訪日外国人観光客の増加に伴い、大都市近辺の主要国際空港のみならず、地方空港においても東アジア方面を中心に国際線の定期便の新規就航は増加傾向にありました。
さらに国も地方空港の民営化による活性化を目指すなど、近年地方空港にとってはまさに追い風が吹く状況が続いていました。
ところが2020年に入り、地方空港は新型コロナウイルスの影響により、国際線だけではなく国内線においても壊滅的な影響を受け、そのダメージは日を追うごとに深刻さを増しています。
そこで本記事では、地方空港が置かれている状況を解説すると共に、今後の行方について探っていきます。
インバウンド出入国データ(空港/湾港別出入国外国人)
インバウンドの玄関口となる空港や港湾(船の港)。その訪日外国人利用者数、つまり入国・出国手続きをした外国人数は、インバウンド黎明期はゴールデンルートの出発点となる成田空港の1強でした。しかしながら、2015年ごろから主にアジア圏訪日外国人による関西圏人気の高まりとともに関西空港の利用者数も飛躍的に伸びています。その他、LCCをはじめとした国際線直行便が地方空港でも就航が増えてきており、地方への直接入国や出国も増加しつつあります。
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地方空港のインバウンド事例 │ 免税店の充実・チャーター便増:地域活性化に向けた取り組み
日本は島国である以上、海外から陸路が利用できない上に船でのアクセスも時間がかかります。そこで日本の玄関口として重要になるのが、空港の存在です。近年では訪日外国人客数の増加に伴い、羽田空港や成田空港などの主要な国際空港だけでなく、地方空港のインバウンド需要も急増しています。今回は、インバウンドの地方空港の利用状況をふまえ、地方空港におけるインバウンド誘客促進に向けた取り組みを紹介します。目次日本各地の空港の利用者数地方空港の存在感UP地方空港のインバウンド事例訪日客が好きな免税店、地方空港で...
地方空港とは
「空港」は、空港整備法において「主として航空運送の用に供する公共用飛行場で、政令で定めるもの」と明確に定義されています。
現在日本にある空港の中で、国際線の拠点となっている成田国際空港・中部国際空港・関西国際空港・羽田国際空港4港と、国内線の拠点空港となっている新千歳空港・伊丹空港・福岡空港・沖縄空港を除く90あまりの空港が、「地方空港」として定義されています。
地方空港の特徴
現在地方空港は、その設置主体や管理者により次のように分類されています。
- 国管理空港(国が設置、管理をしている空港):函館・仙台・広島・高知・熊本の各空港など
- 特定地方管理空港(国が設置し地方自治体が管理している空港):旭川・山形・山口宇部の各空港など
- 地方管理空港(地方自治体が設置、管理している空港):女満別・八丈島・神戸・屋久島の各空港など
地方空港の運航の中心となっているのは国内線です。しかしインバウンド需要の喚起や利便性の向上、さらには訪日観光客の分散化を目的に、特に2015年以降は東アジアの各国との定期便を中心に国際線を就航させる地方空港が増加しています。
2019年の地方空港の就航状況
国土交通省が集計した「2019夏ダイヤ国際定期便(3月31日~4月6日)」によると、地方空港の国際定期便の運行状況は以下のようになっています。
| 空港名 | ソウル | 台北 | 香港 | 上海 | その他 |
| 旭川 | 2 | ||||
| 函館 | 12 | ||||
| 青森 | 3 | ||||
| 花巻 | 2 | 2 | |||
| 仙台 | 7 | 13 | |||
| 新潟 | 3 | 3 | 2 | ハルピン(4) | |
| 富山 | 3 | 4 | 3 | 大連(3) |
|
| 小松 | 3 | 7 | 2 | 4 | |
茨城 |
3 | 2 | 6 | ||
静岡 |
3 | 2 | 7 | 中国3都市(9) |
|
岡山 |
7 | 7 | 2 | 7 |
| 空港名 | ソウル | 台北 | 香港 | 上海 | その他 |
広島 |
3 | 7 | 3 | 7 | シンガポール(3) |
米子 |
6 | 2 | |||
| 高松 | 7 | 7 | 4 | 5 | |
| 松山 | 3 | 2 | |||
| 北九州 | 14 | 7 | 釜山(5)・務安(6) |
||
| 大分 | 7 | 釜山(3)・務安(3) |
|||
| 佐賀 | 7 | 2 | 4 | 釜山(4)・大邱(4) |
|
| 長崎 | 3 | 2 | |||
| 熊本 | 6 | 大邱(4)・高雄(3) |
|||
| 鹿児島 | 10 | 5 | 12 | 2 |
| 空港名 | ソウル | 台北 | 香港 | 上海 | その他 |
宮崎 |
6 | 2 | |||
| 新石垣 | 2 | 6 |
地方空港の国際線は便数や行先は限定されますが、地方在住者にとっては国内での国際線拠点空港への移動が不要な点や、スピーディーな出入国審査といったメリットがあります。
その一方で、主要国際線空港と比較すると乗降客が少ないため、経済や国際情勢などにより運航中止や休航になりやすいというデメリットがあります。
地方空港への国の支援と民営化
多くの地方空港の主な収入源は、航空会社から支払われる空港利用料、ターミナルビルの地代、施設の賃借料などです。
現在地方空港では発着便の減便などの影響で7割以上の空港が赤字経営に陥っており、地方自治体にとって財政上の負担となっているケースがあります。
そこで地方自治体の財政負担軽減や、地方空港におけるインバウンド拡大に向けた取組として、国土交通省は地方空港の国際線に対するゲートウェイ機能強化とLCC 就航促進を掲げています。
2017年に「訪日誘客支援空港(拡大支援型)」として静岡、仙台、熊本など計19空港を、「訪日誘客支援空港(継続支援型)」に長崎、那覇、大分など計6空港を、「日誘客支援空港(育成支援型)」に松本、下地島の2空港を認定し、着陸料の割引など各種助成を行っています。
さらに国土交通省では国管理空港の民営化を促進しており、その第1号として2016年7月に民営化されたのが宮城県・仙台空港です。完全民営化となった2019年には、定期便は国内線が1日8往復、国際線が1週間に15往復に増え、地域経済にも好影響を与えています。
この続きから読める内容
- 地方空港民営化のメリット
- 熊本空港が、地方空港として最大の国際線ネットワークを構築
- 新型コロナで地方空港の利用者や運営にも影響
- 海外からの上陸拒否
- 地方空港からの国際線は、ほぼ全便欠航に
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