2011年の訪日外国人データ | 訪日外客数621万・前年比27.8%減・東日本大震災・YouTuberの情報発信

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2019年・2020年にはラグビーワールドカップや東京オリンピックなど大きな国際イベントが予定されており、訪日外国人の数も年々増加しています。

しかし、過去を振り返ってみると前年と比較して訪日外国人数が大幅に減少した年があります。それは、東日本大震災が起こった翌年の2011年です。世界中に衝撃を与えた東日本大震災と原発事故が、どのように日本のインバウンド市場に影響を及ぼしたのか、また、その影響は今も続いているのかどうかをデータから検証してみましょう。

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2011年の訪日外国人は621万人/震災の影響大きく

年々増加の傾向にある訪日外国人観光客の数ですが、2011年の訪日外国人前年比27.8%減621万8,752人でした。これは、東日本大震災や原発事故の影響が大きく、過去最大の減少率です。

月別では4月に前年同月比62.5%減で減少率は過去最大でしたが、12月は同11.7%減にとどまりました。

国・地域別では韓国が最多

2011年の訪日外国人観光客で一番多かったのは、お隣の韓国でした。また、2011年の終わりごろから、訪日外国人観光客の数は回復の兆しがみられました。香港からの訪日外国人数は10月から、中国は11月から前年同月比プラスという結果でした。

順位 国と地域 人数
1位 韓国 165万人
2位 中国 104万人
3位 台湾 99万人
4位 アメリカ 56万人
5位 香港 36万人

▲[2011年の国・地域別訪日外国人数ランキング]:JNTOより引用

2011年~2018年の推移

2011年の訪日外国人は前年比27.8%減の621万8,752人となりましたが、同年の後半からは徐々に増え始め、2012年には835万8,105人前年比34.4%と回復しました。

その後は毎年順調に増加し、2018年には3,119万1,856人となり、2011年~2018年で約5倍になっています。

【国別】2019年訪日外国人観光客数の予測|効果的なインバウンド対応のポイントとは?

日本政府観光局(

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2011年のインバウンド消費は8,135億円

2011年のインバウンド市場全体の消費額は、訪日外国人観光客の減少に伴って前年比29.2%減8,135億円となりました。ただし、訪日外国人観光客一人あたりの日本国内での旅行中支出額には大きな変化は現れず、全国籍の平均は推計113,917円前年比1.0%増という結果でした。

国籍別では、韓国63,614円、台湾82,508円、香港95,381円、中国164,358円、米国134,405円などとなっています。

2011年~2018年の推移は?

2018年のインバウンド市場全体の消費額は4兆5,189億円と最高記録を更新し、2011年から2018年は5.5倍になりました。「モノ」の消費もそうですが、近年はリピーターも増え、日本でしかできない「経験」にお金を使う人が多くなってきています。

インバウンド消費が過去最高記録!観光庁「訪日外国人消費動向調査」からわかるトレンドについて解説

2018年のインバウンド消費額は、過去最高を記録しました。しかしながら、以前に比べ消費額には伸び悩みが見られました。今回は、観光庁より発表された国・地域別総消費額や一人当たり消費額のデータから、訪日外国人の消費傾向を分析します。その上で、今までのアジア圏を主なターゲットとした誘致に対し、さらなるインバウンド消費増大を目指すための新たな指針を紐解いていきます。また、この記事では「モノ消費」から「コト消費」という訪日外国人の消費トレンドの変化について近年のデータを参考に検証し、今後の消費傾向を...

2011年の四半期別インバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)を見る

他の年のインバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)を見る

東日本大震災とインバウンド

2011年3月の東日本大震災の影響で減少した同年の訪日外国人観光客数は、心配されたほどの落ち込みにはならずに回復しました。とはいえ、東日本大震災の被害は大きなものでした。

東日本大震災

東日本大震災とは、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による大規模な災害と、これに伴う福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染を指します。

警察庁による発表では、2019年(平成31年)3月8日時点で死者は1万5,895人、重軽傷者は6,157人、警察に届出があった行方不明者は2,533人にも上っています。

火災・津波・建物の倒壊などの被害は東北地方だけでなく、首都圏でも地盤沈下や液状化現象などが起こりインフラや通信などに甚大な被害をもたらしました。

不安を感じた市民の買いだめにより生活物資の品薄なども長引き、過度な自粛ムードや原子力発電所の停止による電力不足など、日本中が暗い雰囲気に包まれました。また、2019年の時点でも自宅に戻れず避難所生活をする人もいるなど、完全な復興はまだ先のことになると予想されます。

