2024年に入り、需要の回復が進む中国インバウンド市場。訪日客数は順調に増加し、2024年5月のデータでは韓国に次いで2番目に多い54万5,400人でした。今後、夏にピークを迎える訪日旅行需要の獲得に向けて、対応が急がれています。
しかし、中国人向けのプロモーション施策について、「何をしたらいいのかわからない」「最新動向を把握してから検討したい」と思う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、5月に開催した中国インバウンドのセミナー内で紹介した中国旅行トレンドのなかから、ホットな内容をピックアップしてお届けします。
今回のテーマは「大衆点評の仕様・アルゴリズムについて」。中国向けインバウンド対策には必須とも言われる大衆点評について、ぜひ導入検討の参考にしていただけたらと思います。
中国最大級の口コミサイト「大衆点評」とは?
大衆点評とは、2003年にサービス提供を開始した中国最大級の口コミ・ライフスタイルサイト(SNS)です。中国本土のみならず世界中の飲食店やレジャースポットなど多種多様な店舗・施設の情報と口コミが掲載され、“中国版食べログ”とも呼ばれています。
大衆点評のユーザー数は約6.78億人。この数字は中国人の約半数にのぼり、1日のアクティブユーザー数は5,000万人以上を誇ります。訪日旅行の際、訪日中国人の2人に1人が利用している点も特徴のひとつ。大衆点評上で店舗情報を整理して口コミを集めることができれば、認知度拡大や売上アップも狙うことができます。
大衆点評の仕様と活用のポイント
今回のセミナーでは、株式会社movのコンサルティング事業部 マネージャー金子泰士と、インバウンド事業部の熊 孟華(ユウ モウカ)が登壇しました。
金子はmovの大衆点評セールス責任者として、企業や自治体の中国向けプロモーション支援を行っている「中国プロモーションのプロ」。セミナーでは最新データをもとに、夏に向けた市場の動きを紹介しつつ、参加者からの質問に答えるかたちで、大衆点評の仕様についても解説しました。
大衆点評では、外国人でもユーザー登録をしてアカウントを開設し、店舗等の情報発信が可能です。中国人の場合、携帯電話や個人情報に紐付けたIDの登録が必要で、外国人の場合はパスポートなどを登録することで利用できるとのことです。
大衆点評活用のポイント
大衆点評には検索機能もあり、ユーザーの検索結果や閲覧履歴をもとに類似の情報(投稿)を紹介してくれる機能も充実しています。
在日中国人インフルエンサーとしても活躍する熊によると、近年はAIの発展により大衆点評を含めたSNS全般でレコメンド機能の精度が上がっているとのこと。そのため、大衆点評などのプラットフォーム上に質の高い情報を蓄積して、おすすめ情報に掲載されやすくすることは、プロモーション施策として有効な手段のひとつ。日常的に情報の「刷り込み」を行うことで、購買や訪問への意欲向上を狙うことができます。
大衆点評の詳細や使い方については以下の関連記事・セミナーアーカイブ動画もぜひご覧ください。
中国プロモーションのヒントが詰まったアーカイブ動画公開中
中国の旅行需要のピークは夏と言われていて、需要獲得に向けては数ヶ月前から情報整備や発信が必要とされています。今回のセミナーでは、本記事で紹介した大衆点評以外にもSNSを活用したプロモーションのヒントを詳細に解説していますので、ぜひ本編をチェックしてみてください。
セミナーに参加した方からも、大変多くのご好評をいただいております。
セミナー参加者の声
- 中国人のインバウンド需要に関しては、様々な情報が溢れており、どんな軸でインバウンド対策をするべきか戸惑っていた。中国出身の熊さんからリアルな最新情報をお伺いできたことがとてもよかったです。
- 直近の中国トレンドがよく理解できました。Q&A含め熊さんの解説が大変分かりやすかったです。
- 熊さんの資料が大変興味深かったです。そのトレンドを受けて、企業が何をしたらいいのか、販促策を再検討する必要がある気がしています。
訪日ラボでは、他にもインバウンドに関連したさまざまなセミナーを開催しています。ご興味のある方は、下記のセミナー一覧もご覧ください。
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