日本全国でも屈指のブランド力を誇る北海道富良野市(以下、富良野市)は、市が一丸となってコロナ後のインバウンド回復に備えています。
2020年9月28日、株式会社JTB(以下、JTB)は、富良野市と4項目において包括連携協定を提携しました。また、2020年12月19日には中国のIT大手・テンセント(騰訊控股)と共同で「デジログEXPO」を開催するなど、富良野ブランドの魅力を一層強化するために積極的に取り組んでいます。
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富良野市とJTBの新たな取り組み
全国でも人気な観光地、富良野市は、新型コロナウイルス感染症収束後のインバウンド対策強化のため、JTBと4項目において連携協定を締結しました。
富良野市とJTBが4項目で連携協定を締結
富良野市は、ブランド総合研究所の全国市町村魅力度ランキングで、15年連続トップ10を維持しています。2020年調査では第9位で、今後の観光客誘客も大きく期待されています。
そして、「日本を代表する通年型リゾート」を目指して、豊富な地域特産品の一層の販路拡大とブランディングを推進しています。
一方、JTBでは交流創造事業を事業戦略に抱えています。「地域交流事業」では、多数のソリューションを活用した地域の社会課題の解決に取り組みます。
こうした中、2020年9月28日、両者は包括連携協定を締結しました。
富良野市とJTB双方の取り組みを強化するねらいで、「コロナにおいても富良野が観光地として世界から選ばれるためには、訪日観光客誘客への対応が欠かせない」という考えに基づいています。
連携項目は4項目です。「地域創生に関する事業協力」、「訪日インバウンド誘致」、「地域特産品の海外流通販売(越境EC)」、そして「デジタルマーケティングの推進」となっています。
具体的な内容としては、アドベンチャーツーリズムやワーケーションの推進、また、ふるさと納税への協力などが「地域創生に関する事業協力」に組み込まれます。
「訪日インバウンド誘致」では、従来の中国市場中心の取組を進めるとともに、ヨーロッパをはじめとする新たな市場の開拓にも着手するとのことです。
越境ECで地域の魅力を世界に発信
コロナ禍の現在、各地域、事業者は、持続的・効果的な販売促進施策、そしてコロナ後に向けた対応策が問われています。
また、訪日意欲のある消費者は、感染症収束後の旅行を見据えて旅マエの情報を要しているでしょう。
ここから、JTBは、「観光型・地域PR型の越境EC」に注力しています。これは、各地域が誇る特産品を、越境ECを通じて海外の消費者に届ける取組みです。
観光分野を筆頭に「ヒト・モノ・カネ・情報」の交流や流通を活性化させることで、コロナ禍によって生じた過疎化を食い止め、そして財政難に苦しむ地域経済を活性化させることを目標とします。
実際には、富良野を訪れた訪日旅行者に人気の土産物や、富良野のイメージをより具体化させられるような特産品を、JTBと富良野が共同で選定して中国へ届け、富良野への来訪意欲を促進するとしています。
開始から3ヶ月程で4社20商品ほどの商材が中国へ向けて出品・販売され、今後はさらなる地域の魅力発信分野、観光分野に焦点を当てたモール展開を予定しているとのことです。
国分北海道株式会社とも連携し、「北海道」ブランドを活かした地域プロモーションを継続して、越境ECをきっかけに来道する中国人観光客の増加を目指します。
富良野×テンセント、デジログEXPOを開催
さらに、富良野市は中国のIT企業・テンセントとも連携を図っています。2020年12月には、両者によって「デジログEXPO」が開催されました。
連携強化でコロナ収束後のインバウンドに備える
2020年12月19日、富良野とテンセントは共同で「デジログEXPO」を開催しました。
テンセントは、中国のIT(情報技術)大手企業で、チャットアプリ「WeChat(微信)」やモバイル決済ツール「WeChat Pay(微信支付)」を展開しています。
「デジログEXPO」では、富良野市でのこれらのアプリ、ツールの活用事例が紹介されました。
富良野市は、既にWeChatに公式アカウント(公衆号)および動画アカウント(視頻号)を開設しています。WeChatを利用する旅行客は、公式アカウントにある「ミニプログラム」から、富良野市内のバス情報の取得や乗車、スキー場のチケット手配ができます。ミニプログラムとは、WeChatアプリ内で展開されているプログラムのことで、すべてのWeChatユーザーが利用できるものです。
そして、植物図鑑とツール「識花君」という、草花の検索ができる機能や、動物や車の名前の検索が可能なアプリ「識物君」に富良野の情報を追加しました。これらはカメラで読み取るだけで対象の事物を検索できることから、中国の旅行客に効果的に富良野の自然の魅力を伝えるためのツールです。
また、モバイル決済ツール「WeChat Pay」は、富良野市内での普及が進んでおります。
富良野市は、市が一丸となってコロナ収束後のインバウンド回復に備えています。デジタルエコシステムを導入し、さらにそれらを拡充することで、富良野を訪れた中国人観光客が快適に富良野を満喫できるようにしています。テンセントは、このような動きが北海道全体に拡大していくことを期待しているということです。
「デジログEXPO」無料配信URL・QRコード
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- フルバージョン:https://youtu.be/20gMgdw1seg
- 5分ダイジェスト版:https://youtu.be/4Pe0-2Z8Gp4
- 1分ダイジェスト版:https://youtu.be/ygwvk4latiE
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