その市場規模1,000億円以上 ムスリム訪日客増加で莫大になりつつあるハラール食品市場は地方誘致にも一役買うのか?

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近年増加傾向にあるムスリムの訪日外国人観光客を受け入れるために日本国内ではさまざまなインバウンド対策が行われています。例えば、大阪観光局では宗教上の制約に従った「ハラル」やそれに準じる料理を提供する店やホテルを紹介するA4判の冊子 「ハラル&ムスリムフレンドリーマップ」を制作しています。また、LCCを利用して多くのムスリムが入国する成田空港でも ムスリム向け無料観光ガイド「CHIBA MUSLIM TOURISM GUIDE」が配布されています。

ムスリム市場は年々成長しており、これに伴い イスラム教の宗教上の制約に従った食品である「ハラル食品」も巨大なものになってきている ようです。

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ムスリム向け食品ハラルは2020年に1,148億円規模の市場にまで成長する見込み

日本のハラール食品市場規模の予測:総合企画センター大阪のデータを基にCRESCENT RATING・mastercard・HMJが作成

日本のハラール食品市場規模の予測:総合企画センター大阪のデータを基にCRESCENT RATING・mastercard・HMJが作成

CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global Muslim Travel Index 2017 (GMTI 2017)によると、イスラム教の宗教上の制約に従った食品であるハラル食品の市場規模は年々大きくなっています。

2012年には479億円にとどまっていた市場規模は 2016年には806億円まで成長 しました。年平均成長率は一貫して二桁台をキープしており、東京オリンピック・パラリンピックが開催される 2020年には市場規模は1,148億円に到達する 見込みとのこと。

ムスリム訪日外国人観光客の急増が要因でインバウンド需要が年々拡大している「ハラル食品」。2020年までには莫大な市場になることが予測されています。そもそも日本のインバウンド市場においてムスリム訪日外国人観光客がここまで増加している要因は何なのでしょうか。

そもそも何故ムスリムは急増している?ビザの要件緩和&LCCの就航便数増がキーポイントに

ムスリム訪日外国人が増加している理由として以下の2点が考えられます。

  • インドネシア人とマレーシア人に向けた訪日観光ビザの要件緩和
  • LCC(格安航空会社)の就航便増加

政府により多くのイスラム教徒を抱えるインドネシア人とマレーシア人の訪日観光ビザ取得の要件が緩和されたことに加え、東南アジアと日本を結ぶLCC格安航空会社)の就航便数が増えたことが大きな要因となってきそうです。

訪日ムスリム旅行者が2年で4倍以上に増加した2つの理由とは?

以前の訪日ラボの記事でもご紹介したようにムスリムの海外旅行市場は、2026年には 3,000億米ドル(日本円で33兆6,000億円)にまで成長するとされており、世界中で注目されている市場 です。日本のインバウンド市場に関しても近年、ムスリム誘致へさまざまな取り組みが行われていますが、そもそも 日本のムスリム旅行者市場はどの程度のものなのでしょうか。 CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global M...

ムスリムの訪日外国人は増加も地方部では受け入れ体制に難あり… ムスリムフレンドリーランキングは地方都市が下位を独占

一方、以前の訪日ラボの記事で取り上げたように 地方部では未だにムスリムが観光しやすい環境が整備できているとはいいがたい状況になっています。 GMTI 2017の都道府県別ムスリムフレンドリーランキングによると 下位には軒並み地方都市が名を連ねる形に なります。

リピーターの増加とともに訪日外国人観光客の地方周遊率が高くなっている現在、地方でもムスリム向けにハラル料理を提供するレストランを増やしたり、ムスリム向けの商品を開発・販売していくことで、より多くのムスリムを地方に呼び込むことができるでしょう。 例えば、上越市 長野県小谷村・白馬村・大町市では北アルプス日本海広域観光連携協議会が中心となって、ハラル料理教室を開催 しています。こういった取り組みを参考にすると良いかもしれません。

増加するムスリムインバウンド 各自治体の先進事例に学ぶ、ムスリム旅行者の受け入れ対策とは

近年、ビザ要件の緩和やLCCの就航等により東南アジアからの旅行者が急増しており、マレーシアやインドネシアからのムスリム旅行者が今後一層増加することが見込まれています。観光庁は施策としてムスリム旅行者を迎え入れる環境の整備に取り組んでおり2015年8月にはムスリム旅行者が訪日した際に、宗教的・文化的な習慣に不便を感じることがなく、安心して快適に滞在できる環境の向上を図るため、ムスリム旅行者の食事や礼拝に対する習慣やニーズをもとに、「ムスリムおもてなしガイドブック」を作成。また、2015年11...

まとめ:莫大な市場規模に成長する「ハラル食品」 地方部においてもムスリム向けインバウンド対策の実施を

2020年にはハラル食品の市場規模は1,000億円以上にまで成長すると予測されています。ムスリム訪日外国人観光客の急増が要因でハラル対応の食品にはインバウンド需要が年々拡大しており、日本国内でも特に地方にて対策が迫られてくるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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