世界146の国と地域でホテルなどの運営を手がけるマリオット・インターナショナルは7月7日、アジア太平洋地域におけるZ世代のラグジュアリー・トラベルに関する志向をまとめたレポート「Beyond the Gen Z Myth and the State of Luxury Travel in APEC」を発表しました。
同レポートによると、Z世代の富裕層旅行者は旅を作り上げるのに主体的で、独自の基準で「ラグジュアリー」を再定義し、異文化への没入やウェルビーイングなどを重視する傾向が高いことがわかりました。
なお、同レポートは中華圏を除くアジア太平洋地域の8か国(オーストラリア、インド、インドネシア、日本、シンガポール、韓国、タイ、ベトナム)の富裕層旅行者2,800名を対象に実施した調査に基づくもので、対象者のうち1,200名が18〜29歳のZ世代となっています。
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Z世代富裕層、旅行先選定のポイントは異文化への没入・地域交流が最多
調査の結果、今のZ世代富裕層旅行者は、用意されたプランに受動的に参加するのではなく、旅を主体的に作り上げていく傾向があることがわかりました。半数以上が旅行費用を自己負担し、半数が旅行の計画から手配までを自ら行っています。
旅行の同伴者は「家族」(51%)がもっとも多い一方で、少人数グループでの旅行が前年と比べて17%増加しており、旅のスタイルがより親密に体験を共有できるようなものへと変わりつつあることがうかがえます。
なお、旅行先を選ぶ際のポイントとしては、「異文化への没入や地域コミュニティとの交流(87%)」がもっとも多く、次いで「食の発見(86%)」、「自然との触れ合い(86%)」、「ウェルネス(85%)」と続きました。
Z世代の富裕層旅行者は、ストレスを感じさせないシームレスで快適なラグジュアリー体験を求めており、「時間のロス」「コミュニケーション不足」が大きな不満要素となることもわかっています。
また、すでに23%がAIツールを活用して情報収集や計画作りを行っていることも判明しました。
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Z世代富裕層旅行者の4つのペルソナを定義
同レポートでは、Z世代の富裕層旅行者を以下の4つのペルソナに分類しています。いずれも既存のラグジュアリーの定義とは異なるものとなっており、アジア太平洋地域における新たな潮流が垣間見られるものとなりました。
本物志向の「伝統愛好家」(34%)
このグループにとって、ラグジュアリーとは「評判」「サービス」「職人技」といったホスピタリティに根ざしたものであり、グループ内の79%が常にラグジュアリーホテルを利用し、91%が宿泊先を選ぶ際に「ブランドの評判が予約に影響する」と回答しています。ロイヤルティも重要な要素で、85%が会員特典やリワードにモチベーションを感じています。
また、66%が旅行の1〜2か月前には予約を完了する計画的なグループであり、正確さや信頼性、質の高さを重んじる傾向があると記されています。
心身を整える「ウェルネス投資家」(30%)
このグループは、旅行に心身の最適化とバランスを求めており、グループ内の97%が滞在中にウェルネス施設を利用すると回答。また95%がホテル内のヘルスケア専門家へのアクセスを重視し、旅行先を選ぶ際には自然に近い環境であることも重要な要素としています。他の同年代旅行者の平均(20%)を大きく上回る57%がウェルネス・トリートメントへの出費を惜しまない点も特徴です。
喧騒を離れる「静寂の探求者」(20%)
このグループは、ラグジュアリーを「デジタルから距離を置き、日常を離れて静寂を取り戻すこと」と再定義しており、グループ内の全回答者が旅行中にテクノロジーの利用を制限すると回答しました。
また、85%が秘境や穴場を探し、90%がプライベート・ダイニングの体験を重視しています。「目立つこと」ではなく「日常から離れる自由」に価値を見出しており、このグループにはブティックホテルや人里離れた隠れ家のような宿泊施設が好まれています。
ルーツを辿る「文化の回帰者」(16%)
このグループにとって、ラグジュアリー・トラベルとは自らのアイデンティティやルーツをたどり、大切な人とのつながりを深めるための体験だといえます。
回答者の全員が家族旅行の計画で中心的な役割を担い、65%が旅行費用に関する決定権を持っているほか、半数が「家族のルーツに関連する旅行先」を「非常に重要」と回答。他の同年代旅行者の33%を上回る結果となっています。
また、88%が現地の文化を深く体験できる没入型の体験を求めており、彼らの旅の原動力はSNSなどから得られる社会的評価ではなく、文化的な発見や個人的な成長、世代間の絆を深めることにあると見られます。
滞在期間長期化などラグジュアリー・トラベルの新潮流も
同レポートでは、Z世代にかぎらず、アジア太平洋地域におけるラグジュアリー・トラベルの新たな潮流が分析されています。
富裕層旅行者の旅行スタイルはより厳選したものへと移行しており、旅行回数を減らしながらも、海外旅行の平均泊数が7泊から9泊に延びるなど、滞在期間の長期化が傾向として見られました。
旅行の価値基準も「頻度」から「体験の深さ」へと変化しており、かつてないほどにパーソナライゼーション、シームレスなサービス、心に残る体験への期待が高まっている様子がうかがえます。
レポート内では、ラグジュアリーの価値が単一の理想によって定義される時代は終わりつつあり、特にZ世代はラグジュアリーをより多面的に、かつ目的意識に根ざしたものへ変容させていると記されています。
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<参照>
マリオット・インターナショナル:マリオット・インターナショナル、アジア太平洋地域におけるZ世代のラグジュアリー・トラベル最新トレンドを発表
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