2018年 ついに大台の3,000万人超え!?東南アジア市場の急成長&受け入れ体制整備が背景に:JTBの最新レポートから今年のインバウンド市場動向を徹底解説①

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2017年の訪日外国人観光客数は過去最高値を記録することが見込まれています。2020年の訪日外国人観光客4,000万人誘致に向けて、2018年も引き続きインバウンド受け入れ環境の整備が求められてくるでしょう。

大手旅行代理店JTBでは、インバウンドを含めた2018年の旅行市場についての見通しをまとめており、この資料から2018年の 日本のインバウンド市場の展望 を2回に分けてご紹介します。

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2018年の訪日外国人観光客数 予想は3,200万人に

JTBの資料では、2018年の訪日外国人観光客数が3,200万人まで増加 すると予測しています。JTBでは2017年の訪日外国人観光客数を実績推計2,850万人としており、これは2016年と比較して18.3%の増加にあたります。2017年から2018年の増加率は12.3%となるので、訪日外国人観光客数の伸び率は多少鈍化 することが予測されています。これらの予測の背景には何があるのでしょうか。以下で解説していきます。

<過去の2020年までのインバウンド市場予測値まとめ>

東京五輪まであと3年 今後インバウンド市場はどうなる?各社の訪日外国人数予測レポート比較&まとめ

先日公開した記事「今年はどんな1年に? 観光庁長官が年頭所感で明らかにした「2017年のインバウンド業界で起こること」では2016年のインバウンドの振り返りを踏まえて、2017年のインバウンド市場について観光庁長官 田村明比古氏の会見について解説しました。昨年2016年は、2015年の日本のインバウンド市場最高の盛り上がりをうけてか、各社から今後のインバウンド市場の予測値が発表されました。今回は、これら各社の訪日外客数予測値についてピックアップし解説していきます。インバウンド市場や各国の訪...

訪日客数の増加予測 その2つの要因とは?

①好調の東南アジア市場:訪日インドネシア人・訪日ベトナム人は前年比30%以上で増加中!

JTBの資料によると、2018年の訪日外国人観光客の増加が予測されている背景として、東南アジア市場が好調なこと が挙げられるとのこと。

その目覚ましい経済成長から東南アジアでは訪日旅行の人気があがっています。特に訪日インドネシア人観光客訪日ベトナム人観光客年30%以上で増加 しています。また、シンガポール人の間では「雪」「日本の冬」への関心の高さから北海道旅行が人気となっています。加えて、近年では日本のインバウンド市場で「ムスリムフレンドリー」の概念が浸透しつつあり、東南アジアに多いイスラム教徒の訪日も増えています。 こうした背景もあり、東南アジア出身の訪日外国人観光客の数は2018年も安定して増えると予測されています。

シンガポールで巻き起こる北海道ブーム その理由が意外!シンガポール人の75人に1人がわざわざ見に来る日本の〇〇とは

Made In Japanは一種のブランドとしての地位を確立しつつあり、海外で日本製品は人気となっています。こうした背景から「爆買い」に代表されるように日本で大量に商品を購入する訪日外国人観光客も多くいます。インバウンド需要の取り込みに成功しているお店として、筆頭に挙げられるのがドン・キホーテ。最近では外国人向けのビジネスに可能性を感じ、海外にも展開しだしているようです。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションの資料を無料でダウンロードする...

人口の30%がミレニアル世代の東南アジア市場 集客するならどんな方法が効果的?ポイントは「モバイルオンリー」と「SNS利用率の高さ」

近年、日本のインバウンド市場のターゲットは多様化 しています。以前であれば「爆買い」で名高い訪日中国人観光客が最大のターゲットでしたが、近年ではよりディープな日本文化の体験を求める欧米圏の訪日外国人観光客も注目度の高いターゲット層になっています。特に訪日客数の伸びが著しい東南アジア圏の訪日外国人観光客は、2018年以降注視していくべきターゲット なのかもしれません。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?「調査・リサーチ」の資料を無料でダウン...

訪日ムスリム旅行者が2年で4倍以上に増加した2つの理由とは?

以前の訪日ラボの記事でもご紹介したようにムスリムの海外旅行市場は、2026年には 3,000億米ドル(日本円で33兆6,000億円)にまで成長するとされており、世界中で注目されている市場 です。日本のインバウンド市場に関しても近年、ムスリム誘致へさまざまな取り組みが行われていますが、そもそも 日本のムスリム旅行者市場はどの程度のものなのでしょうか。 CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global M...

