中国人が使う日本不動産購入アプリ「神居秒算」富裕層の投資需要・ニセコや沖縄も訪問不要で売買成立

公開日:2020年06月29日

2020年の新型コロナウイルス流行以前まで、日本の主要観光地では中国人の姿がよく見られました。その旺盛な購買意欲は「爆買い」と称され、メディアを賑わせました。

さらに日本の人気観光に対し、観光だけでなく、土地や不動産物件の取得に手を出す中国人がいるようです。

スマホのECアプリで様々なものが買える中国ですが、日本の不動産も同様にアプリで購入できることが伝えられています。

今回は、日本の不動産を中国国内の中国人に販売する「神居秒算」を紹介し、そこから見える中国人の日本の土地の購入意欲の大きさについて考察します。


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中国発「日本不動産爆買いアプリ」神居秒算

「神居秒算」は2016年に元楽天執行役員、中国人の何書勉によって設立し、翌年サービスをリリースしました。

現在30社くらいの不動産販売・仲介会社と提携し、日本の不動産掲載件数は中国で展開するサービスの中でも最多となっているそうです。

サービスは「部屋探し」「投資」の2つのメニューに分かれています。

アプリ内で取り扱っている物件は、「公寓房源(マンション)」「一户建・別墅(一戸建て・別荘)」「大型物件(ビル)」「精品民宿(高級民泊)」「新房直卖(新築販売)」「租房(賃貸)」の6種類があります。

場所は東京や横浜、京都、大阪、北海道、沖縄など12都道府県に渡り、計1万以上の物件数が掲載されています。(2020年6月26日時点)

神居秒算では、日本の都道府県別に不動産物件を検索できる
▲[神居秒算では、日本の都道府県別に不動産物件を検索できる]:編集部スクリーンショット

投資用をうたい、1万平米の土地が売りにだされている

アプリでは、都道府県を選択し、物件情報を閲覧します。物件の種類別に検索結果を絞り込むこともできます。

「北海道」で検索してみると、虻田郡のニセコ町、俱知安町、郡留寿都村、また札幌市中央区の土地が、投資用土地として掲載されています。

一番上に掲載されている「北海道虻田郡ニセコ町曽我投資用土地」は、広さ1.1万平米で1523.2万元(約2.3億円)で売り出されています。


神居秒算で掲載される、北海道ニセコ町にある投資用土地の物件情報
▲[神居秒算で掲載される、北海道ニセコ町にある投資用土地の物件情報]:編集部スクリーンショット

沖縄の投資用不動産

北海道と同じく訪日中国人から人気の高い沖縄の物件も、投資用案件として掲載されています。

中国人観光客が多い地域として知られる沖縄であれば、中国人向けのサービス展開による収益が得られる可能性もあります。様々な理由から、こうした地域の不動産を購入検討する中国人がいると考えられます。

沖縄県名護市では3.84億元(約58億円)で、11.4万平米の土地が売りに出されています。


神居秒算で掲載される、沖縄名護市にある投資用土地の物件情報

▲[神居秒算で掲載される、沖縄名護市にある投資用土地の物件情報]:編集部スクリーンショット

実際の不動産購入のステップは?

物件の情報は、面積、価格、販売会社などの基本情報以外に、購入時にかかる不動産所得税や登録免許税、印紙税、弁護士費用、仲介費用、または購入後の固定資産税、都市計画税など必要な出費も全て掲載されています。中国人ユーザーに向けて、購入を現実的にイメージさせることができると考えられます。

マンションの物件だと、物件そのものおよび物件所在地の価格推移表、過去売買と賃貸の時間および金額の記録も見られます。こうした情報により中国人は、投資価値について様々な指標から理解し、投資を検討しているようです。

実際に購入する際は、アプリ上で電話かメッセージで神居秒算に連絡し、専門の投資顧問にカウンセリングしてもらった上で、神居秒算を経由し、日本の不動産会社と売買契約を結ぶことができるとされています。

全てのやりとりは、神居秒算がサポートし、日本語ができなくても購入に支障が生じないことも特筆に値するでしょう。

日本の土地に対する中国人の投資熱

実は中国人による「日本不動産爆買い」は最近のことではありません。2016年に日本不動産市場の最大の顧客は中国人といわれていました。

海外への過熱な投資が中国の外貨の流出を加速させたため、危機感を感じた中国政府は2017年から外貨購入への制限を強化し、中国人の海外不動産購入は一時期より難しくなっています。この施策を受け、日本不動産の爆買いが沈静化しているとの情報もあります。

そうはいっても「神居秒算」のような日本の物件を専門的に取り扱うアプリが存在するほど、日本の土地購入や投資運用に対する中国のニーズは高いとみることができるでしょう。

同アプリは月間500人以上の中国人投資家を送客しているそうです。中国の不動産業界の成約率は3%ですが、これを大きく上回った10%の成約率を記録しているとの情報もあります。日本の不動産が今もなお、中国から熱望される「爆買い」対象であることは確かなようです。

こうした投資熱を、日本経済の発展に結び付けられるような制度が、これからは求められていくのかもしれません。


<参照>

ダイヤモンド・オンライン:中国人に日本の不動産を物件も見ず買わせる「お化けアプリ」の正体

NeoX株式会社:サービス

神居秒算:公式ホームページ

Net IB News:中国経済新聞に学ぶ~中国人「日本不動産の爆買い」が終了

PR TIMES:国内外の中国人オーナーにもサービスを拡充 中国最大級の日本不動産ポータルサイト「神居秒算」を展開するNeoX株式会社と業務提携

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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