「中国人が持っている北海道の土地面積、静岡を超える」と田母神氏:観光地に"経済的侵略"

公開日:2019年09月25日

北海道は中国人に人気の旅行先ですが、実は土地、不動産の購入という観点からも人気を博しています。

2019年2月、政府は外国資本による土地取得について、安全保障に関わる重要な問題とし、必要な施策を検討していくとの考えを示しました。

特に北海道の過疎地や水源地などが中国人によって次々と買収されている状況が伝えられてます。

今回は、中国人による北海道買収問題と、規制に乗り出す方針の政府の意向、外国資本の過度な流入によって生じるオーバーツーリズム訪日中国人観光客の北海道需要と今後の課題について紹介します。

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中国人による北海道の土地買収問題

第29代航空幕僚長である田母神俊雄氏のTwitter上の発言が、2.1万件の「いいね」を集めて人々に注目されています。

このツイートで田母神氏は、中国人が北海道に持っている土地面積は、静岡を超えると伝えています。

買収された土地には日本人の立ち入りがはばかれている状況もあるとして、合法的に日本の国土を奪われてしまうことへの懸念を示しています。

具体的には、約1万5,000haの土地が北海道では買収されていると言われており、ニセコやトマムといった人気リゾート地、国際交流が盛んな釧路市周辺などが主な買収先の例です。

政府はこれまで北海道のインフラ整備に注力してきたことから、今後過疎化が進み日本人にとっては無価値となっても、外国人にとっては割安で魅力的な土地として認識されているのが現状です。

中でも中国人が投資目的で積極的に購入しており、地価の上昇が著しいニセコは、不動産オーナーの6割以上が中国系や香港系と言われています。

中国政府の要人が北海道を来訪

2019年には中国政府の要人が相次いで北海道を訪れています。

2019年5月には中華人民共和国の首相の李克強が、2019年10月には、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に参列した国家副主席の王岐山氏が北海道を訪問しました。

10月には、2020年の習近平国家主席の来日を見据え、北海道でも訪問を期待すると語ったことが伝えられています。

こうした動きを上記の外資買収とリンクさせ、日本経済にとっての懸念材料となることを説くジャーナリストもいます。

2019年末で面積2,946ヘクタールの森林が海外資本の手に

北海道庁が公表したデータによると、2019年1月から12月までの期間の海外資本等(居住地が海外にある法人及び個人並びに国内の外資系企業)による森林の取得事例には、35件、199ヘクタールが確認されています。 

そのうち、中国(香港)が保有する森林面積の合計は、14件、34.15ヘクタールです。

2019年12月末時点の海外資本等による森林所有状況は、所有者数は220、面積2,946ヘクタールとなりました。

政府が中国の土地取得に対する規制を検討

中国人による北海道の土地の買収が相次ぐ中、安倍首相(当時)は今年2月、外国人の土地取得規制検討を表明しました。

特に、外国人や外国資本による国境離島や防衛施設周辺の土地取得においては「国家安全保障に関わる重要な問題として認識している」と強調しています。

実際に北海道登別市では、中国資本による大規模な太陽光発電所が建設され、売電を開始する動きも見られるといった状況です。

さらに買収の動きは北海道の玄関口、新千歳空港にも及ぼうとしていました。2018年3月には、航空自衛隊の基地と隣接する同空港のおよそ52haの土地が、中国の大手ECサイト「アリババ」に約49億円で出品されたとのことです。

外国人が防衛施設周辺など、日本の安全保障に関わる土地を買収・所有することに対する危険性が、改めて指摘される事態となりました。

経済的侵略を防ぐ?自治体による土地取得も

一方で、加速する中国資本の土地買収を受け、町をあげて土地を防衛する動きも出てきています。

北海道の新得町では2017年、施設の老朽化等で閉鎖された370haの牧場地を、中国をはじめ外国人資本が買収する可能性が出ましたが、町が2億円の費用を投じ土地を取得しました。

