中国最大級CtoCコマースアプリ「微店/ウェイディエン」とは │ 出店方法・機能・インバウンド市場に影響する越境ECトレンドを解説

公開日:2019年06月05日

2019年1月スタートした中国電子商取引法により、日本で爆買いした商品を中国に持ち帰って売るソーシャルバイヤーの中には活動を停止する人たちも現れています。

同時に中国政府は、越境ECでの海外製品に関する1回あたりの購入金額の上限を緩和しました。今後はソーシャルバイヤー経由ではなく、越境ECプラットフォームの正規出品商品が海外製品の主要な流通ルートになっていくと考えられます。

この記事では、越境ECサービスを提供している中国のCtoCコマースアプリの微店(ウェイディエン)について解説していきます。


微店(ウェイディエン)とは?

微店(ウェイディエン)とは、WeChatが運営する無料で出店できるスマートフォン向け大型ショッピングサイトです。

現在、世界で700万人のユーザーが利用しています。2017年の店舗数は3,000万店舗、流通金額は約3,500億円とも言われ、現在では公称の店舗数は8,000万となっています。越境EC市場においても無視できない市場規模です。

また、中国人のインバウンド市場では、中国国内で話題となっている日本製品や日本体験が、訪日旅行における需要を喚起します。こうした構図から、越境EC市場で存在感のあるプラットフォームは、中国向けインバウンド対策において重要な存在になってきています。

▲ショッピング用の微店(上)と出店用の微店(下)の2種類のアプリがある。画像はiOS版のアプリ
▲ショッピング用の微店(上)と出店用の微店(下)の2種類のアプリがある。画像はiOS版のアプリ

中国最大のSNSプラットフォームWeChatとの連携

微店の最大の特徴は、WeChatと連携していることです。

WeChatとは、中国最大のメッセージアプリで、LINEと似た機能を持っており、全世界のアカウント数が10億人を超える巨大プラットフォームを形成しています。微店は、中国で圧倒的な支持を誇るWeChatが運営していることから、数多くのユーザーが流入してきています。

▲微店の登録画面。WeChatのアカウントからも登録できる(下)
▲微店の登録画面。WeChatのアカウントからも登録できる(下)

出店のための費用は不要、仕入れもアプリ内で可能

微店での出店は無料です。

また微店の内部で、卸業者から商品を直接購入できます。自分でイチから商品を探したり、配送したりするなどの手間が一切必要ありません。在庫リスクゼロでネット上に店舗をもつことができます。

わずか5秒で簡単に出品できる手軽さも魅力です。こうした特徴がユーザーの出店を促し、現在は総店舗数は8,000万となっています。

▲微店で商品を仕入れるメニュー。トップページの「选货市场」をタップすると、共同購入やおすすめ、カテゴリ別の仕入れ可能な品が表示される
▲微店で商品を仕入れるメニュー。トップページの「选货市场」をタップすると、共同購入やおすすめ、カテゴリ別の仕入れ可能な品が表示される

出店方法は?

出店方法は以下のような手順です。

  1. 微店アプリをダウンロード
  2. トップ画面から出店ボタンをクリック
  3. 国・地域を設定、中国の携帯番号を入力。またはWeChatのアカウントとリンクさせる。
  4. 入力した携帯番号に認証コードが送られてくるので、そのコードを入力(アカウント取得完了)
  5. 登録パスワードを設定(WeChatのアカウントと連携している場合は不要)
  6. 店舗名とアイコンを設定する

ここまでは日本在住のスマホユーザーでも問題なく進めることができます。

ただし、微店での商品販売には、中国身分証番号や中国銀行の口座番号が必要です。ない場合は代行会社に業務委託をする必要があります。

▲店舗名と店舗ロゴを設定し「完成」をタップすると登録が進む
▲店舗名と店舗ロゴを設定し「完成」をタップすると登録が進む

微店アプリでできること

微店アプリには、商品管理、注文管理、売り上げ管理、顧客管理、マーケティング管理、プロモーション設定など、多岐に渡る機能が備わっています。また販売促進のための機能だけでなく、出店者のトラブルに対応するアフターサポートも準備されています。

ただし、操作画面は全て中国語なので、中国語が読めない方の場合は翻訳しながら使う必要があるでしょう。

▲店舗のプロモーションメニュー。クリック単価が表示されている
▲店舗のプロモーションメニュー。クリック単価が表示されている

中国語の手軽な翻訳ツールについては、下記の記事で紹介しています。

無料の中国語翻訳サイト9選を5段階で評価&比較!日本語訳の精度・機能で見る本当に使えるサービスはコレ!

