中国人が本当に見ている旅行メディア4選:66.9%は旅マエに口コミ収集、「RED」も情報源に

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訪日中国人が年々増加するなか、自社のサービスや商品の情報をいかに発信していくかが、集客力に大きな影響を与えています。

近年、中国では旅行の特性が変化したことや、「口コミ文化」といわれるほど口コミが重要視されている背景から、马蜂窝(Mafengwo)などをはじめとする旅行メディアが中国人を集客するうえで重要なツールとなっています。

本記事では、中国人の旅行における特性、自社のサービス・商品を掲載するメディアの選定方法、中国人に人気の旅行メディアを紹介します。


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中国人の旅行の特性とは

以前は、訪日中国人の旅行形態は、大人数での団体旅行が主流といわれていましたが、近年では旅行スタイルに変化がうまれています。

ここでは、中国人が旅行する際の特性やトレンドについて紹介します。

口コミを重視する傾向に

JTBは2015年より『JTB訪日旅行重点15カ国調査』を実施しています。昨年発表された「JTB訪日旅行重点15カ国調査2019」では、中国人の旅マエ旅ナカでの情報収集手段として、旅行口コミサイトの利用が一番多く、旅マエは66.9%、旅ナカでは51.5%の人が利用しています。

また、「旅行を予約する際の意思決定プロセスに影響を与える要因はどれですか?」という設問に対し、「ネット上での家族、友だち」と回答した参加者が50%、「ソーシャルメディア」と答えた参加者が38%という数値も出ています。

この結果から、昨今の中国で旅行の情報収集において、口コミがいかに重要とされているかが読み取れます。

団体旅行から個人旅行が主流に

観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」のデータをみても、中国人の旅行スタイルが団体旅行から個人旅行へ移行していることがわかります。

またこの調査によると、2012年に28.5%だった中国人の個人旅行は、2019年には66%まで上昇しています。

この背景のひとつに、訪日中国人の中心が20~30代になっていることがあげられます。

このような若年層は、SNSや旅行メディアを駆使して自身で旅行を計画し、日本に訪れる傾向があるため、従来の団体旅行よりも個人旅行の割合が高まっています。

また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って新しい生活様式が形成されるなかで、一定数存在していた中国の団体旅行者が減少し、少人数の個人旅行がますます増加することが予想されます。

アフターコロナの観光市場、中国のケースから予測/インバウンド需要はいつ戻る?

新型コロナウイルスの流行により、世界中で消費や旅行、人の流れなどに大きな変化が生まれています。 その中でも世界で初めて感染拡大が始まった中国では、世界に先がけて新型コロナウイルスの感染拡大を食い止め、徐々に人の動きや経済活動が回復しつつある様子がうかがえます。 しかし、武漢市では5月上旬に感染「第二波」と思われる兆候が出始め、感染拡大を食い止めるべく10日間で武漢市民全員をPCR検査するという空前の規模の対策が行われました。 今回の記事では、このような中国の現状を人の流れ、消費動向、...

旅行メディアを選ぶポイント

中国でも、日本同様に複数の旅行メディアがあります。

情報を掲載するにあたって、それぞれのメディアの特性や機能を考慮し、自身のサービスや店舗の魅力を最大限に伝えられるものを選定することが重要です。

ここでは、掲載先の旅行メディアを選ぶ際に注目すべきポイントをご紹介します。

中国国内での知名度

中国国内で知名度が高いメディアに掲載することは、より多くの中国人に情報を見てもらえる可能性が高まり、認知度の向上につながります。

日本でも同様のことがいえますが、知名度が高いメディアに掲載された記事は、ユーザーによってSNSなどにシェアされる確率も高くなります。

知名度と口コミを重視する文化、さらに拡散力のあるSNSが組み合わさったとき、一気に情報が広がる可能性を秘めています。

特に旅マエのプロモ―ションをより効果的なものにするためには、メディアの知名度の高さがポイントといえます。

自社のサービスや商品とのマッチ度

メディアを選ぶうえでは、自社のサービスや商品のジャンルと、メディアユーザーが求める内容が一致していることも重要になります。

自社の届けたい情報を、全く異なるジャンルの情報を届けるメディアに掲載しても、ユーザーに響く可能性は低いでしょう。

そして、選ぼうとしているメディアが旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のどれに役立つメディアなのかを把握することも大切です。

