中国人向け性風俗、盛り上がる夜のインバウンド市場/WeChatには利用手順も

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年々増加する訪日観光客は、2018年についに年間3,000万人を超えました。2019年も、前年比2.2%増の3,188万人を記録しています。

日本政府観光客(JNTO)の発表を見ると、最も多く日本を訪れているのは中国人です。2019年7月には、訪日中国人の数が初めて単月100万を突破しました。

中国人の日本旅行と言えば、数年前までは「爆買い」が話題でしたが、訪日の目的も変わってきているようです。

訪日の目的となっている「コト消費」と、その一つである性風俗ツアーをとりまく問題について検証します。

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中国人の「コト消費」なぜ加熱?その背景

2010年代はじめの訪日中国人は、家電などを大量購入する「爆買い」を目的に訪日することが多く、2015年には「爆買い」が流行語に選ばれました。

間もなく2020年になろうとする現在、訪日目的は買い物よりも有意義な時間の使い方へと動いています。

買い物をする「モノ消費」に対し、商品やサービスの購入によって得られる体験価値を重視する消費を「コト消費」と言います。

一定の経済成長を遂げた中国においても物質的な充足から精神的な充足へ関心が移っていることが、コト消費増加の理由の一つとなっています。

また2019年1月に中国EC法が施行され、これまでの爆買い現象を支えてきたソーシャルバイヤーたちの購買が減速しています。訪日中国人市場でのコト消費はますます存在感を強めていきそうです。

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2019年1月、中国では電子商取引法(通称:新EC法)が施行されました。これは、海外で購入した商品を中国国内に持ち帰り、SNSやECプラットフォームを通じて販売する業者、個人に対し課税を義務付ける法律です。この法律の影響を受け、1月の売上が減少した日本メーカーもあります。法律の影響を受けインバウンド消費の減少が起きたブランドについて調べてみました。目次中国の輸入品購入の窓口、ソーシャルバイヤーとは?ソーシャルバイヤーの商品は危ない?EC正規店舗のメリット新EC法が新たに定めたソーシャルバイ...


中国人旅行者に人気の「コト消費」具体的に何?

コト消費には「純粋体験コト消費」や「アトラクション施設型コト消費」など7種類があります。

スポーツやアクティビティなどを体験するコト消費から始まり、居心地の良い空間やライフスタイル全般を提案するコト消費まで、ニーズが多様化しています。

都内の道路でよく見かける実写版マリオカートの風景もコト消費型の商品の一例です。神社仏閣や兼六園などの庭園観光、グルメ観光にも関心が集まっており、コト消費の熱はますます高まっていくと予想されます。

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コト消費は日本の「性風俗ツアー」も対象に

コト消費の一つとして挙げられるのが、「性風俗ツアー」です。一言で「性風俗」と言っても様々な内容が存在し、金額も手頃なものから50万円を超える高額なものまであります。

例えば以下のような体験を求めて、日本を訪れる中国人がいるそうです。

  • キャバクラやソープランドといった風俗店に行くもの
  • デート体験をするもの
  • AV女優とのデート
▲[日本には様々なタイプの風俗店があると伝えるWeChatのコンテンツ]
▲[日本には様々なタイプの風俗店があると伝えるWeChatのコンテンツ]:編集部キャプチャ

中国人がわざわざ日本にまで来て性風俗体験するのには理由があります。

中国には性産業に勢いのあった時代もありましたが、ここ数年は性風俗の取り締まりが強化されており、現地でこうしたサービスにたどり着くのが難しくなっているといいます。日本の都会では風俗店をみつけるのは難しくなく、訪日中国人がこうした需要を満たすためにもちょうどよい場所と言えるでしょう。

またアダルトビデオは日本を代表するコンテンツでもあります。女性を性的に消費できる地域として日本をイメージする中国人もいるでしょう。元AV女優の蒼井そらさんは中国で絶大な人気を誇る日本人ですが、彼女だけでなく現役のAV女優について詳しい中国人も少なくありません。

日本の性風俗は様々な種類があるだけでなく、サービスが良いことも評判を高めています。本国では体験できない時間を期待して風俗店を利用する中国人もいると考えられます。一般的に日本人のサービス業における態度は、まじめで顧客への気遣いにあふれていると評価されていますが、性風俗の利用でもこうした面に感激する場合もあるようです。

またお店側にとっても、高額なサービス料を支払う中国人は良い顧客といえます。

「性風俗ツアー」の現場で起きている問題とは?

訪日中国人の性風俗への関心の高まりを受け、独自の「性風俗ツアー」も組まれているとの情報もあります。

▲[日本の風俗店の利用手順を解説するWeChatコンテンツ]
▲[日本の風俗店の利用手順を解説するWeChatコンテンツ]:編集部キャプチャ

当然ながら、言語や文化の違い、あるいは性産業に従事する女性への偏見によりトラブルも起きています。こうした問題を回避するため、中国人観光客が風俗店を利用しようとしたところ、意思疎通がはかれないままサービスを提供するとトラブルが起きかねないという理由で、入店を断った店舗もあるそうです。

言語や文化の違いからくるトラブルを防止するため、外国人観光客の入店を断る店は少なくありませんが、一方で外国人観光客を受け入れたことで売り上げを伸ばした店を見て、新たに市場開拓を始めるという場合もあるでしょう。

施設を訪れる店舗型よりも、派遣型のサービスが増えている風俗業界において、店舗を利用してくれる外国人観光客は重要な顧客です。

▲WeChatには業界用語「本番」を解説する記事がヒットする:編集部キャプチャ
▲WeChatには業界用語「本番」を解説する記事がヒットする:編集部キャプチャ

同時に、中国人観光客の中には過激なサービスを要求したり、暴力的な行為に及ぶ人もいるといいます。悪質なケースでは、言葉を理解しているのにも関わらず分からないフリをして制止を無視する客もいると伝えられています。

性風俗もサービス業の一つであり、各国の背景を受けて独自に発展していること、その国のルールを理解して利用することが大原則であることを、利用者に周知する必要性が見えてきます。

まとめ

国によっては売春を合法としているなど、性風俗はすでに一つの産業として成立しています。またかなりの昔から、性風俗を目的とした旅行「セックスツーリズム」は一定の市場を形成してきました。

ただでさえ性産業のイメージが強い日本で、インバウンド市場が拡大すればこうした領域での需要が増大していくことは避けられないでしょう。

今後は政府による取り締まりの強化も行われるかもしれませんが、見えないところでサービスが提供され続ける可能性も否めません。言語対応や基本原則の周知といったトラブルを未然に防止する仕組みを早期に整備することも検討するべきなのかもしれません。


<参照>

https://news.nicovideo.jp/watch/nw1656310

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/post-12057.php

https://nikkan-spa.jp/1053139


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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