新得町の浜田町長は、第一次産業の土地は地元で管理することの必要性を強調し、今後も積極的に対応していきたいと述べています。

国レベルで規制に乗り出すと同時に、自治体レベルでも危機感を持ち対策に乗り出している様子がうかがえるでしょう。

中国需要高まるニセコのオーバーツーリズム

外国資本による買収が進む、北海道の人気リゾート地・ニセコでは、インバウンド誘致に成功した一方で、新たな課題も浮き彫りになっています。

ニセコは、外国人目線のインバウンド対策や富裕層向けのビジネス戦略を鍵として、外国人による外国人のリゾートとして成長しました。訪日外国人観光客のニーズを満たす魅力的な観光地となりましたが、それに伴いニセコに住み接客などの仕事をする外国人の増加も顕著になっています。

ニセコエリアの倶知安町では、住民登録をしている外国人の数が、人口の12%にも及んでいる状況です。

外国資本によるリゾート開発が進むことで、物価や家賃の高騰も著しくなっています。

富裕層向けのホテルやコンドミニアムの需要が拡大し億単位の物件も次々と売れており、飲食店ではラーメンが3,000円など、急激な物価情報が見受けられます。

地価の上昇に伴う固定資産税の上昇、札幌よりも家賃が高くなることなどから、地元住民にとっては住みづらい状況です。実際に、持ち家を売り札幌のマンションなどに引っ越すケースも増加しています。

観光客でにぎわうも、地元は不景気

インバウンドの富裕層を中心に誘致成功し、オーバーツーリズムをも引き起こすこととなったニセコですが、外国資本の過度な流入により、地元にはお金が入らないといった問題も顕著です。

外国人への不動産売買は、外国資本の不動産会社が仲介に入るため、日本企業が関与できるケースは少ないほか、外資系ホテルの儲けも地元には入らず国外へ流れていきます。

今後は東京や京都の宿泊税のような、観光客からインフラ整備の財源となるお金の徴収や、開発企業からの共益費の徴収など、地域にお金が落ちる仕組みづくりが求められるでしょう。

中国企業が183億円で星野リゾートトマムを買収

星野リゾートトマムは北海道のスキー場です。このリゾート施設を中国の商業施設運営会社である復星集団が2015年11月に買収しています。買収額は183億円であることが報じられました。

これにより、中国人観光客に人気のトマムスキー場を、中国企業が経営することになりました。ただし、運営は星野リゾートが継続しています。日本の一大観光地の観光業を、中国企業が支える構図といえるでしょう。

中国人の北海道熱、実はこんな複数の理由が

訪日中国人観光客の間では長いこと北海道人気が続いています。最期に、彼らを魅了する北海道の魅力とは何なのかについて見ていきます。

もともと北海道ブームのきっかけとなったのは、2008年12月18日に公開された「非誠勿擾」という映画でした。北海道の釧路や阿寒湖、網走、厚岸、斜里、美幌といった各都市を舞台にした映画で、興行収入は3.25億元(約51億円)と歴代興行成績1位と大ヒットを記録しています。

その後、映画で観た情景を求めて北海道を訪れる中国人観光客が増加し、現在まで続く大規模なブームとなりました。

北海道で中国人観光客に大人気となっているのが「スキー」です。広大な国土を持つ中国では、人生で一度も雪を見たことがない人も大勢おり、自国にはない雪を楽しみたいといった需要があります。

日本のゲレンデはパウダースノーという柔らかい雪質が特徴で、スキー未経験者でも気軽に楽しめるのがさらに魅力を大きくしているでしょう。

さらに北海道はグルメの宝庫として、新鮮な海鮮やジンギスカン、スイーツなど、さまざまな食べ物が楽しめると人気を集めています。

中国では衛生面から生物を食べる習慣は基本的にはありませんが、こうした普段食べられない美食として、北海道の新鮮な魚介類に魅了される人もいます。

東北・日本海側地域の中国人旅行需要に対するポテンシャル

北海道の訪日中国人観光客人気によるオーバーツーリズムや土地買収の拡大を受け、インバウンドの中国需要の分散が求められるでしょう。

今後は雪の需要、食の魅力も北海道と共通する東北や日本海側地域への取り込みも期待されます。地方の過疎化や北海道における中国人過密の両問題解決への糸口になるかもしれません。

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<参照>

産経新聞:安倍晋三首相、外国資本による土地取得に「必要な施策を検討」と表明

msn:外国人による日本の土地買収が激化 北海道や長崎、沖縄も

FNN PRIME:買い占められる北海道 "中国サイト"で「空港付近」49億円

北海道庁:赤れんが通信

北海道庁:海外資本等による森林取得状況(平成31年1月~令和元年12月)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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