訪日タイ人が4月に増えるのはなぜ?「本当に求めるもの」を訪日ラボ著『インバウンド調査報告書』から読み解く

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2020年の日本は、3連休以上の連休が合計8回予定されています。中でも、5月2日から5月6日のゴールデンウィークは5連休、9月19日から9月22日のシルバーウィークは4連休となっており、海外旅行を考えている方も多いでしょう。

世界各国にはそれぞれ独自の文化や習慣に基づく休日があり、地域によってその傾向は異なります。

今回は、訪日ラボが執筆したインバウンド調査報告書2020の掲載データを基に、東南アジアの連休の傾向と東南アジア最大の訪日外国人市場であるタイの連休事情について紹介します。

タイの大型連休は、実は日本のオフシーズンに重なっています。訪日タイ人市場を成長させるにはタイの大型連休に合わせたインバウンド対策を練ることが有効となってくるでしょう。


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2020年上期のイベントカレンダー

▲[2020年上半期各国の休日一覧]:訪日ラボ編集部
▲[2020年上半期各国の休日一覧]:訪日ラボ編集部

日本の大型連休の代表格の一つに、年末年始があります。官公庁が12月29日から1月3日までの6日間を年末年始の連休としており、多くの民間企業もこれに準じています。

しかし世界各国を見渡してみると、年越し前後の休暇を制定しているのは20か国中ロシアのみです。多くの国では1月1日だけが休日で、その前後は暦通りに出勤となっています。

1月1日の正月休みという概念がない一方で、東アジア各国や東南アジアのベトナムでは旧正月の前後に大型連休があります。大型連休ではないものの、旧正月はシンガポール、マレーシアでも大切にされている節目です。

また東南アジア各国ではタイ、フィリピン、インドなどで4月前後に大型連休や学校の休暇などが組まれています。

東南アジアでは4月上旬から大型連休がはじまる

東南アジアの中でも、タイ4月13日正月(ソンクラーン)を迎え、4月15日までの3日間が連休とされています。また、タイの学校ではソンクラーンの後も、5月中旬までの正月休暇が存在します。

他にも、フィリピンでは4月9日聖木曜日4月10日聖金曜日4月11日聖土曜日4月12日イースター4連休が設けられており、フィリピンの学校は4月初旬から6月初旬までが夏期休暇となります。

インドでは州により休日が異なりますが、多くの学校は4月初旬から6月末に夏期休暇を組んでいます。

インバウンド・外国人観光客が多い時期がひと目でわかる「インバウンドカレンダー」:全国籍&アジア(中国、台湾、香港、韓国、タイ)編

インバウンド市場において需要がもっとも高まる7月、8月といった夏休み・バカンス期間を過ぎ、そろそろ10月の紅葉需要が喚起される時期となりました。インバウンドビジネスにおいて、どの国の訪日外国人観光客がどの月・タイミングで訪日外客数が増減するのか、いわばインバウンドカレンダーを押さえることは、戦略的に重要となります。今回は、国籍別に月別訪日外客数を、2013年〜2016年まで集計。訪日需要が高まるタイミングと、その背景にある理由や各国の長期休暇時期についてインバウンドカレンダーとしてまとめま...


東南アジア最大の市場、タイ

東南アジアの中で、最も訪日外国人の多い国はタイです。2019年には約68万人のタイ人が日本を訪れ、合計約921億円を日本で消費しました。

訪日外客数は前年比12.7%増、消費総額は前年比18.9%増と順調に成長しており、2020年の訪日タイ人市場も更なる発展が期待できます。

タイは東南アジア諸国の中でも経済の中心地として発展を続けており、親日的な考え、態度で知られています。

近年は日本政府観光局のプロモーションも功を奏し、訪日外客数は世界第6位となっています。

訪日タイ人はどんな観光メディアを見てる?

JNTO(日本政府観光局)が発表したデータによると、2018年1~11月に日本を訪れたタイ人観光客数は1,003,800人であり、過去最高を記録しました。タイ人観光客が急増している背景のひとつとして、ビザの緩和が挙げられます。2013年には、15日以内滞在に必要なビザが免除となったことが、タイからの観光客が増えた要因となっています。スワンナプーム国際空港からは、羽田空港や成田空港までの直行便も就航しているため、以前よりも日本へアクセスするハードルが低くなっています。そこでこの記事では、訪日...