自社のサービスが宿泊施設の場合は「旅マエ」に強いメディア、飲食店や土産店であれば「旅ナカ」に重点が置かれたメディアなど、そのマッチ度も選択時のポイントになります。

PV数や伸び率

メディアのPV数やその伸び率は、特にメディアへのバナー広告の出稿を考えている事業者にとって参考にするべき項目となります。

PV数が高ければ高いほど、ユーザーの目に触れる回数が多くなるため、PV数は広告出稿の指標となります。

昨今のインバウンド市場の盛り上がりで中国の旅行メディアは乱立状態にあり、ユーザーから人気・不人気のメディアが分かれています。PV数の伸び率をみることで、これから人気がでるであろうメディアを選べます。

PV数や伸び率は、訪日中国人をターゲットにしたメディアの資料に掲載されている場合があります。

広告出稿を検討している場合、資料を請求し、確認することで選択肢を絞りこめます。

中国人に人気の旅行メディア

中国人に自社のサービスや商品の情報を広めるには、中国人に人気のメディアへ情報を掲載することが有効です。

そこで、ここでは多くの旅行メディアが存在する中国で、中国人に人気の旅行メディアを4つご紹介します。

马蜂窝(Mafengwo/マーファンウォー)

马蜂窝(Mafengwo/マーファンウォー)は航空券から宿泊施設、観光地、グルメ、ショッピング、現地体験、レンタカーの情報と予約サービスを提供しているサイトです。

中国人気No.1の旅行口コミメディアである马蜂窝は、1.3億人の登録ユーザーと8,000万人の月間アクティブユーザーを誇ります。

ユーザーによる口コミ投稿や「旅行記」という旅行ブログの投稿が可能で、それを基に行き先や旅行の意思決定をする中国人も多くいます。

毎月約1,000万件という口コミが投稿されており、「口コミ文化」といわれる中国で若年層から圧倒的な支持を集めています。

马蜂窝はユーザー数や口コミ投稿数からみても、今後の訪日中国人の集客において要注目のサービスといえます。

马蜂窝(MaFengWo)とは

马蜂窝(MaFengWo)は、中国最大級の旅行サイトのひとつです。日本では「ヒトサラ」と马蜂窝(マーファンウォー)が提携し、両社のユーザーを連携するサービスの提供を開始しています。近年、訪日中国人の個人旅行化がすすみ、訪日旅行を計画するのに马蜂窝の口コミや旅行ブログを参考にする中国人が増加しています。このような傾向から、日本でも马蜂窝での集客やPRを行っている企業があります。今回の記事では、马蜂窝(MaFengWo)の特徴や、インバウンド集客に马蜂窝を活用した事例を紹介します。Google...

携程(Ctrip/シートリップ/シエチェン)

中国最大級のオンライントラベルエージェンシー(OTA)である携程Ctrip/シートリップ/シエチェン)は、オンライン上での航空券やホテルの予約ができるサービスです。

会員数は中国国内だけで3億人といわれており、その数は全人口の4~5人に1人が携程の利用者に当たります。

中国国内の経済成長と各国の中国人観光客に対するビザ発給緩和の影響もあり、個人旅行での携程の利用者は増加しています。

携程ではテーマパークや観光名所のチケットの購入も可能で、観光情報もユーザの写真や口コミと共に得られるのが特徴です。

訪日中国人の8割が携程を利用しているというデータもあるため、インバウンド対策には効果的なメディアといえます。

Ctirp(携程、シエチェン)とは

Trip.comグループ(2019年10月にCtripから社名変更)のCtrip(携程、シエチェン)とは、中国最大のオンライントラベルエージェンシー(OTA)です。中国国内だけでも約3億人が利用するサービスで、海外向けのサービスTrip.com(国際版Ctrip)も展開しています。中国では年々海外旅行に出かける人が増えており、その旅行形態も、大人数で行く団体旅行から少人数の個人旅行へと変化しています。個人で旅行を計画するときに、多くの中国人がこのCtirp(携程、シエチェン)を利用していま...

