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インバウンドでも大人気のテーマパーク 東京ディズニーランド、東京ディズニーシーからなる東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドが東京ディズニーランドの大規模改装に乗り出しました。

先日2017年4月5日に東京ディズニーランドにて今回の大規模改装のの起工式を開催。その投資額は2パーク開園以来最大規模の750億円にのぼり、2020年春のオープンに向けて大規模改装プロジェクトを始動しました。

 

オリエンタルランド 750億円を投じて東京ディズニーランドを大規模改装開始

東京ディズニーランド 大規模開発の全景:オリエンタルランド プレスリリースより

東京ディズニーランド 大規模開発の全景:オリエンタルランド プレスリリースより

東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドはこのほど、東京ディズニーランドの大規模改装プロジェクトを発表しました。東京オリンピックの開催される2020年の春にオープン予定とのことで、オリンピックによる相乗効果が見込まれ期待を集めます。

オリエンタルランド上西代表「世界唯一の魅力に満ちあふれた場所を目指す」

先日4月5日には、開発予定地にて起工式を開催。株式会社オリエンタルランド代表取締役社長(兼)COO 上西 京一郎氏は「世界唯一の魅力に満ちあふれた場所を目指し、たくさんの夢や感動、笑顔を生み出し続ける」と語りました。

新規導入される「美女と野獣エリア(仮称)」のイメージ:オリエンタルランド プレスリリースより

新規導入される「美女と野獣エリア(仮称)」のイメージ:オリエンタルランド プレスリリースより

このプロジェクトは東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーの2パーク開園以来、最大規模の改装となり、その投資額は750億円におよびます。改装にあたって既存アトラクションの一部を閉鎖し、「美女と野獣エリア(仮称)」、「ライブエンターテイメントシアター(名称未定)」、「『ベイマックス』をテーマにした新アトラクション(名称未定)」、「ミニーマウスの新キャラクターグリーティング施設(名称未定)」などを導入する予定です。

 

東京ディズニランド 大規模改装プロジェクトでUSJへの反撃なるか

さて、ここで気になるのが本改装プロジェクトのインバウンドへの影響です。東京ディズニーランドはゴールデンルート配下にあったこともあり、従来からインバウンドでも絶大な人気を得ていました。

しかしながら、最近ではUSJに押され気味で「東西で明暗を分かつ」といった趣旨の報道が相次ぎました。実際にSNSでの投稿数では東京ディズニーランドよりもUSJのほうが大きいというデータもあります。

インバウンド来場者数では、ディズニーは手堅く成長

以前訪日ラボでも、東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーを含めた東京ディズニーリゾートのインバウンドでの人気を検証してみました。このデータについて、最新版を見てみましょう。

東京ディズニーリゾート来場者数推移:オリエンタルランド プレスリリースより

東京ディズニーリゾート来場者数推移:オリエンタルランド プレスリリースより

日本人も含めた全来場者数は2013年度が30周年効果で、2014年度には「アナ雪」効果で急上昇し約3,138万人と過去最高となります。しかしながら2015年度は約3,019万人、2016年度は約3,000万人と下降傾向にあります。

東京ディズニーリゾート来場者地域別比率:オリエンタルランドより

東京ディズニーリゾート来場者地域別比率:オリエンタルランドより

しかしながらインバウンドではどうでしょうか。オリエンタルランドによれば、インバウンド客の割合は2011年の東日本大震災の影響による落ち込みの後、1年ごとにおよそ1ポイントずつインバウンド客割合を伸ばしており、2015年度には6%にまでおよんでいます。

ここから導き出されるインバウンド客数の推移を見てみましょう。

東京ディズニーリゾート インバウンド客数推移

東京ディズニーリゾート インバウンド客数推移

2016年度のゲストプロフィールが公開されていないため、2016年度のインバウンド客割合は、今までの推移から2015年度から1ポイント加算した7%と仮定しています。すると、2015年度ではおよそ181万人、2016年度では210万人のインバウンド集客ができたと考えられます。

仮に前年と同水準の5%程度であったとしても、2015年度から2016年度の全体来場者数の減少は微減にとどまっていることから、2015年度と同様のインバウンド客数を確保できたものと考えて良いでしょう。

一方インバウンド需要で急成長するUSJ

USJの日本人/訪日外国人の来場者数推移

USJの日本人/訪日外国人の来場者数推移

他方、USJは訪日中国人観光客からの熱い支持により、そのインバウンド客数を急激に伸ばしています。

こちらの記事でも触れたとおり、2014年度はインバウンド客数80万人だったのが2015年度には140万人まで急増しています。USJのインバウンド客数に関するデータについては、2016年度のものが公表されていませんが、今までのペースと、インバウンドの玄関口が西に移行しつつあることを考えると、200万人程度は硬いものと見られます。

上西代表「もちろん競争はあるが、お互いにいいものを作れば、さらに市場は広がるはずだ。」

と、ここまで見てみると、推定2016年度のインバウンド客数は、東京ディズニーリゾートが約210万人、USJが200万人とかなりの接戦となっていることがわかります。

このことについて、東洋経済の取材で、USJの好調や上海ディズニーリゾートの開業による影響について尋ねられたオリエンタルランド上西代表は、

USJも上海ディズニーリゾートも入園者は高水準だが、うちも3000万人台のお客様に来ていただいており、市場が広がっているということだと思う。もちろん競争はあるが、お互いにいいものを作れば、さらに市場は広がるはずだ。

上海ディズニーリゾートについても魅力のあるパークであることに間違いはない。だからこそ、そこで楽しいと思ってもらえば、東京ディズニーリゾートにも行ってみたいと思っていただけるのではないか。―東洋経済:ディズニーリゾート”大幅改装見直し”の真相より

と回答。”競争”よりも”共生”を歩む方向性を示しており、現在の日本のインバウンドのディズニー・USJ人気について好意的に捉えているようです。

 

まとめ:東京ディズニーランド 巻き返しなるか

2016年度、東京ディズニーリゾートは来場者数を落とし、2年連続で来場者数減という結果になりました。その巻き返しのためか、2020年に向けて750億を投じて東京ディズニーランドの大規模改装プロジェクトをスタートしました。

一方インバウンドにおいては引き続き東京ディズニーランド人気は強く、手堅く成長しているように見えます。しかしながら、USJが急激に成長しており、そのインバウンド集客力は今では同水準にまでなっています。

ただ、インバウンドにおいて重要なのは最後に紹介した上西代表の考え方ではないでしょうか。競合であっても、魅力的なテーマパークであれば、テーマパークそのものの需要が上がる。従ってテーマパーク市場が拡大すれば、自身の利益にもつながる――

このような考え方をインバウンドに置き換えれば、競合であっても日本に魅力を感じてもらえればインバウンド市場は広がり、自身の利益にもつながる。まさしく「オールジャパン」での観光立国の考え方と同じではないでしょうか。

 

<参考>

 

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