タイの長期休暇

タイの学校は5月中旬から始まります。タイでは2学期制が主流で、前期は5月中旬から10月上旬、後期は10月下旬から4月上旬とされています。

前期と後期の変わり目には連休があり、夏期休暇は4月上旬から5月中旬の約1か月半冬期休暇は10月中旬の約2週間となっています。

夏期休暇は、4月13日から4月15日の正月休み(ソンクラーン)とも重なるため、この時期になると家族で海外旅行に出かけるタイ人が増えるようです。

【今年は4/12~16】ソンクラーン目前!4月に訪日旅行をする旅マエのタイ人が 今知りたい7つのこととは【独自取材】

こんにちは。株式会社Gear8の山田です。タイの大型連休、ソンクラーン 前にタイ人向けの情報発信のポイントは、タイ人が感じる日本の4月の気温と、日本人が感じる4月の気温は違うため、タイ人ならではのコメントを入れるなど「今旅行に来るタイ人の目線」を追加して、youtubeやfacebookに配信すること と以前の記事でかかせていただきました。いよいよソンクラーン直前となった今、今回は、本当に来月日本旅行を予定しているタイ人が今知りたいことはなにか? インタビューしてみましたのでまとめたいと思...

4〜5月に増加!訪日タイ人を取り込むために

このように、4月から5月にかけて連休が設けられているタイからは、4月を中心に訪日客が急増します。訪日タイ人観光客はこの時期に最も増加するため、訪日タイ人を取り込むには4月と5月を要に据えたインバウンド対策が必要です。

こうした事実にもかかわらず、春と夏の間に当たるこの時期はゴールデンウィークによる日本人観光客の存在感に目を奪われがちで、インバウンド市場全体でオフシーズンにあたると誤解している人もいます。

ここでは現在の訪日タイ人市場が抱えている問題点と、実施可能なインバウンド対策についてそれぞれ紹介します。

タイ人「日本の四季を体感したい」が満たされない

訪日タイ人が次回の訪日旅行に期待することとして、約48%が景勝地観光、約32%が四季の体感を挙げていました。

タイは日本と気候が異なるため四季が存在せず、基本的には雨季と乾季が繰り返されています。そのため、日本の四季独特の景観や食事を期待して日本を訪れるタイ人が多いようです。

一方、四季の体感に対する満足度は約87%と、日本食の満足度が約95%であることや景勝地観光の満足度が約90%など、全体的に満足度が高いにもかかわらず相対的に低い数値が出ています。

これは、四季を感じられる観光コンテンツが訪日タイ人の増加する4月や5月に上手く提供できていない可能性を示しています。

アジア圏は四季を求め、欧米圏は歴史好き:訪日客向けアクティビティコンテンツ ターゲットごとの人気の違いについて最新動向を解説

以前まで、中国人観光客の爆買いが大きなトレンドになっていましたが、それもう過去の話。今では「コト消費」に変化しつつあるなかでインバウンドでのアクティビティの注目度が年々上昇しています。旅先でのアクティビティ体験は、旅人に新たな世界を見せるキッカケになったり、そのアクティビティ体験から趣味へと変わったり、旅人にとって未知の体験を提供する場合があります。インバウンドにおいて、どういったターゲットがどんなアクティビティ体験を好むか を弊社の知見などを交えて紹介していきます。目次アジア圏訪日客のコ...


季節感が感じられる「観光コンテンツ」の可能性、ターゲットの属性は?

以上のことから、四季を体感できる観光コンテンツの拡充を図ることで、より多くの訪日タイ人の満足度を向上させられる可能性があります。

四季を体感できる観光コンテンツは、自然豊かな景勝地や季節の素材を使用した料理などの一般的なものから、季節の野菜や果物の収穫体験、川下りや山登りなどのアクティビティなど、数多く挙げられます。

訪日タイ人の約58%は女性であり、約37%は30代であることから、これらの層に訴求できるコンテンツを発信していくことでより高い集客効果が期待できます。

訪日香港人観光客に人気の観光ルート:四季を体験できる果物狩り、登山などが人気

2012年以降、円安やLCC(格安航空会社)の躍進、ビザ緩和やビジット・ジャパン・キャンペーンによる精力的なプロモーションなどにより、訪日外国人観光客がうなぎ上りで増加しています。訪日香港人観光客はその中でも極めてリピート率の高くなっており、注力したい国のひとつです。こちらの記事では、訪日香港人観光客に人気のある体験ツアーをご紹介します。 目次季節の行事に合わせた訪日香港人観光客向け体験ツアー日本の四季を楽しむ人気の体験ツアー例訪日香港人観光客の旅行目的は「モノ」から「コト」へ訪日香港人観...


