観光庁は、観光分野におけるDXの推進を通じて、旅行者の消費拡大や再来訪の促進、観光産業の収益・生産性向上を目指し、稼げる地域の創出に取り組んでいます。その一環として、全4回のオンラインセミナー「Next Tourism Seminar 2024」を開催しており、第2回が9月に行われました。
第2回のテーマは「観光産業の生産性向上」。セミナーでは観光DXの最新動向や、兵庫県豊岡市や福井県での取組事例、DX推進に活用できるサービスなどが紹介されました。
本記事では、「Next Tourism Seminar 2024」第2回の内容を振り返り、ご紹介します。
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観光DXは、地域活性化の切り札
セミナーの冒頭では、観光庁 参事官(産業競争力強化)付山根氏が登壇。観光庁が進める観光DXの取組について、概要が説明されました。
観光庁では、観光DXの推進を通じて以下の4点に一体的に取り組み、旅行者の体験価値を抜本的に向上させ、稼げる地域の実現につながる先進モデルを構築すべく、実証事業を行っています。
- 旅行者の利便性向上・周遊促進
- 観光産業の生産性向上
- 観光地経営の高度化
- 観光デジタル人材の育成・活用
また、山根氏は、「人口減少が進む日本において、国内外からの交流を促進する観光は地方創生の切り札である」と述べ、観光DXを通じて観光産業の収益・生産性向上を図り、「稼げる地域」を創出することの重要性を強調しました。
加えて、観光地でのデータ活用にも触れ、観光DXを契機に農業や金融など、地域の他産業のデータも含めたデータベースの構築が可能であると指摘。地域データベースが、観光産業を中心とした重要な地域インフラとなる可能性があるとし、観光DX推進の意義を改めて強調しました。
観光DX推進事例1:豊岡市(兵庫県)
山根氏の挨拶の後は、観光DXの優良事例として、2つの地域での取り組みが紹介されました。
1つ目は兵庫県豊岡市の事例です。一般社団法人豊岡観光イノベーション(豊岡DMO) 観光DXリーダー 一幡氏より発表がありました。
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豊岡市の課題とDXの必要性
豊岡市の城崎温泉は、約80軒の旅館と200軒以上の飲食店や土産物店が立ち並ぶ温泉街で、「街全体が1軒の旅館」というコンセプトのもと、事業者同士が協働して温泉地経営を行なっています。
しかし、宿泊者数や稼働率に関するデータをリアルタイムで把握する仕組みがなく、地域内でデータを共有できていないという課題があったといいます。
データ活用の必要性が高まったのは、冬の稼ぎ頭である松葉ガニの価格高騰やコロナ禍の影響で、先々の予約の見通しが難しくなったことがきっかけです。長期的な需要予測を行うためにも、データを集約し、関係者がリアルタイムで閲覧できる仕組みが求められるようになりました。
この課題に対処するため、DMOを中心に地域の事業者が連携し、観光DXの取り組みが始まりました。
地域との合意形成
観光DXを推進する上で、特に重要視したのが地域との合意形成だったといいます。まずは地域の若手経営者に意見を聞き、DMO側で必要なデータやコスト感、実現可能性について整理。その後、地域事業者や市役所と150回以上の会議を重ね、地域のプレイヤー同士で「城崎温泉が目指す姿」をすり合わせていきました。
一幡氏は、「一部の人だけで盛り上がらないよう、地域のキーパーソンや旅館組合の理事会などに積極的に説明を行い、承認を得ることを大切にした」と述べ、観光DXを成功させるためには、一つの目標に向かって地域全体が足並みを揃えることが大切だと訴えました。
この続きから読める内容
- 豊岡市の観光DXの具体的取り組み
- 地域へのデータ還元
- 今後の取り組み
- 観光DX推進事例2:福井県
- 観光DXで「稼げる観光地」を目指す
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