訪日中国人を中心に8億人超が利用!「WeChat」を活用したインバウンド対策事例

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FacebookやTwitterInstagramなどが人気を博している世界とは異なり、独自の発展を遂げている中国のIT業界。8億超のアクティブユーザー数を誇り、「中国版LINE」と評されているメッセンジャーアプリ「WeChat微信)(ウィーチャット/微信/ウェイシン)」をご存知でしょうか。

日本人ユーザーが利用しているという話を耳にする機会はあまりありませんが、インバウンド業界では積極的に活用していこうとする動きが見られ、徐々に存在感が強まっています。

たとえば、大手免税店のラオックスは平成29年(2017年)3月1日から、WeChat微信)を活用したインバウンド向けのポイントサービスをスタートすることを発表しています。中国からの訪日外国人観光客をはじめとしたターゲットへの訴求に有効で、新規顧客の囲い込みやリピーター率の向上を狙いにしているとのこと。

今回は、インバウンド業界で注目を集めている中国のITサービスWeChat微信)」や、その導入事例についてご紹介します。

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中国で広く使われている「WeChat(微信)」とは

WeChat微信)」は、中国の大手IT企業「テンセント(Tencent/騰訊)」が、2011年に開発した無料のインスタントメッセンジャーアプリ。同社は1999年に中国の若者を中心に広く普及している「腾讯QQ(テンセントQQ)」を公開し、その発展系にあたると言われています。

中国国内では、情報検閲によりFacebookやTwitterなど日本でおなじみのサービスが利用できません。その代わりに、IT業界が他の国々とは異なる発展を遂げており、先のサービスと類似したものが普及しています。大まかにいうと「WeChat微信)」ではチャットや写真の共有などが可能で、「LINE」「カカオトーク」などの競合したアプリにあたると言われています。

しかし、大きく異なる点も。たとえば、日本では「LINE=プライベートのコミュニケーションで使用するもの」と使用場面が定着しています。仮に「LINE」で代用できるとしても、仕事でのやり取りにはメールや「ChatWork(チャットワーク)」などを利用するのが一般的ではないでしょうか。一方、中国では「WeChat微信)」が公私を問わず利用されており、ビジネスシーンでの活用が少なくないと言われています。

また、非常に多機能で、アプリひとつでさまざまなシーンに対応できるのも特徴的です。インバウンド業界に影響が大きいのは、「WeChatペイメント」という決済機能でしょう。銀行口座を登録すると買い物、公共料金の支払いなどができ、さらには交通機関での利用も可能になっています。日本人の行動に即して表現すると「LINEにクレジットカード、Suicaなどの交通系電子マネーを搭載したもの」といった感じになります。

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中国では驚異的な速さで電子マネーが普及しています。その中でもAlipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)という2つの電子決済サービスが市場争いを繰り広げています。ネット通販から始まった決済サービスが実店舗へも広がり、取引額はおよそ日本の30倍以上。今回は、現在中国で支払いのスタンダードとなりつつある電子決済サービスについてご紹介します。関連記事Alipay(アリペイ・支付宝)とはQR決済WeChat PayとはAlipayとWeChat Payのシェア(2019年)Alipay...

WeChatペイメント」は中国で広く普及しており、同国でのトランザクション数は1日5億回以上にものぼるそう。日常的に使われているのでしょう。

 

 

WeChat(微信)のインバウンドビジネスへの導入事例

お金のやり取りからコミュニケーションまで、中国人の生活に浸透している「WeChat微信)」。日本国内でも中国からの訪日外国人観光客向けに導入の動きが進められています。その事例をいくつか取り上げてみましょう。

ラオックスのインバウンド事例:WeChat(微信)を活用したポイントサービス

ラオックスは、平成29年(2017年)3月1日から、「WeChat微信)」を活用したポイントサービスを開始。アプリ内に用意した同社の公式アカウントを基盤にした会員システムを構築しており、会計時に100円支払うと1ポイント受け取れるようになっているとのこと(1ポイント=1円)。

そのほかには、入会特典として500円分の割引クーポンや会員限定のクーポン、情報発信などを実施。よくある会員制ポイントサービスといった感じですが、訪日外国人観光客をターゲットにした取り組みは珍しいのではないでしょうか。

バイドゥ(百度)のインバウンド事例:WeChat(微信)グループアカウントを利用した広告発信

東京に本社を構えるバイドゥ(百度)は平成29年(2017年)2月15日、中国のグループ会社が、中国を中心に旅行関連のオンライン予約サービスを提供する「シートリップ」と提携し、訪日中国人観光客向けの広告サービスをスタートすることを発表。

シートリップは「WeChat微信)」を使って、日本に関する情報発信や旅行者との質疑応答などを行うグループを作っており、その地盤を利用しようというわけです。グループが形成されるのは、訪日中国人観光客が日本を訪れる数日前から、旅行中の短期間。絞られたターゲットの、はっきりしたニーズに訴求することを狙いにしているようです。

「WeChatペイメント」の取り扱いも各社で進行中

新生銀行のグループ企業・アプラスは平成29年(2017年)1月、各社の「WeChat(微信)ペイメント」取り扱い開始に関わったことを立て続けに発表しています。おそらく春節(旧正月)による訪日中国人観光客の増加を見込んで、導入する企業が相次いだのでしょう。

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アプラスは、小田急百貨店、近鉄リテーリング、日本交通グループの子会社など、100社3,750店舗の導入に関わっているといいます。

 

まとめ:訪日中国人観光客へのインバウンドプロモーションに有効な「WeChat(微信)」

8億超のアクティブユーザー数を誇り、「中国版LINE」と評されているメッセンジャーアプリ「WeChat(ウィーチャット/微信/ウェイシン)」は、お金のやり取りからコミュニケーションまで、中国人の生活に浸透しており、インバウンド業界では積極的に活用していこうとする動きが見られます。

決済機能のみならず、情報発信やユーザーとのコミュニケーションにも使え、訪日中国人観光客に訴求するためのインバウンド集客の大きな窓口になっているようです。

 

<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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