タオバオ(淘宝)とは | 中国最大級のECサイト・3つの特徴

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タオバオ(淘宝網/Taobao)とは、アリババグループが運営する中国最大のマーケットプレイス型(CtoC)ECサイトです。

タオバオは、中国で最も知られているECサイトのひとつで、特に毎年11月11日に開催される大型セールイベント「独身の日」には、大きな売り上げをあげています。

この記事ではタオバオの特徴や、タオバオの人気機能からわかる中国ECのトレンドについて紹介します。

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タオバオとは

「タオバオ」はアリババグループによって2003年に設立されたCtoCのECサイトです。

▲タオバオのアプリアイコン、ダブルイレブンバージョン
▲タオバオのアプリアイコン、ダブルイレブンバージョン

同じくアリババグループが運営するBtoCのECモールである「天猫(Tmall)」「天猫国際(Tmall国際)」とは異なり、条件を満たせば個人でも出店することが可能です。

その分商品の取扱数やジャンルも幅広く、モノだけでなく「翻訳」や「動画編集」といったサービスまでありとあらゆる商品が販売されています。

2018年度アリババ全体の年間流通高は91兆円を超え、タオバオはそのうちの半数以上を占めていると見られています。

月間アクティブユーザー数なんと7.5億人!メインユーザー層は?

2019年6月のアリババグループ公式レポートによると、2019年6月の月間アクティブユーザー数は7.5億人に達し、その数は毎年増加の一途をたどっています。

人口比率(約14億人)で見ると、中国大陸全体の54%が何らかの形でタオバオを利用している計算になり、いかに身近なECサイトであるかを感じることができます。

メインのユーザー層は、これまで北京、上海、広州といったいわゆる都市部に居住する若者層(80年代〜90年代生まれ)と言われていました。

ところが、今年の6月に行われたセールイベント「618」の商戦では地方の小規模都市や、農村部などに居住するユーザーの購買者数と購買金額が昨年同期比100%増となり、居住地域によるユーザー分布の差は縮小傾向にあります。

他にも2016年には「農村タオバオ」と言う農村地域向けの購入・販売サービスが発表されたり、2018年には「親情帳号」という親・祖父母世代向けの買い物サポート機能が発表されたりと、タオバオは特定の世代に狙いを定めたECサイトではなく、幅広い地域・年齢層が利用する総合的なECへと変化しつつあります。

実際、今年の6月に行われたセールイベント「618」の商戦では、地方の小規模都市や農村部などに居住するユーザーの、購買者数と購買金額が昨年同期比100%増を記録しました。居住地域によるユーザー分布の差は縮小傾向にあると考えられるでしょう。

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「タオバオ」3つの特徴

これだけ広くユーザーに利用される巨大ECサイトということもあり、タオバオには様々な機能や特徴がありますが、中でも「徹底的されたパーソナライズ画面」、「充実した商品情報」、「手厚いカスタマーサポート」の3つはタオバオを大きく特徴づける要素になっています。

1. 徹底されたパーソナライズ画面

▲スマホアプリで「タオバオ」のトップページを開いたところ
▲スマホアプリで「タオバオ」のトップページを開いたところ

タオバオには「千人千面」という言葉があります。「千人が画面を開けば千通りの画面が表示される」の意味で、見る人の購入履歴や閲覧履歴によって表示される画面が大きく異なるということがこの言葉により示されています。この点は、タオバオの大きな特徴の一つです。

例えば、サイトに表示されるオススメ商品やバナー、サイト上部に設置されている検索窓の検索キーワードのサジェスチョンなどが消費者の行動に応じてリアルタイムで変化していきます。同一ユーザーの画面であっても、昨日と今日で表示されるコンテンツが大きく異なることも珍しくありません。ユーザーの行動を踏まえ、短い時間でPDCAを回していることが考えられます。

タオバオでは現在10億件以上のアイテムが販売されていると言われていますが、徹底したパーソナライズにより、膨大な商品数を抱えながらも消費者を迷わせることなく目的地に導く環境が整備されています。

