中国人富裕層にひそむビジネスチャンス | キーワードは「高品質」「唯一無二」・日本で「買いたいもの」

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中国人富裕層の影響力は、日本企業にとって見逃すことができないほど経済に大きな影響力を与える存在になってきています。

今までは「中国人」という大きいくくりでビジネスをしてきた事業者の中でも、消費インパクトが大きい富裕層にターゲティングしたビジネスを検討する事業者が増えてくると考えられます。

そこで本記事では、中国人富裕層の特徴や、彼らが求めているモノやサービスに焦点を当てて、どんなビジネスチャンスがあるのかを解説します。


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中国の富裕層とは

クレディ・スイスが2019年度に発行した「グローバル資産レポート」によると、2018年の中国人富裕層は、世界の富裕層トップ10%の構成員数となり、アメリカを初めて上回る結果となりました。

中国は、貧困層と富裕層の2極化が国内の問題になっています。中国の富裕層の人数が世界のトップ水準であることは、中国国内の経済格差の大きさを物語っているといえます。

ここでは、中国人富裕層の特徴や人口に対する割合を紹介します。

中国の富裕層は若い?

中国人富裕層は、世界の富裕層と比べると、平均年齢が若いことが特徴となっています。

今の中国には3.5億人の中間層が存在しており、そのうち上位10%の「プチ富裕層」といわれる層に焦点を当てると、20代〜30代の割合が高くなります。

彼ら「プチ富裕層」の特徴は、消費好きと知られており、その中でも日本製品を好む人が多いことが特徴となっています。

個人旅行という形で訪日旅行にくる中国人も、この「プチ富裕層」の割合が高いといわれています。

中国人富裕層の総人口に対しての割合

2019年の中国の人口13億8,000万に対して、100万米ドル以上の資産を保有する中国人富裕層の人数は1億人といわれています。

一方、アメリカは中国人に富裕層の人数では追い抜かれましたが、人口約3億3,000万人に対して富裕層の人数は約9,900万人と、人口に占める富裕層の割合はアメリカの方が高いことがわかります。

中国人の富裕層の数だけに着目すると、非常に豊かな人が多い国という印象を受けますが、人口に対する富裕層の割合で着目すると、裕福ではない人が多い国という特徴が見えてきます。

中国の富裕層と呼ばれる人の多くは、北京や上海などの大都市に住んでおり、それ以外の多くの省には貧困層とよばれる人が存在しています。

特に、電話回線やインターネットが普及していない地方の農村エリアは、人身売買が起きるほど、貧困に苦しんでいるといわれています。

中国人富裕層が買いたいもの

中国人富裕層を巻き込んだビジネスを行う上で、彼らが欲しているモノやサービスを理解することは大切です。

富裕層の消費活動といわれると、不動産や高級ブランド品へのイメージが強くなりますが、それだけに消費や投資をしているわけではありません。その背景には中国ならではの事情が関係していることもあります。

ブランド品

アメリカのコンサルティング会社ベイン&カンパニーとイタリアのラグジュアリー業界団体のアルタガンマ財団が2019年に発表したリポートによると、ラグジュアリー市場は、前年比4%増の1兆2,600億ユーロ(約152兆4,600億円)に達しています。

地域別の市場額で見ると、欧州や米国市場が大きいですが、成長率で見ると、中国市場が前年比26%増の300億ユーロ(約3兆6,300億円)となっており、市場をけん引する存在となっています。

中国人の特徴の1つとして、ステイタスや身分を表現する目的でブランド品を身に着けるという点があります。そのため、一目で誰もが知る高級ブランドと判別できるヨーロッパ発祥のブランド品を購入する傾向にあります。

レストランでの食事、安全な食材

世界で日本食ブームが起きている中、中国でも何度目かの日本食ブームがいま起きています。その背景には、日本食の繊細さや、味の美味しさという点に加え、使用されている食品が安全という認識があるといわれています。

中国では、自国の食品に対する衛生管理問題が以前からニュースに取り上げられています。中国国民は、自国の食品の安全面を信じておらず、常に恐怖に直面しているといわれています。

そのため、富裕層の中国人は「食」の安全を求め、高い金額を出すことで「安全な食材」を食べられるという認識があります。

ですので、富裕層の中国人が日本に訪れた際は、日本料理店の懐石料理や寿司、和牛などを求め、1番料金が高いコースを頼む傾向が強いといわれています。結果、中国人の訪日旅行中の消費項目の中で食にかける金額の割合が高くなっています。

