訪日外国人に人気の日本のイベントとして「コミックマーケット」があります。コミックマーケットは日本のアニメやマンガ、ゲーム文化を楽しめる場所として海外からの参加者も年々増加しています。
コミックマーケットでは、同人誌やグッズを購入できるだけではなく、アニメやマンガ、ゲームのキャラクターに扮するコスプレを楽しむこともできます。
今回の記事では、コミックマーケットとはどのようなイベントなのか、なぜ訪日外国人にコミックマーケットが人気なのか、またコミックマーケットをインバウンドに活用するための対策方法を紹介します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
コミックマーケット基本情報
コミックマーケットとは、主義や志を同じくする人たちが自分たちの作品を発表する場であり、表現の可能性を広げるための場所です。
コミックマーケットは、サークル参加者、一般参加者、スタッフ参加者などの相互協力によって成立しています。
また、日本のマンガ、アニメ、ゲームなどは社会に様々な影響を与えています。
コミックマーケットとは
毎年8月、12月の年2回、東京ビックサイトにて行われるマンガ・アニメ・ゲームなどのその他周辺ジャンルの同人誌の展示や自費出版が行われるイベントです。
出店している組織は同人サークルの他にも、ゲーム、アニメ製作会社や出版社などの企業ブースがあり、近年はコミックマーケットの認知度が上がったことによって一般企業の参加も増えています。
また、コミックマーケットでは握手会やトークショーのイベントも開催され、同人作品による表現だけでなく、コスプレを通した自由な表現も同じく尊重されています。
2019年夏のコミックマーケット96の来場者は4日間で73万人、同年冬のコミックマーケットは4日間で75万人を記録しています。
コミックマーケット98(2020年5月開催予定)は中止に
2020年3月27日のコミックマーケット公式サイトで告知されたように、新型コロナウイルス感染症の影響によってコミックマーケット98の開催は中止となりました。
また2020年の冬開催であったコミックマーケット99は延期が決定しています。
コミックマーケットには様々な国から外国人が訪れる
コミックマーケットは、実に様々な国の外国人から関心を集めています。2019年のコミックマーケット97準備会の国際部デスクを訪れた外国人参加者だけで45カ国の地域にのぼりります。
外国人参加者の中では中国・韓国・台湾を中心としたアジア圏が一番多く、アメリカ・ヨーロッパがそれに続き、五大陸の全てから外国人が訪れています。
珍しいところでは、南アフリカ、ウクライナ、ブルネイ、ドバイ、アブダビといった国々からも外国人が訪れています。日本のマンガ・アニメ・ゲームなどのカルチャーがいかに世界各地で人気を博しているかがうかがえます。
外国人からみたコミックマーケットの魅力
コミックマーケットにおける日本のコンテンツの魅力は、その表現の自由さに裏付けされています。
通常のショップでは目にすることがないようなトピックを扱った作品や、非常にニッチな趣味を取り上げたような作品もあり、こうした自由な表現の作品を手にすることができる点は、コミックマーケットならではの魅力といえるでしょう。
そのほか、クオリティの高い「コスプレ」を楽しむことができることもコミックマーケットの魅力のひとつです。
ここでは、外国人からみたコミックマーケットの魅力について紹介します。
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日本最大のアニメ・ゲーム・マンガのイベントである
訪日外国人がコミックマーケットに参加する目的として、アニメやマンガ・ゲームに興味がある人がイベントを体感したいことと、海外では体験できない会場の雰囲気を味わうことがあげられます。
外国と日本のイベントには違いがあります。例として、中国ではアニメ、マンガ、ゲーム、小説といった日本の二次元の文化を「ACGN」と総称したACGN愛好家同士が交流できる場として「漫展」というものがあります。
中国の「漫展」は多くのスポンサーによって成り立っており、特定のゲームやアニメの宣伝がメインです。