小红书(RED/小紅書)

小红书は、20代の若い女性を中心に人気を博し、動画や複数枚の写真をアップできるスマホアプリです。

登録ユーザー数は3億人以上で、月間アクティブユーザー数でも1億人を越えており、中国5大プラットフォームの一つといわれています。

小红书は口コミサイトとEC機能が統合したSNSであり、ユーザーに対し商品の認知から購入までのアクションを促すことができるため、多くのビジネスが参入しています。

また、小红书には日本在住の中国人KOLが多く、彼らが発信している日本のファッション・レジャー・市販薬・雑貨・食品などライフスタイルの情報は、日本旅行際に購入する商品の参考とされています。

なぜ?中国アプリ「小紅書」KOLを1万人削除:SNS×ECで独自地位を確立、旅行関連投稿で若者に人気

経済成長に伴い、市場としての存在感を増していく中国では、インターネットユーザーの大半がスマホユーザーでもあり、人気アプリの動向は要注目となっています。中国のECアプリ小紅書(RED)は”中国版インスタ”とも呼ばれ、女性を中心にユーザーを拡大しています。この人気アプリは先週、アンドロイドのアプリストアでダウンロードが制限され、数日後にはアップルのアプリストアでも同様の事態となり、中国では比較的大きなニュースとなっています。すでに6月からプラットフォームの整備を進めつつあった小紅書(RED)の...


飞猪(フリギー/Fliggy)

飞猪は、アリババの傘下にあるオンライン旅行サービスプラットフォームです。

交通チケットの手配、宿泊施設やレストラン、レンタカーなどの事前予約、さらにはオリジナルを含むパッケージツアーの販売などさまざまな旅行商品を扱っています。

そのほか、飞猪では「旅行の達人」と呼ばれるインフルエンサーや一般のユーザーが投稿する旅行に関する記事やライブ配信など、旅マエ」に欲しい情報が充実しています。

さらに、2019年3月に新たにECサービス「フリギーゴー」を展開し、訪日中国人観光客が旅マエに旅行先の実店舗の商品をあらかじめ閲覧や購入することが可能です。

こうした旅マエの中国人への情報発信、またはモノ消費需要の喚起につなげられるため、ANAやラオックス、JR西日本などの日本の企業がフリギーやフリギーゴーと連携しています。

飛猪(フリギー)への登録方法は?活用のメリット・日本企業の登録事例3選を紹介

中国のIT大手企業、アリババの傘下にあるオンライン旅行サービスプラットフォームに「飞猪(飛猪/フリギー)」(以下:飛猪)というサービスがあります。2019年3月には、訪日中国人観光客が旅行前に現地にある実店舗の商品をあらかじめ閲覧・購入できる新サービス「飞猪购(飛猪購・フリギーゴー)」(以下:フリギーゴー)もスタートし、訪日中国人観光客の誘致を目指す日本企業がサイト内に出店するケースも現れ始めています。本記事では、飛猪のサービス内容を紹介すると共に、登録方法や活用方法を紹介します。目次飛猪...

旅行メディアで口コミを集め、訪日中国人の集客を

訪日中国人は20〜30代の若い世代の個人旅行が主流になりつつあります。

また、中国人の「口コミを重視する」という特性からも、訪日中国人に自社のサービス・商品・店舗を選んでもらうためには、旅行メディアなどのインターネット上で情報を発信し、認知度を高めたり口コミを集めたりすることが必要です。

その際には、中国国内でのメディアの知名度やメディアの強みなどを比較して、自社のサービスや商品の魅力を最大限に伝えられるメディアを選択することが重要です。

新型コロナウイルスの感染拡大で訪日中国人が減少している今でも、日本の情報を発信し、再び訪日需要が回復した時のためにいち早く対策を打っておくことが、のちの集客力を大きくアップさせることにつながります。

<参考>

JTB:インバウンド 市場動向 2019 訪日中国人旅行者の情報収集手段とは?中国インバウンド市場におけるデジタルプロモーションを考える

観光庁:訪日外国人消費動向調査


口コミコム - Googleマップからの来店を約2倍に


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短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。

今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。

今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

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【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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