インバウンドも震災直後は落ち込みました。しかしながら2011年の後半には訪日外国人観光客の数が微増するなど、回復は意外にも早かったと言えます。

震災から6年…東北インバウンド需要完全復活:東日本大震災の前年から87%増加で邁進!需要増に応える形で青森空港がリニューアル

全国で急増するインバウンド需要ですが、東北でもそのインバウンド需要は大幅に伸びています。このほど、国土交通省東北運輸局が発表したプレスリリースによると、2017年(平成29年)の東北の外国人宿泊者数は前年比46%増と大幅に増加、さらに東北6県全県において震災前の平成22年の水準を上回っているとのことでした。これを受ける格好で、東北の空の玄関口である青森空港が、ムスリム対応をするなどのリニューアルをしました。東北インバウンドの現状と青森空港のインバウンド対応について見ていきましょう。訪日客の...

イギリス人YouTuberが津波を解説する動画を公開

東日本大震災の後、2012年から日本に住むイギリス人YouTuberのクリストファーさんは、外国人の目線で見た日本の姿を動画にして公開しています。

その中でも「What Happened In Japan After The Tsunami?(津波の後日本では何が起きたのか?)」と題された動画では、東日本大震災で被災した地元住民や企業の復興に取り組む姿や現在について解説しています。

東日本大震災で大きな被害を受けた女川町から始まるこの動画は、2019年6月の時点で65万回以上再生される人気動画となっています。

動画では気仙沼にある俳優の渡辺謙さんがプロデュースするカフェや、復興のシンボルとなった唐桑半島の海辺にある「つなかん」という民宿などを訪れました。

世界中から賞賛のコメントが付く動画は東日本大震災を風化させないための大きな役割を担っていると言えるでしょう。

【39万再生】外国人は3.11被災地に何を想う…人気Youtuberの被災地応援動画が海外で話題に

宮城県仙台市泉区に本社がある株式会社ライフブリッジはインバウンド事業、訪日外国人観光客の誘客に関するコンサルティング、翻訳事業などを行っています。また同社は 人気Youtuberと一緒に観光事業施設をプロモーションするYoutuber事業 も行っています。このほど同社では2018/02/01に「What Happened In Japan After The Tsunami?」と題して、東日本大震災で被災した地元住民や企業の現在の姿、復興に取り組む姿を取材したビデオを公開。2018年3月末...

震災から8年、インバウンドへの影響は薄れてきたか

日本政策投資銀行が2018年12月に発表した「2018東北インバウンド意向調査(アジア地域・欧米豪4地)」の結果では、訪日外国人の間での東北地方の認知度は低い傾向にあること、また「地震による被害の復旧状況がわからない」といった声は着実に減少していることがわかりました。

「地震が起こるかどうか心配」という回答も、昨今のアジア各地で起こった地震の影響と思われます。

調査では震災の、インバウンドへの直接的な影響はそれほどないと言える結果が出ていますが、電車やバス・タクシーの利便性や決済に関する面での満足度が低いこと、知名度の向上が今後の東北地方の課題となっています。

【東北インバウンド】震災からの復興疑う声 ついに10%台まで減/今後は交通・アクセスと決済対応に改善ポイントが

日本政策投資銀行は、2018年12月に「2018東北インバウンド意向調査(アジア(地域・欧米豪4地域)」の結果を発表しました。2012年からアジア8地域の海外旅行経験者を対象とした「インバウンド意向調査」をインターネット上で実施しており、2016年からは欧米豪4地域を含め、全12地域を対象にしています。今回の調査より明らかになった訪日客が抱く最新の東北に対するイメージや実際の旅行の感想から、今後の東北地方におけるインバウンド誘客の課題を探っていきましょう。目次東北のインバウンド事情について...

復興進みインバウンドはさらに増加、とるべき施策は

東日本大震災の被害により2011年の訪日外国人観光客の数は一時的に減少しました。しかし、復興が進む今、2020年の国際的な大イベントなどの影響もあり、さらなるインバウンドの増加が予想されます。

一方で、イベントの一時的な効果だけに頼らず、多言語化や決済インフラの整備を着実にすすめ訪日客の満足度向上に努めることが、観光業界が持続的に発展できる環境をもたらすはずです。顧客層を正確に見定めた施策の選定が必要でしょう。

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今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。

今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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