独身の日とは?日本商品も5年連続輸入1位、10日で12兆円の流通取引総額というセールの実態

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もはや日本でも有名になった中国の「独身の日」ですが、現地中国では独身者に限らず、多くの人がネットでセール品など買いまくる一大買い物イベントとなっています。

この独身の日について、その概要と経済規模、そしてよく利用されるECプラットフォームの特徴などについて、この記事で紹介します。

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独身の日とは?

独身の日」は、毎年11月11日です。この日が「独身の日」となった理由は、「1」が並んでいる、つまり「1人」が並んでいる日だからと言われています。別名・光棍節(光棍とは中国語で「独身」)」とも呼ばれています。

独身の日」を考案したのは南京大学の学生たちです。11月11日に独身の若者たちが集まってパーティーを開いたり、プレゼントを送り合ったり、結婚相手を探したりする様々なイベントが行われているところから祝われ始めました。

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なぜ祝われるようになったのか?

11月11日が「独身の日」という名前の下での一大買い物イベントになったきっかけは、2009年に中国の大手EC企業アリババグループ(以下、アリババ)が自社ECサイト「淘宝商城」(2012年に天猫(Tmall)に改名)で開催した大規模なセールです。

アリババは11月11日を「W11」として、独身の人に向けて「自分へのご褒美や買い物をしましょう」と呼びかけ、大セールを開始しました。

その売れ行きが予想を上回るほど好調だったことから、以降アリババを筆頭に各大手ECサイトがセールイベントをこの日に開催するようになりました。

セールの対象は独身に限らず、どんな人でも参加することができます。

独身の日はこれからも続くのか?

中国のクラシファイド広告大手58同城(58com)が公表した『2019年職場独身人材調査研究報告』によると、中国では独身の人がおよそ2億2,000万人います。また、中国国家統計局の調査によると「一人っ子政策」の影響で、特に男性が「一人っ子」として選ばれた結果、3,000万人ほど今後独身男性の数が増える可能性があります。

独身男性の数が増える傾向は今後も続くものと見られる上に、人工のような社会動態が変化するには、数世代を待つ必要があります。加えて「独身の日」のはマーケットも大きいため、この日にむけた大セールの流れはしばらく続くことになるでしょう。

独身の日の経済効果

2020年のAmazonの日本での売上高は204億6,100万ドル(約2兆1714億円)です。一方、2020年の「独身の日」のセールでは、中国の主要企業の売上高を合計すると、その金額は12兆円を超えます。この章では「独身の日」の経済効果について検証します。

2020年独身の日の経済効果

アリババは、2020年11月12日にプレスリリース「アリババグループ、天猫ダブルイレブンで過去最高の流通総額7兆円超を達成」を発行し、独身の日の同社のGMV(流通取引総額)が7兆円に到達したことを発表しました。

市場規模2位の京東の同時期の売上が約5兆円だったため、この2社だけで「独身の日」の売上が12兆円に上ることがわかります。

この「独身の日」のセールで約8億人の消費者が買い物をし、3万1,000の海外ブランドが中国向け越境ECを通じて参加しました。

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2020年独身の日の売れ筋

昨年の「独身の日」の売れ筋商品は、時事通信によると、「1人用」の家電や食品など商品が爆発的に買われることになりました。新型コロナウイルスによる「お一人様消費」の傾向が売れ筋商品には多く見られましたが、同時にコスメ関連、女性衣服、デジタル製品も変わらぬ人気商品となりました。

独身の日に売れる日本ブランド

2020年の「独身の日」は新型コロナウイルスの影響を受けて、ほとんどの中国人が海外に旅行に行くことができなかったため、中国人消費者が日本や欧米などの輸入品をこの日にまとめ買いする傾向が見られました。

また、「独身の日」に中国人が買ったブランドの第1位が、5年連続で日本製品でした。

中国人が日本の越境ECを利用する際には、美容や育児・健康に関する商品を買う傾向があり、日本企業のなかでもヤーマンや花王・資生堂のような美容商品を扱う企業がに人気となりました。

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独身の日の各企業の動向について

毎年「独身の日」には、中国を代表するECブランドが一大キャンペーンをしています。それぞれの企業の2020年の「独身の日」の戦略について検証します。

アリババ

独身の日」の火付け役であるアリババは、中国消費者向け越境ECプラットフォームとして、「天猫国際(Tモールグローバル)」と「コアラ(Kaola)」の2つを所有しており、コアラは2020年に初めて独身の日セールに参戦することになりました。

毎年「独身の日」直前になると、アリババはクーポンを消費者に配布し、セールの売上増加をはかっています。

このように「独身の日」でほぼ一人勝ちを続けるアリババですが、その一方で近年は中国当局が新たな指針を出して、電子商取引プラットフォームなどを運営するアリババや他の巨大ネット企業の影響力を抑制しようとしているのが現状です。

京東(ジンドン)

中国の大手EC事業者である京東も「独身の日」に売上を伸ばす企業の一つです。京東が2021年3月11日に発表した2020年10~12月期決算によると、2020年の「独身の日」期間のに、京東(JDドットコム)はセール期間中の取扱高が2,715億元(約4兆5,600億)にまで達し2019年の2044億元を超えました。

2020年「独身の日」セールの同社の売れ筋は健康増進商品でした。WWD JAPANによると、特に前年と比較して需要が会った商品は、ヨガアパレル(前年比307%増)・ピラティス用品(前年比268%増)・ゴルフ用品(前年比77%増)・テニス用品(前年比50%増)・ダンベル(前年比34%増)でした。

独身の日を利用し、中国人の訪日意欲をかき立てるための対策を

11月11日の「独身の日」には、中国で日本の年間アマゾン購買額を上回る規模でショッピングが行われています。日本ブランドの人気は相変わらず高いため、この独身の日にむけて、日本からライブコマース等を使って宣伝することも効果があるでしょう。

現在新型コロナウイルス感染拡大により、観光目的での往来が制限されている中、越境ECで自社ブランドのファンを作るきっかけとして、「独身の日」を活用するのも戦略の一つとして考えてもよいのではないでしょうか。

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<参考>
Amazon:売上高
WWD JAPAN:アリババ「独身の日」セールが7兆円突破 昨年の約2倍
時事通信:「独身の日」12兆円を支える独身貴族【洞察☆中国】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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