2. ショートムービー&スペック&ライブ配信経由で商品情報を取得

▲タオバオのライブコマース。ライブ視聴中に商品購入ができる。
▲タオバオのライブコマース。ライブ視聴中に商品購入ができる。

パーソナライズと並び、同じくタオバオに見られる大きな特徴に、1つの商品に対する情報量の多さがあります。

例えば商品ページには画像や説明文だけではなく、商品動画を掲載することも可能です。各店舗はこぞって商品を紹介する短尺の動画(ショートムービー)をアップロードしています。

産地や成分といった商品スペックの記載についてはアリババによって細かいルールが策定されており、記載内容と消費者の手元に届いた商品に相違がある場合などした場合は店舗の持ち点が減点されます。持ち点がなくなると商品の販売停止や店舗閉鎖といったペナルティが課せられます。

こうしたレギュレーションを順守するために、どんなジャンルの商品であっても非常に細かい商品スペックが記載されています。

他にも近年で特筆すべきはタオバオが特に力を入れているライブコマースがあります。タオバオはライブコマースを通じて、2018年度だけで既に1,000億元(約1.5兆円)の新しい市場を創り出していると言います。

消費者はライブ配信からも商品情報を得ています。生放送かつ編集が入らないライブ配信には信頼が集まりやすく、中には5分間で15,000本の口紅を売る人気のライブ配信者も存在します。

このように中国の消費者は、たとえ安価であっても購入前に商品を十分に吟味し、多方面から取得した情報を元に購入の意思決定をしていると言えるでしょう。

3. 購入前からチャットが飛び交うカスタマーサポート

▲タオバオのカスタマーサポートとのやりとり画面
▲タオバオのカスタマーサポートとのやりとり画面
カスタマサポートというと返品や交換など商品購入後のアフターサポートを指すことも多いですが、タオバオユーザーは商品を購入する前から店舗に直接問い合わせをするケースも珍しくありません。

私自身も、タオバオと天猫国際(Tmall Global…アリババグループが展開する越境ECモール)においてカスタマサポート対応をしていた経験がありますが、店舗運営の中でも大きな工数を割く部分がカスタマーサポートでした。

その内容は「在庫はありますか」「白と黒どちらがいいでしょうか」といったレコメンドを求める声から「もうすこし安くなりませんか?」といった値切りまで多種多様です。

これが引っ切りなしにやってくるので対応は決して楽とは言えませんが、タオバオには厳格な店舗ランク制度があり、お問い合わせ対応もこの評価に含まれるため基本的に丁寧な返信が返ってきます。

商品情報を吟味した後、カスタマーサポートを通じて、商品が手元に届くまでの不安や疑問を解消して初めて購入に至るという一連の流れはタオバオ、ひいては中国ECの大きな特徴です。

店舗側も工数はかかりながらも、購買意欲の高い消費者にはチャットの中で割引クーポンを配布したりと、店舗の売上ツールとしても巧みにカスタマーサポートを活用しています。

中国EC「タオバオ」からの気づきをインバウンド市場へ応用

ここまでタオバオの特徴についてご紹介してきました。タオバオは中国で多くの人が日常的に使うショッピングサイトであり「中国で何が流行しているのか」、「誰が紹介する商品が売れるのか」といった情報の宝庫でもあります。

訪日中国人観光客も、普段からこのような買い物体験をしていることを念頭に置くと、求められているサービスレベルの理解にもつながるはずです。タオバオだけでなく、中国で生活する人々のスマートフォンの中に入っているアプリやサイトの特徴には、多くのヒントが隠されています。

インバウンド領域でのサービス展開の際には、こうした現地で普及するアプリやサイトに触れる時間を意識的に作っていくことも大切でしょう。

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<参照>

AlibabaGroup:June Quarter 2019 Results

http://www.sohu.com/a/314304627_628446

http://www.baozha.net/a/kejibao/chuanmei/191999.html

https://www.alibaba.co.jp/news/2019/06/618.html

その他キャプチャは筆者によるもの

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この記事の筆者

兵頭 和(ビントウ)

兵頭 和(ビントウ)

2016年中国北京での社会人インターンを経て2017年よりEC事業会社にて越境EC天猫国際)運営、国内ECの開発企画、ディレクションを担当。現場目線で中国のアプリやサービスを解説する。愛媛生まれ。

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