SNSでのプロモーション+言語対応

訪日タイ人の約25%がSNSで情報収集をしています。タイでは日本と同じくLINEが用いられており、合わせて多くのタイ人がFacebookを利用しています。

そのため、訪日タイ人へのプロモーションを実施する際はSNSの有効活用が鍵となるでしょう。

SNSでのプロモーションを実施する際には、文章や写真の品質が重要です。タイ語のプロモーション文章を作成したり思わず行きたくなるような写真を掲載すれば、訪日タイ人の興味を引きつけられるでしょう。

また、実際に訪日タイ人観光客が来た際にもスムーズに応対できるよう、タイ語の資料を用意する、タイ語の話せる人員を配置するか翻訳機を導入するなどの対策も必要となってきます。

和製SNS「LINE」がタイで圧倒的なシェア→訪日PRの必須科目はインスタとLINE!「タイ国際旅行フェア(TITF) #22」現地レポート

2018年の2月開催で22回目を迎えるタイ国際旅行フェア、通称 **TITF(Thai International Travel Fair) **が2月7日〜2月12日の5日間開催されました。毎年2月と8月に開催され、例年旅行好きのタイ人が30万人以上集まる大規模な旅行博の様子をレポートします。訪日タイ人向けオススメインバウンド対策の資料を無料でダウンロードする「広告プロモーション(タイ向け)」の資料を無料でダウンロードする「訪日タイ人向けメディア」の資料を無料でダウンロードする目次第22...

インバウンド調査報告書2020で、国ごとの最新の休日を把握しよう

日本では1月1日を元旦としていますが、新年を祝うタイミング、休暇一つをとっても国や地域により大きく異なります。

新年のタイミングは例えば、休日の制定に旧暦を採用している中国、台湾、香港、マカオ、韓国などでは1月下旬から2月下旬、チャントラカティ(タイ旧暦)のタイでは4月中旬など、日本で生活していると想像もできないような日取りです。

また、イースターやディーワーリーなど、旧暦に基づき毎年日付が異なる休日も多く存在します。インバウンド対策を講じる際には毎年の各国の休日を把握することも大切です。

またターゲット地域の旅行者が大型連休で日本を訪れるであろうタイミングを狙うだけでなく、その市場の旅行客のニーズを真に満たす情報を届け、商品や体験へのアクセスを確保することも非常に大切です。

インバウンド戦略を立てる際には、最新の動向がまとめられたインバウンド調査報告書2020をご利用ください。

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本調査報告書について

本調査報告書は「訪日ラボ」が、2018年上期から2019年上期にかけてのインバウンド市場を徹底的に分析することで、2020年上期のインバウンド市場を展望する内容となっております。

本報告書の制作にあたり、観光庁JNTOなどが提供する公的なデータ、株式会社ナビタイムジャパンからのデータ協力、そして自社メディアにて集積した膨大なデータを基に分析しており、変化の激しいインバウンド業界の方にとって価値のある情報を提供することを目的としています。

構成・各章の概要は以下の通り。

  • 第1章「市場全体データから分析するインバウンドの現在」
    • 訪日者数や消費金額総額等のマクロデータに加え、業界を支える事業者へのアンケートも交え、インバウンドの現在の趨勢についてまとめています。
  • 第2章「都道府県別インバウンドデータに見る トレンドと課題」
    • 全国47都道府県を9エリアに分け、県別に各種の公的データを集計。また、NAVITIME提供のインバウンドGPSデータによる宿泊者数や移動データも収録し、外国人訪問者の動向と消費の詳細が分かるデータとしてまとめています。
  • 第3章「国・地域別インバウンドデータに見る トレンドと課題」
    • 政府の指定する重点市場20か国について各種データを集計し、各国の訪問動向と消費内訳をまとめています。どの月にどの県へ訪問、宿泊がなされ、なにを期待して訪日したのか。またどの品目により多くの消費がなされたのか。次にインバウンド対策として打つべき手についてデータを分析しています。
  • 第4章「業界別インバウンド市場ニュースと事例」
    • 2019年1月-6月期において訪日ラボの人気記事を業界ごとにリストアップし、それらをPVの大きかった順に並べ、キーワードを抽出しています。メーカー、交通、宿泊、小売、そして地方自治体のニュースの記事が注目を集め、話題となったのか。業界ごとに分析・解説しています。
  • 第5章「インバウンド対策ソリューション企業一覧」
    • インバウンド向けに受け入れ対応したい・プロモーションしたい事業者をサポートする、インバウンド対策サービスをまとめ、リストアップしています。

書籍情報

書名:インバウンド調査報告書2020[2019年上期のデータから2020年上期を展望する]

著者:訪日ラボ

発行所:株式会社インプレス

発売日:2019年12月24日(火)

価格:CD(PDF)版、ダウンロード版90,000円(税別)CD(PDF)+冊子版100,000円(税別)

判型:A4判カラーページ数:444ページ

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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