観光庁が日本版DMO(デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)の醸成のために様々な手助けを行っていることをご存知でしょうか?そもそも日本版DMOとは、観光庁の定義によると
「地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人」
とされており、今後ゴールデンルート以外の地方部の観光を盛り上げるためにも、その動向に注目が集まっています。具体的にどのような支援が行われているのかをいくつか見ていきましょう。
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DMO醸成のための観光庁の支援その①:観光地域ブランド確立支援事業
国内外から選好される国際競争力の高い魅力ある観光地域づくりを促進するため、地域の取組段階に応じ、 地域独自の「ブランド」の確立を通じた日本の顔となる観光地域の創出に向けた取組を支援するものです。
具体的には滞在交流型の地域づくりを促進するため、「観光地域づくりプラットフォーム」による地域独自 の「ブランド」の確立に向けた取組を支援します。支援内容としては観光客の滞在プログラムの企画、観光ガイドの育成、宿泊サービスの改善・向上に関するコンサルティング、マーケティング調査、品質管理・保証システムの開発などとなっています。
交流人口1,300万人を目指して農林水産省も「コト消費」を推進 食と農を観光資源に!農山漁村へのインバウンド送客を狙う
買物中心の「モノ消費」から体験中心の「コト消費」に訪日外国人の消費パターンが移っているという話が出て久しいですが、農林水産省はこれを受けて「食と農を活用したインバウンド推進」を2016年度から進めています。これは日本食・食文化の魅力の海外への発信や訪日外国人観光客を農山漁村に呼び込むための受入体制づくりを進め、インバウンドを推進することにより、日本食・食文化への評価・関心を高め、輸出の増大や日本食の海外展開を一体的に推進し、農山漁村の所得向上・雇用創出を図ることを目的とするものです。 目次...
DMO醸成のための観光庁の支援その②:地域が稼ぐためのクラウドを活用した 知的観光基盤整備事業
観光地域のマーケティング・マネジメントを「誰でも、簡単に、効率的に」行うことを可能とするシステム・ツールである「DMOネット」を開発し地域に提供することで、地域の魅力向上を支援するもの。
これはネット上に専門的知識を持つ民間業者のノウハウ、人材マッチング機能、自治体などの統計情報、RESAS(リーサス地域経済分析システム)などを接続することで、クラウドを活用することで、各DMOがこうしたノウハウ、好事例の横展開を可能とするものです。
観光庁「DMOネット」でDMO(観光地域づくり法人)を支援/観光地域のマネジメント・マーケティングを「誰でも、簡単に、効率的に」
観光庁、内閣官房および内閣府は2017年3月31日より「DMOネット」の提供を開始しました。 DMOネットとは、日本版DMOの形成・確立に向けた地域の取り組みを情報面から支援するもので、「誰でも、簡単に、効率的に」観光地域のマネジメント・マーケティングを実施できるよう支援するシステム・ツールです。 今回の記事では、DMOの意味やDMOネットの機能、登録方法について紹介します。 目次 観光庁の「DMOネット」とは? そもそもDMOとは? DMOネットの機能は3...
【無料で利用可】詳細なインバウンド分析が出来るすごいサービス 地域経済分析システムRESAS(リーサス)とは
地方自治体、インバウンド事業者の皆さん、 地域経済分析システムRESAS(リーサス)についてご存知でしょうか?これは人口急減・超高齢化という日本が直面する大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生できるようにということで、内閣に設置された「まち・ひと・しごと創生本部」が、平成27年4月1日より、地方自治体による様々な取り組みを情報面・データ面から支援するために供用を開始したものです。地域経済分析システムRESAS(リーサス)には、地...
DMO醸成のための観光庁の支援その③:ふるさと名物応援事業
中小企業・小規模事業者が行う地域資源を活用したふるさと名物などの新商品・新サービスの開発等の支援に加え、製造事業者と連携してふるさと名物の販路開拓を行う小売事業者等への支援のほか、地域産品の強みを活かし、ブランドコンセプトの確立に向けた戦略の策定や海外販路開拓に向けた海外展示会出展等のプロジェクトを支援するもの。
平成27年度から5年の事業の計画で、開発した商品、サービスの市場取引率80%を目指しています。具体的には「ふるさと名物支援事業」、「JAPANブランド育成支援事業」、「JAPANブランド等プロデュース支援事業」、「産地ブランド化推進事業」などがこれにあたります。
DMO醸成のための観光庁の支援その④:食によるインバウンド対応推進事業
日本食・食文化への関心の高まりや農林水産物・食品の輸出増大をインバウンド(外国人の訪日)需要の増大につなげ、日本での体験を通じて更に日本の食材の評価を高めるといった好循環を構築するための事業。
具体的には、訪日外国人に来てもらうための基盤を作るため、地域の食文化資源魅力活用、需要拡大ため、国内外の料理人や有識者等を地域へ派遣、地域の食、食文化を広めるための映像制作を支援、国内外に発信する、また訪日外国人に食べてもらうための体制づくりとして、飲食店におくけるインバウンド対応に必要な情報等を提供するガイドブックを作成し配布、インバウンド対応に関する研修を実施します。
訪日外国人観光客の人気「日本食」は「ラーメン」「肉料理」、なぜ満足度が高いのか?