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商品の仕入れと支払い、販売について

他のショッピングサイトと同様、商品紹介画面を作成・編集することができます。

顧客との連絡はWeChatを使って行います。注文が入ると、メッセージで情報が届きます。仕入れに関わる支払いは、WeChat Pay、Alipay、クレジットカード、デビットカードにより行います。商品受け取り後の支払いも可能です。

販売に関しては、注文管理メニューから配送情報を随時、顧客に知らせることができます。

各種管理はアプリで完結

微店の売り上げ管理では、毎日の注文数・取引額、アクセス数などのデータを確認できます。

顧客管理では、購入記録等の取引情報の詳細データを確認でき顧客の分析に役立ちます。

販売する価格の設定も調整できるので、異なる価格で販売をし、購入動向を見てマーケティング戦略の立案に活かすことができます。また、プロモーションも行えます。

トラブル時の相談も可能!

トラブルがあった場合の相談も可能です。微店では、卸売市場、転送シェア、仕入れ先など、各プロセスでのトラブル相談に対応しています。海外出店の経験がないなどの不安を抱える方でも、安心して微店を使うことができます。

柔軟なトラブルケアは、微店がユーザー数を伸ばしている要因の一つです。

微店への集客方法

自分の出店した微店への集客方法は主に3つあり

  1. 外部からWeChatアカウントに流入させる
  2. WeChat内に広告を出し、WeChatユーザーを集客する
  3. 中国のKOLにアカウントをPRしてもらう

WeChatの外部からの集客の場合、インターネット上の広告も考えられますが、店頭にQRコードを掲示するやり方も有効です。店頭にQRコードを掲示する場合は、そのQRコードからのEC店舗利用や、アカウントのフォローを促します。インセンティブとなるような優待を設定すると良いでしょう。

WeChat内の広告にはバナー広告、モーメンツ広告、KOLを起用した広告があります。それぞれモーメンツ広告は、モーメンツと呼ばれるWeChatのタイムラインにフィード広告の形で出稿できるものです。WeChat内の広告には業種に制限があるの注意が必要です。

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微店と業務提携するトレンドExpressのソリューションを活用し越境EC進出

ここまでで紹介した微店の利用方法ですが、中国語の操作画面や、中国のビジネス環境について知見がなく、やはり独自に市場を開拓するのには抵抗があるという場合も多いでしょう。

こうしたユーザーのニーズに応えるため、中国向けプロモーションを提供するトレンドExpressは、微店と業務提携を開始しています。

この提携により、越境ECサービス「越境EC X(クロス)」のソリューションを提供しています。「越境EC X」では、インフルエンサーであるKOL微店で展開する店舗を通じて、中国で特定の日本商品やブランドの認知度向上と販路拡大を実現します。

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越境ECの市場ポテンシャルと、そこに潜むリスク 

越境ECとは、国境を超えたオンラインショップのことです。製品の産地にこだわる消費者や、逆に質の良さを求めた結果海外製品を求める消費者たちが、オンラインショップで日本をはじめとする海外製品を購入しています。

経済産業省のデータによると、こうしたオンラインで海外製品を購入する越境ECの市場規模は、2019年には4兆8,145円まで成長すると予想されています。

市場規模は大きいものの、越境ECでの販売には、言語の障壁を始め、決済方法、発送手段などを販売先の国に合わせる必要があったり、代金未回収や返品未回収のリスクがあったりするなど、多くの課題があります。また基本的に、日本国内での取引以上の輸送コストがかかります。

近年成長してきている市場だからこそ、解決を待つ課題も多く、それらに対処していかなければならないというのが従来の越境ECでした。

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越境EC X(クロス)が越境ECのリスク軽減、集客効果も

微店と業務提携するトレンドExpressの「越境EC X(クロス)」を利用すれば、「契約期間の縛りなし」「プロモーション費用のみ」「物流の手間が一切かからない越境ECでの自社製品販売が可能になります。リスクを最小限に抑え、ローコストで中国向けに商品を販売したいという販売者にとって良いことずくめのソリューションと言えるでしょう。

トレンドExpressの強みである中国のウェブメディアやSNSを活用したプロモーションも同時に行うことで、高い集客効果も期待できます。越境ECの課題の多くを解消し、日本の製品の中国進出を後押ししています。

越境ECにおける最大のメリットはマーケットの拡大です。特に中国市場は、人口規模や経済成長のため、日本とは比にならないほど大きな市場となっています。

日本ではあまり需要のない商品でも、中国では逆に需要があるという場合もあります。越境ECを活用してマーケットを拡大することは、自社商品の可能性を広げることにもつながります。

微店を活用して越境ECに挑戦、中国国内のムーブメントがインバウンドの消費を左右する

微店は、中国の最大級のショッピングアプリです。WeChatと連携していることから、ユーザー数はさらに伸びていくことが予想されます。

中国の越境ECへの店舗出店、商品の出品には多くの解決すべき課題がありましたが、微店や「越境EC X(クロス)」を利用すれば、進出に伴うリスクを分散させることも可能です。

中国のEC市場は世界最大級です。微店を通じた越境ECの展開によって、そうした大きなマーケットで顧客獲得できる可能性は言わずもがなですが、説明したように「中国国内での流行」がインバウンド市場での消費に与える影響は少なくありません。

今後はインバウンド戦略の一つとして、越境ECへの取り組みへの注力も必要となってくるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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