平成27年度の訪日外国人観光客数は1973.7万人となり、2000万人の大台は目前となりました。多くの訪日外国人観光客が日本に来ていますが、それゆえに宿泊施設の求められる対応が厳しさを増しています。今回は、訪日米国人観光客の宿泊先の動向に絞ってご紹介します。
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訪日外国人旅行客が選んだ人気の宿泊先BEST10
訪日米国人観光客にかぎらず、外国人旅行者は宿泊先を探す手段として、ネットでの検索やSNS、口コミなどを利用しています。人気口コミサイト「TripAdvisor」で発表された、訪日して宿泊施設を利用した外国人観光客による口コミでランキングされた人気の施設をご紹介します。
- 1位・・・パークハイアット東京(ホテル・東京都新宿区)
- 2位・・・料理旅館白梅(旅館・京都府京都市)
- 3位・・・ホテルムメ(ホテル・京都府京都市)
- 4位・・・ファミリーイン西向(ホテル・東京都豊島区)
- 5位・・・フォーシーズンズホテル丸の内東京(ホテル・東京都千代田区)
- 6位・・・シャングリラホテル(ホテル・東京都千代田区)
- 7位・・・マンダリンオリエンタル(ホテル・東京都中央区)
- 8位・・・京の宿しみず(旅館・京都府京都市)
- 9位・・・宇野スロープハウス(ゲストハウス・岡山県玉野市)
- 10位・・・小田急ホテルセンチュリーサザンタワー(ホテル・東京都渋谷区)
(2013年版)
訪日米国人観光客の旅行の形態について
訪日米国人観光客の同行者形態は、自分ひとりの割合が52.9%、夫婦・パートナーが16.1%、家族連れが11%となっています。また手配方法は、個人手配(FIT)の割合が92.3%と、他国に比べて個人手配で訪日する割合が高く、逆に団体旅行は5.0%、パーッケージツアーは2.8%となっています。そのため、自由な旅行を満喫する目的が強いと言えるでしょう。
訪日米国人観光客の目的と宿泊先利用日数
訪日米国人観光客の主な目的は日本食を楽しむことが76.5%と最も高く、続いて自然・景勝地観光が41.0%、ショッピングが37.7%、日本の酒を飲むことが37.2%、日本の歴史・伝統文化体験が36.6 %となっています。中国や台湾、香港と比べて、日本の文化を楽しむことを目的に訪日する人が多いのが特徴です。滞在期間は7~13日が40.2%と最も高く、この数字は2005年から統計を取り始めた時からほとんど変わっていません。
訪日米国人観光客が好む宿泊先の特徴とは
訪日米国人観光客は洋室中心のホテルを宿泊先として選択する割合が最も多く80.5%になります。対して、和室中心の旅館などの宿泊は12.2%にとどまります。またテレビ番組「YOUは何しに日本へ?」などでは、ユースホステルやゲストハウスを利用しているシーンが多く見られますが、全体では利用率6.4%にとどまり、圧倒的にホテルが利用されていることがわかります。
これは、訪日米国人観光客はビジネス割合が多いこと、また、慣れ親しんだホテル形式の方が安心して利用できることに、その理由があると思われます。
訪日米国人観光客は宿泊先に何を求めているか
訪日米国人観光客は宿泊施設に関しては、慣れ親しんだ形式であること、そしてコストパフォーマンスを重要視しているため、ビジネスホテルの利用率が高い傾向にあります。また、友人や親戚の家に宿泊した割合は15.6%となっており、訪日外国人観光客全体の7.2%に対して高水準となっています。
上位に入る宿泊先にはどのような特徴があるか
訪日外国人観光客の利用する宿泊施設は、ホテルが8割以上を占めているだけあって、京都の旅館2件以外はホテルとなっています。宿泊先の多い地域は当然、訪日旅行のゴールデンルートである東京に集中しています。
岡山県のゲストハウスが9位に入っていますが、ここホストであるマックスさんは映画監督で、岡山の観光名所についての案内や深い経験に基づく面白い話を聞かせてくれるそうです。数多くの訪日外国人観光客が口コミの情報でこのゲストハウスを選び、満足しているようです。清潔な施設においしい料理、そして、ホストのホスピタリティの高さが数ある宿泊施設の中から10位以内に選ばれる要因となっています。
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まとめ:訪日米国人観光客宿泊先は基本ホテル ゲストハウスや旅館はこれから伸びていくか
日本古来からの文化や新しい文化、酒蔵などの観光体験を重視する訪日米国人観光客は、イメージとは相反して、その宿泊先は基本ホテルとなっています。
しかしながら、ホテルが選ばれる理由は慣れ親しんでいるから、つまり文化的差異を嫌っての選択となっています。ある調査では2回目以降は旅館を選択する、という結果もあるので、今後訪日リピーターが増えるに連れ、旅館利用者が増える可能性もあります。また、インバウンド需要により都市部のホテル稼働率がほぼピークの85%を超える事態となっているため、消去法的に旅館やゲストハウス、民泊などの選択が増えてくる可能性もあります。
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<参考>
- TripAdvisor:外国人に人気の日本の宿泊施設 2013
- 観光庁:訪日外国人消費動向調査 平成27年の年間値の推計
- 観光庁:宿泊旅行統計調査 平成27年 年間値
訪日米国人観光客インバウンドデータ集
データでわかる訪日アメリカ人観光客
ニューヨーク人口密度は1,800人/km2(日本でいうと東京の1/3くらい。埼玉と同じくらいの人口密度)。国全体の人口密度は33.7人/km2(日本でいうと東京の1/200くらい。北海道の1/2くらいの人口密度)
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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