訪日外国人観光客の約7割が「日本食」を楽しみに、日本に旅行で来日します。日本を代表する日本食といえば「寿司」を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし観光庁「訪日外国人消費動向調査」によると、意外にも「肉料理」と「ラーメン」の人気が高いことがわかりました。この記事では、訪日外国人観光客に人気の日本食と、なぜ人気となったのかをご紹介します。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査...
今年度予算1億円 日本のフルーツをお土産として持ち帰りやすく 農林水産省のインバウンド施策「おみやげ農畜産物検疫受検円滑化支援事業」とは
海外旅行をあまりしない、もしくは海外に居住経験が無い日本人にはあまりピンとこないかもしれませんが、日本のフルーツの品質は世界でも随一と言われています。糖度が高い、商品の状態が極めて良い、粒が揃っているなど、訪日外国人観光客にとっても日本のフルーツの品質の高さと美味しさは高い人気となっています。そうしたインバウンドにおけるフルーツ需要を促進するために、農林水産省は「おみやげ農畜産物検疫受検円滑化支援事業」を展開しています。おみやげ農畜産物検疫受検円滑化支援事業スキーム図 農林水産省よりこの事...
DMO醸成のための観光庁の支援その⑤:地域おこし企業人交流プログラム
市町村が、企業の社員を一定期間受け入れ、そのノウハウや知見を活かし、地域独自の魅力や価値の 向上等につなげる取組に要する経費を特別交付税の対象とするものです。
これは三大都市圏に所在する企業等の社員を市町村が一定期間受け入れ、そのノウハウや知見を活かし、 地域独自の魅力や価値の向上等につながる業務に従事することで、地方自治体と企業が協力して、地方圏へのひとの流れを創出できるよう取り組む事業で、ICT分野、観光分野、営業の専門知識、人脈の活用、エネルギー分野などでの活動事例があります。
インバウンド誘致へ必要性増すDMO 課題は「人材確保」に:観光庁のアンケート調査から把握できるDMO内部の実態とは
さまざまな関係者と協業しながら魅力的な観光地域づくりを推し進め、地域の「稼ぐ力」を引き出す組織であるDMO。 広域連携DMO、地域連携DMO、地域DMOの3種類に分かれており、現在日本国内には計123ものDMOが存在しています。近頃の訪日外国人観光客の急増により、インバウンド誘致を促進するためにもDMOの必要性は増してきていますが、実際に組織として運営していくとなると、未だに多くの課題が存在している模様です。公益社団法人 日本観光振興協会(*)が行ったアンケート調査によると、財源に関する問...
DMO醸成のための観光庁の支援その⑥:スポーツによる地域活性化推進事業
スポーツツーリズム、イベント開催、大会や合宿の誘致などによる地域活性化に取り組む組織である「地域スポーツコミッション」の活動に対して支援を行い、スポーツを観光資源とした地域活性化の促進を図るものです。スポーツツーリズムによる交流人口拡大、キャンプ誘致・地域間の国際交流の促進、スポーツインバウンドの促進を狙った取り組みなど、スポーツを活用した地域活性化の取り組みを支援するものです。
DMO醸成のための観光庁の支援その⑦:かわまちづくり支援制度
河川とそれに繋がるまちを活性化するため、地域の景観、歴史、文化、及び観光基盤などの資源、地域の知恵を活かし、河川空間とまち空間が融合した良好な空間形成を目指すものです。ソフト支援としては優良事例に関する情報提供、河川敷のイベント広場やオープンカフェの設置など「都市・地域再生等利用地域」に指定などの支援、ハード支援としては治水および河川利用上の安全整備などを行うもの。
観光資源とは「あるもの」ではなく「つくるもの」であることがよく分かる事例集:河川敷や公園、ダムなどのインフラ設備を活用した観光地域づくり
全国には河川敷、護岸、公園、ダムなどのインフラを名物として観光名所としている事例があります。どのような形で、これらを観光名所、人々で賑わう場所としているのでしょうか。実際にご紹介しましょう。目次河川敷を観光資源として活用した事例:河川敷マラソン河川敷を観光資源として活用した事例1:北海道 釧路湿原マラソン&ウォーク河川敷を観光資源として活用した事例2:大阪府 大阪・淀川市民マラソン河川敷を観光資源として活用した事例3:徳島県 とくしまマラソン河川敷を観光資源として活用した事例:花火護岸河川...
観光資源とは「あるもの」ではなく「つくるもの」であることがよく分かる事例集その6:街のブロック塀を「黒堀」にかえて20万人の集客!?
全国でインフラを観光に活かしている地域も多いですが、そうしたインフラをさらに改善することで観光客を呼び込んだり、インフラに関する行事を観光と結びつけている地域があります。全国のそうした例を前回に引き続き残り5事例をご紹介しましょう。目次インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例6:北海道 ちょっとおしゃれな田舎町「ルーバン・フラノ」を目指してインフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例7:桜の名所「弘前公園」の水質改善へ市と国が連携インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例...
まとめ:地方観光の発展のためにも今後のDMOの活用が必要
日本版DMOを中心として、どのような事業が行われているのか、どのような形でさらに訪日外国人への魅力を打ち出していくのかといった点は多義に渡るため、普段から意識することは難しいものですが、根底にあるのは地域一丸となって「魅力的な観光地域づくり」を進め、観光客を呼び込むことで地方創生を進めるというものです。今後よりいっそう地方部に観光客を呼び込むためにも、DMOを活用することで多様な地域の関係者の巻き込み、様々なデータの収集、民間の効率良い手法の活用などが求められています。
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短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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