②「明日の日本を支える観光ビジョン」をもとにインバウンド受け入れ体制の整備が進んでいることも理由に

もう一つの理由は、「明日の日本を支える観光ビジョン」に沿ってインバウンド受け入れ体制の整備が進んでいること です。

例えば、通信分野においては、訪日外国人観光客向けに主要交通網や観光地などで無料Wi-Fiを増設したり、近年注目されているSIMカードの販売網を拡大させたりなど、多種多様な取り組みが行われています。外国語対応に関しても、「ili」のような最先端ツールがインバウンド対応ツールとして利用されたり、交通機関や観光施設などで多言語表示が進んでいます。

その他にも、SNSやオンライン広告などを活用したデジタルマーケティングの本格化、欧米圏を中心とした富裕層向けの施策の実施なども進んでいます。「明日の日本を支える観光ビジョン」をもとに 訪日外国人観光客にとって旅行しやすい環境の整備が順調に進んでいる ことが2018年も訪日外国人観光客が順調に増加する要因の一つとなっているようです。

年収1,000万円クラス 今話題の欧米圏「マス富裕層」を狙うには?年収が高くなるにつれ、消費行動に対するジャッジが厳しくなる傾向が

近頃、業界内で何かと話題になっている欧米圏×富裕層というキーワード。一概に富裕層と言っても、年収数十億円というような”超”がつく富裕層の方々から年収1,000万円クラスのいわゆる”マス”富裕層までかなり幅が広く、定義づけが明確になされていないのが現状です。前者の”超”富裕層の方々に関しては自ら情報を探すことが少なく、専門のエージェントにすべてを委託したうえで訪日することが多いとされています。そこで今回は、知的好奇心が高く、自ら旅行の手配を行う割合が多いとされる”マス”富裕層の方々に焦点を当...

SNSにシェアするために写真を取りに来る!? 最新インバウンド動向がまるわかり SNS分析から見る訪日客の国別意識・嗜好調査

各地域を訪れる訪日外国人観光客の行動は出身国によって様々です。千葉県は、インバウンドの出身国による嗜好の違いをSNSから調査し「平成27年度 SNSを活用した外国人観光客ニーズ・動向調査事業 調査結果資料」でまとめています。今回千葉県の商工労働部の観光企画化が調査したのは「大韓民国、中華人民共和国、台湾、タイ王国、シンガポール共和国、マレーシア、インドネシア共和国、フィリピン共和国、ベトナム社会主義共和国、アメリカ合衆国、フランス共和国」の11カ国・地域で、対象期間は平成27年9月〜11月...

一方、訪日韓国人・訪日中国人の伸びは減少へ→全体の訪日客数の伸び率鈍化の理由に

増加予想の要因としては上記のことが挙げられますが、一方で懸念すべき材料もあります。その1つが 訪日韓国人観光客数訪日中国人観光客数の成長には歯止めがかかる ことです。2017年の日本のインバウンド市場において、訪日韓国人観光客数は大幅に増加しましたが、2018年においては大幅な増加傾向に歯止めがかかることが想定されています。

また、2017年10月時点で 前年より半数近くまで落ち込んでいる中国から韓国への旅行者数は2018年に回復する ことが予測されています。日本ではなく韓国に旅行する中国人観光客が増加すれば、訪日中国人観光客も多少なり減少するかもしれません。こうした状況を加味して全体の訪日外国人観光客数は増加するものの、伸び率は鈍化することが予測されています。

中国政府 韓国への団体旅行を禁止に⇒旅行需要が日本インバウンドに流れるかも!?2018年、訪日中国人を集客するうえで改めて気を付けたいこと

2017年2/4半期(4月・5月・6月)に訪日中国人観光客は一人当たり195,615円を支出しました。これは前年同期比+8.13%にあたります。国籍別にみてみると訪日中国人観光客は2番目に訪日旅行時の消費額が高い結果になっています。訪日中国人観光客は日本のインバウンド市場において引き続き注視していくべきターゲットといえるでしょう。そんな中国人市場に関してロイター通信から興味深い報道がされています。インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするが重要!おすすめのインバウンド対策の資料...

まとめ:韓国と中国で成長に歯止めも 2018年も訪日外国人観光客数は順調に増加しそう

訪日外国人観光客数という観点から2018年のインバウンド市場の見通しをご紹介してきました。JTBの予測によると2018年の訪日外国人観光客数は 3,200万人 に達するとのこと。訪日外国人観光客数自体は増加しますが、成長率には若干の歯止めがかかります。①東南アジア市場が好調なこと②「明日の日本を支える観光ビジョン」をもとにインバウンド受け入れ体制の整備が進んでいることの2つが増加予測の要因 ですが、訪日韓国人観光客数訪日中国人観光客数の伸び率が小さくなる ことが予測されているため 全体の成長率は多少鈍化が見込まれる ようです。

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<参照>

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今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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