国連教育科学文化機関(ユネスコ)で審議、登録などが行われている世界遺産。歴史的に重要な施設や文化、自然などを保護する効果がありますが、訪日外国人観光客を対象とするインバウンドビジネスにも重要な存在です。世界各国での報道などを通じて、観光資源としてプロモーションできるためです。
平成27年(2015年)7月に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として九州地方の萩反射炉、大板山たたら製鉄遺跡、三重津海軍所跡、端島(通称:軍艦島)が、平成28年(2016年)7月に「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」として国立西洋美術館本館が登録され、国内外で話題を集めたことも記憶に新しいのではないでしょうか。
ここ数年、日本では毎年のように新たな世界遺産が現れていますが、今後はどのようなものが登場するのでしょうか。まだはっきりとしたことは分かりませんが、秋田県の「ナマハゲ」、沖縄県の「パーントゥ」などが無形文化遺産に登録される可能性があります。詳しく解説していきましょう。
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ナマハゲが世界遺産に!?:来訪神:仮面・仮装の神々としてユネスコに登録申請
平成28年(2016年)2月17日、文部科学省に設置されている文化審議会は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の審査に「来訪神:仮面・仮装の神々」を申請することを発表。これには全国的に有名な秋田県の「ナマハゲ」が登場する行事などが含まれています。
平成23年(2011年)に「ナマハゲ」のみで登録しようとしたものの、鹿児島県の「トシドン」に類似していることを理由に認められなかったことから、「来訪神:仮面・仮装の神々」国内の「来訪神行事」をまとめた内容になっています。
来訪神行事とは:異形の仮面、仮装をして家々を訪問する慣習
あまり聞き慣れない「来訪神」「来訪神行事」とは、いったいなんでしょうか。
日本各地には、仮面、仮装により異形の姿となった人が「来訪神」として家々を訪問する慣習がありました。年始や季節の変わり目などに行われ、子どもや怠け者を戒めたり、人々に幸福をもたらしたりすることが目的だと言われています。
このような「来訪神行事」の中には、現代にまで受け継がれているものもあります。今なお、地域の人々の結びつきを守り、世代を超えた交流を実現する役割を果たしています。
登録されるのは「ナマハゲ」「パーントゥ」など8種類
「来訪神:仮面・仮装の神々」として登録されるのは、以下の8種類。いずれも国指定重要民俗文化財に登録されている行事です。
- 甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)
- 男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市)
- 能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)
- 宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)
- 遊佐の小正月行事(アマハゲ)(山形県遊佐町)
- 米川の水かぶり(宮城県登米市)
- 見島のカセドリ(佐賀県佐賀市)
- 吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)
登録に向けての審査が行われるのは2018年の予定
文化審議会は当初、平成29年度(2017年度)の審査に申請するとしていましたが、実際にはその翌年平成30年度(2018年度)に審査が行われる予定です。
理由は、ユネスコ無形文化遺産の各年の審査件数には50件という上限があるのですが、2017年はこの数値を上回る申請があったから。運用規約に則り、ユネスコ無形文化遺産の登録がない国などからの提案が優先されることになりました。
ナマハゲなどが登場する来訪神行事が、本当にユネスコ無形文化遺産になるのか。もし、そうならいつ頃になるのか。これらの詳細は分かりませんが、東京オリンピック、パラリンピックが行われる2020年には間に合うかもしれません。
まとめ:ナマハゲが世界に誇る日本の文化に!?
文化審議会は平成27年(2015年)、ナマハゲをはじめとする「来訪神行事」を文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の審査に申請することを発表しました。運用規約などの事情から、実際に審査が行われるのは2018年になる予定です。
「来訪神行事」とは仮面、仮装により異形の姿となった人が「来訪神」として家々を訪問する慣習のこと。子どもや怠け者を戒めたり、人々に幸福をもたらしたりすることを目的に行われるもので、現在もなお地域コミュニティのつながりを守る役割を果たしています。
以前、男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市)のみで申請する動きがあったものの、甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)に似ていることから認定を受けることができませんでした。今回は、その時の結果を受け、国内で重要民俗文化財に登録されている来訪神行事を8種類まとめて申請したもの。
全国的に知名度の高いナマハゲのみならず、能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)、米川の水かぶり(宮城県登米市)、見島のカセドリ(佐賀県佐賀市)、吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)なども加えられています。
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