このようにイベントの主目的が「新作アニメやマンガの広告」となっている中国とは異なり、コミックマーケットでは純粋にゲームやアニメを愛する人々が作品の新旧、知名度を問わずに楽しむことができるという点で、海外のファンからの人気を集めています。
クオリティの高い同人誌を入手することができる
2016年8月、東京ビックサイトで行われたコラボイベント「世界コスプレサミット2016 コラボレーション in コミックマーケット 90」が行われた際、各国から訪れたコスプレイヤーたちが自国の同人事情について明かしました。
海外でも同じようなイベントはありますが、日本ほどクオリティが高い同人誌が購入できるイベントはありません。
例えば、ドイツではコスプレをしながらピクニックや食事ができる交流イベントがあります。しかし、同人誌の作成・販売に関しては法律上、キャラクターをまねてコピーすることは禁止されていることから、同人誌の入手は難しい現状があります。
このような背景から、クオリティの高い同人誌を求めてコミックマーケットに参加する外国人も多いことが予想されます。
コスプレを楽しめる
同人誌やグッズの販売と並ぶコミックマーケットの醍醐味のひとつとして「コスプレ」があります。
コミックマーケットに参加する人は様々なコスチュームをしたコスプレイヤーを見たり、自分自身がコスプレをしたりすることで楽しんでいます。
外国でもコスプレは人気であり、中国ではアニメ・漫画産業育成のために政府主催のコスプレ大会が開催されるなど、コスプレの文化が盛んです。
コスプレイヤーにとってコミックマーケットは自身の認知度を高める格好のチャンスでもあり、外国人のコスプレイヤーもクオリティの高いコスプレを用意して参加する人もみられます。
コミックマーケットのインバウンド対応
コミックマーケットは年々規模が拡大しており、出展数が3万サークルともいわれています。
また、政府がキャッシュレス化を進めている背景もあるため、コミックマーケットでの支払いにおいても、クレジットカード支払いや電子マネー支払いなどのキャッシュレス決済に対応する出展者も増えています。
こうしたキャッシュレスの取り組みは、インバウンド対応にもつながっているといえます。
ここでは、コミックマーケットの運営や参加者が取り組むインバウンド対応について紹介します。
多言語対応
コミックマーケットの公式サイトは多言語対応を進めており、日本語のほか、英語、中国語(簡体、繁体)、韓国語のサイトが用意されています。
具体的にはコミックマーケットの概要、会場についてからの注意事項が記載されています。
徹夜で会場外で待つことの禁止や、コスプレでの来退場について、個人の写真を撮る前の許可などが事細かく多言語にて記載されています。
キャッシュレス対応しているサークルも
コミックマーケットへの出展者の多くは依然として現金のみの決済方法をとっている中で、クレジット支払いや電子マネーなどのキャッシュレス決済に対応している出店者も現れはじめています。
現金決済が主流のコミックマーケットでは、来場者の多くは予め用意した現金分の買い物しかしにくいという課題がありました。
そこでキャッシュレス決済を導入することによって、参加者は当初のお目当て以外の商品も気軽に購入できるようになり、想定以上の売り上げが見込める場合があります。
また、現金管理の手間を省くことによって無用なトラブルを避けることができ、海外からの来場者にとっても助かる場面があります。
時代の流れに沿ってキャッシュレスを導入することは、売り上げをあげることだけでなく、インバウンド対策にもつながっているといえます。
外国人にも人気なコミックマーケット
日本のコンテンツの表現の自由さや多様性は、多くの外国人を魅了しています。
コミックマーケットでは海外では購入できないようなクオリティの高い同人誌を購入することができることも、多くの外国人が訪れる理由となっています。
こうした同人作品を購入できること以外にも、コスプレ文化もコミックマーケットの魅力といえるでしょう。
コミックマーケットに訪れる外国人の数は年々増加しており、今後は多言語対応やキャッシュレス対応をすることで、より訪日外国人の購買ニーズを取り込むことができるようになるでしょう。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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