不動産

中国人富裕層は、不動産の投資にも積極的です。国内不動産の投資も活発ですが、海外不動産への投資も積極的に行っています。

彼らが海外不動産に投資する目的として、人的なネットワークの拡大や、子供の留学、将来永住権を獲得することなどがあります。その中で、日本への不動産投資は、「距離」、「信頼性」、「割安感」という3点で人気となっています。

中国人の不動産投資の加熱に対して、警戒心を抱く国が出てきており、厳しい規制をかける国もありますが、日本では、外国人の不動産投資に対して、厳しい規制を設けていません。

自由な売買も可能で、土地は永久的に購入者のものになります。そのため、資産保全のために日本の土地の購入を検討する中国人富裕層も少なくありません。

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品質の高い「知る人ぞ知る」商品

中国人は、上述したように誰もが知るようなハイブランドを好む傾向にあります。しかし、最近では、誰もが知るようなブランド品ではなく、「高品質」や、「唯一無二」がキーワードとなる、確かな品質やこだわりが感じられる商品やサービスの需要も伸びてきています。

例としては、日本で「人間ドック」を受診するツアーや健康食品などの医療に関する商品やサービス、高級羽毛布団や美容関連機器などがあげられます。

性風俗にも需要

2015年ころ、日本を訪れる中国人といえば、「爆買い」がブームとなっていました。しかし、近年は「モノ消費」から「コト消費」へと消費のスタイルが変化してきています。その中で、注目を集めている体験サービスが、「性風俗」サービスです。

中国では性風俗のサービスに対して、取り締まりが強化されており、中国現地でこうしたサービスを受けることは難しいといわれています。また、中国では日本のアダルトビデオの女優の人気が高く、性産業のイメージが強いことも需要が高まっていることのひとつの理由と考えられます。

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年々増加する訪日観光客は、2018年についに年間3,000万人を超えました。日本政府観光客(JNTO)の発表を見ると、最も多く日本を訪れているのは中国人です。2019年7月の訪日中国人は初めて単月100万を突破しました。中国人の日本旅行と言えば、数年前までは「爆買い」が話題でしたが、訪日の目的も変わってきているようです。訪日の目的となっている「コト消費」と、その一つである性風俗ツアーをとりまく問題について検証します。関連記事”夜を楽しむ”ナイトタイムエコノミーとは?茨城空港=東京?爆増中国...


中国の富裕層の存在は、日本企業にとってのビジネスチャンス

富裕層の人口が多い近隣中国との関係は、日本企業にとって、大きなビジネスチャンスとなります。

この機会を活かして、中国人富裕層と日本企業の協業関係を作っている取り組みや、マーケティング活動を支援する企業もあります。

中国人消費者と日本企業をつなげるセミナー

中国人富裕層の存在を日本企業のビジネスの機会に活かす策として、中国人経営者や富裕層と日本企業をつなげるセミナーやイベントを開催する企業があります。

インバウンド事業や海外進出支援事業を行っているmingleは、日本でのビジネスに興味や意欲を見せている中国人富裕層の満足度を高める目的と、日本経済活性化という目的をかなえるため、一緒に伴走してくれる日本の法人・個人とアライアンスを結び、中国人富裕層とつなげる架け橋になるセミナーやイベントを開催しています。

中国富裕層マーケティングに特化した企業

訪日中国人の増加に合わせて、中国人富裕層をターゲットとしたマーケケティング支援会社もあります。

中国人富裕層コミュニティの運用や中国向けプロモーションを行っている行楽ジャパンは、都道府県市区町村に対して中国に向けたプロモーション支援やプロジェクト支援、官公庁・自治体との連携を行っています。

同社では、調査分析から施策の企画実施、そして改善までワンストップで、日中に精通したプロフェッショナルが支援しています。

中国の富裕層向けビジネスの実態を把握して、チャンスをつかむ

中国人富裕層の数は、世界で上位にランクインしており、その多くは40〜50代と若く、中国の国際的な大都市に居住しているという特徴があります。

彼らは、不動産やブランド品に加え、高品質かつオリジナルな商品やサービスへの消費意欲が高いといわれています。

中国市場に対してマーケティングを行う場合、このような中国人富裕層の消費特徴を踏まえて企画の方向性やプロモーションの打ち方を検討することも有効となります。

また、現在はインターネットを通して海外の情報が手に入れやすく、架け橋となるような支援をしてくれる会社や、マーケティングの支援をしてくれる会社の存在もあります。

これらをうまく活用していくことで、中国人富裕層の中に潜んでいるビジネスチャンスを掴める可能性があります。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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