買物中心の「モノ消費」から体験中心の「コト消費」に訪日外国人の消費パターンが移っているという話が出て久しいですが、農林水産省はこれを受けて「食と農を活用したインバウンド推進」を2016年度から進めています。
「コト消費」「モノ消費」とは?最近話題になっている訪日外国人の消費活動の変遷について解説
最近メディアの訪日外国人観光客に関するニュースで、「爆買い」から「コト消費」にキーワードのトレンドが移ってきています。訪日ラボでも何度か触れてきましたが、改めて「爆買い」「モノ消費」「コト消費」について解説していきます。コト消費で重要なのは「顧客満足度を上げる」こと!顧客満足度向上に有効なインバウンド対策についてより詳しい資料のダウンロードはこちら「翻訳・多言語化」の資料をDLして詳しく見てみるバーコードやQRコードを活用した多言語ソリューション「多言語化表示サービス」の資料をDLして詳し...
これは日本食・食文化の魅力の海外への発信や訪日外国人観光客を農山漁村に呼び込むための受入体制づくりを進め、インバウンドを推進することにより、日本食・食文化への評価・関心を高め、輸出の増大や日本食の海外展開を一体的に推進し、農山漁村の所得向上・雇用創出を図ることを目的とするものです。
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- 平成32年までに都市と農山漁村の交流人口を1,300万人まで増加
- 食と農を活用したインバウンドの推進の主な内容
- 食と農を活用したインバウンドの推進事業1:食によるインバウンド対応推進事業
- 食と農を活用したインバウンドの推進事業2:農山漁村の宝発掘・活用人材創造事業
- 食と農を活用したインバウンドの推進事業3:おみやげ農畜産物検疫受検円滑化支援事業
- 食と農を活用したインバウンドの推進 関連対策
- 食と農を活用したインバウンドの推進関連対策1:都市農村共生・対流総合対策交付金
- 食と農を活用したインバウンドの推進関連対策2:食文化発信による海外需要フロンティア開拓の加速化
- 食と農を活用したインバウンドの推進関連対策3:地理的表示等活用総合対策事業
- 食と農を活用したインバウンドの推進関連対策4:輸出総合サポートプロジェクト
- 食と農を活用したインバウンドの推進関連対策5:6次産業化支援対策
- まとめ
目次
平成32年までに都市と農山漁村の交流人口を1,300万人まで増加
農林水産省では平成32年までに都市と農山漁村の交流人口を1,300万人まで増加させることを目標として定めています。
そのためには
- 農山漁村と日本食・食文化の魅力を結び付けた一体的な情報発信
- 日本食・食文化の「本場」を探求 するインバウンドの促進
- 日本食材の評価・関心を更に高めることによる輸出や海外における日本食産業の展開
といった好循環を形成していくことが重要としており、下記の政策目標を掲げてこれを推進しています。
- 訪日外国人旅行者を含めた都市と農山漁村の交流人口を1,300万人まで増加させることにより、所得向上・雇用創出を実現(平成32年度)
- インバウンド需要の増大と農林水産物・食品の輸出増加の循環を実現(訪日外国人旅行消費額4兆円、農林水産物・食品の輸出額1兆円の達成(平成32年度))
食と農を活用したインバウンドの推進の主な内容
実際の取り組み内容に関しては、下記の3つのメイン事業と5つの関連施策からなっています。日本食・食文化への関心の高まりや農林水産物・食品の輸出増大をインバウンドにつなげ、それが更に日本の食材の評価を高めるといった好循環を構築することにより、訪日外国人の農山漁村への呼び込みによる所得向上・雇用創出と輸出の増加や日本食の海外展開を一体的に推進することを狙ったものです。
食と農を活用したインバウンドの推進事業1:食によるインバウンド対応推進事業
「食と農の景勝地」をはじめとした地域の食・食文化の魅力を映像化し、それを継承・発信するために映像を集積・検索できるウェブサイトの構築を支援するととも
に、訪日外国人旅行者が日本の食を楽しめる環境を提供するために必要な飲食店等による多言語対応やムスリム、ベジタリアン等の食習慣への対応等を促すための研修事業等の取組を支援。
食と農を活用したインバウンドの推進事業2:農山漁村の宝発掘・活用人材創造事業
食と農に関する地域資源を磨き上げ、戦略的にインバウンドの推進に取り組む地域において、こうした取組を担う人材を育成・確保するための研修、地域の活動組織への人材派遣及び専門家によるフォローアップを一体的に支援。
食と農を活用したインバウンドの推進事業3:おみやげ農畜産物検疫受検円滑化支援事業
外国人旅行者が国産農畜産物を持ち帰る際の利便性を高めるため、道の駅等で購入した農畜産物について動植物検疫を経て、宅配便により送付したり、空港やクルーズ船の寄港地で受け取ることができるような検疫受検のモデル的な取組を支援。
食と農を活用したインバウンドの推進 関連対策
食と農を活用したインバウンドの推進関連対策1:都市農村共生・対流総合対策交付金
インバウンド需要を含めた観光需要への対応(農家民宿等の改修・Wi-Fiの導入等)や子どもの農山漁村宿泊体験等、食と農を活かした観光・教育等と連携した地域ぐるみの活動等を支援。
食と農を活用したインバウンドの推進関連対策2:食文化発信による海外需要フロンティア開拓の加速化
日本食・食文化の魅力発信による海外の食市場の開拓を加速化するため、ミラノ万博の成果を活かした食イベントの開催、海外で日本食を広める人材の育成、海外メディアでの食文化発信等を実施するとともに、日本食材を積極的に活用する海外レストランとの連携やネットワーク化を支援。
食と農を活用したインバウンドの推進関連対策3:地理的表示等活用総合対策事業
地理的表示保護制度に係る登録申請に対する支援及び普及啓発、GI産品を中心とした地域ブランド化とビジネス化の支援等を推進。
食と農を活用したインバウンドの推進関連対策4:輸出総合サポートプロジェクト
事業者発掘から商談支援、海外見本市の出展支援、品目別輸出団体の活動支援、マーケティング拠点の設置支援、GI等の新たな課題に対応したセミナーの開催支援等、JETROを通じ、輸出に取り組む事業者に対し、継続的かつ一貫したビジネスサポート体制を強化。
食と農を活用したインバウンドの推進関連対策5:6次産業化支援対策
市町村の6次産業化・地産地消推進協議会において策定された6次産業化戦略・構想に沿って、市町村等が地域ぐるみで行う、インバウンド等需要向けの6次産業化新商品の開発や新たな需要の開拓、直売所における観光事業者等と連携した新商品の販売拡大に向けた取組等を支援。
まとめ
一段落を見せた中国人観光客の「爆買い」から、日本文化を体験する「コト消費」に需要がシフトした事を受けて、政府も体験型のインバウンド消費を推進しています。
今後はさらなる市場規模拡大、関連企業や団体の取り組みに期待出来ると言えるでしょう。
<参考>
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