト:日本茶800年の歴史散歩

・SAVOR JAPAN:日本茶のふるさと お茶の京都〜ほんまもんの緑茶を体感しよう〜

・農林水産省:「SAVOR JAPAN(農泊 食文化海外発信地域)」について

・JTB INBOUND SOLUTION:京都山城地域 800年の歴史を持つお茶をフックに海外からの旅行者を誘客

・訪日ラボ:WWOOF(ウーフ)で訪日外国人を受け入れる3つのメリット&2つの注意点|ウーファー・ホストの違いも解説

・里の物語:農家民宿

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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