ステイケーションとは、新幹線や飛行機で移動せずに自宅近郊のホテルなどで旅行気分を味わう週末の過ごし方です。
滞在するという意味の「ステイ」と休暇の意味の「バケーション」を合わせた造語として徐々に浸透しており、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため積極的な遠出がしにくい今、新しい形の旅として注目されています。
本記事では、ステイケーションが今人気の理由や、各ホテルの具体的な取り組みを紹介します。
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ステイケーションとは?
ステイケーション(staycation)は、滞在の意味を持つ「ステイ(stay)」と休暇の意味を持つ「バケーション(vacation)」を組み合わせた造語です。一般的に旅行というと飛行機や新幹線、高速道路を使用して観光地に行くことを指していますが、ステイケーションはそのような移動手段を使用せずに、自宅近郊のホテルや旅館などの宿泊施設に週末などを利用して1~2泊滞在しながら、休暇を楽しむという取り組みです。
ステイケーションはアメリカ発祥の言葉であり海外ではよく知られていますが、近年徐々に日本国内でも浸透してきており、新しい旅行の形態として注目されています。
人気のステイケーションの楽しみ方
ステイケーションでは、ホテルにこもってゆったりと過ごすことを好む人が多く、いくつか人気の過ごし方があります。
- クラブフロアを利用する
クラブフロアとは、ホテルの高層階に位置する、そのフロアの宿泊者のみが利用できる専用のラウンジや、無料の飲食などの特典を利用できるエリアです。
ステイケーションでは、遠出せず近場のホテルに滞在するため、浮いた交通費や観光費を利用してこのようなサービスを利用する人も少なくありません。
- スパを利用する
ステイケーションの「休暇」にフォーカスしたスパは、ホテルに併設されているマッサージルームでエステやマッサージが受けられるサービスです。
ステイケーション中、日頃の疲れを癒すためにスパを利用する人も多く、中には、受けられるマッサージの種類やクラスなど、マッサージの内容からステイケーションに利用するホテルを選んでいる場合もあります。
- ルームサービスを利用する
人と会うことなく部屋でゆっくりと過ごしたいという需要に答えているのが、ホテルのルームサービスです。
新型コロナウイルスの感染防止対策としても一役買っており、部屋の中で周囲の人を気にせずに食事が堪能できるとして、ステイケーション中に多く利用されるサービスです。
ステイケーションが人気の理由とは?
遠方への旅行とは異なり、自宅近郊での非日常が楽しめるステイケーションですが、なぜ現在ここまで注目が集まっているのでしょうか。ここでは、ステイケーションが人気を博している理由を紹介します。
「三密」を回避できる
現在ステイケーションが注目されている理由として、新型コロナウイルスにより注意喚起されている「三密」が避けられることがあげられます。
「三密」を回避しながら旅行に行く場合、移動手段や行き先を決める際に、混雑状況や現地での感染対策など、様々な点を考慮しなくてはなりません。
しかし、自宅近郊のホテルに1、2泊するステイケーションでは、遠方への旅行より人との接触が軽減し、「三密」を回避しながら旅行を楽しむことができます。
移動を省き時間や費用を有効活用できる
遠方への旅行の場合、近場の旅行よりも時間と費用がかかることが多いと考えられます。
しかし近場の宿泊施設に泊まるステイケーションでは、遠方の旅行に比べて移動費や観光にかかる時間と費用を浮かせることができます。
そして、浮いた時間とお金を使って、ワンランク上のホテルを選んだり、スパやクラブフロアを利用したりして、普段より贅沢な週末を過ごすのがステイケーションの醍醐味ともいえます。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って移動や娯楽が以前よりも制限されているなか、自宅近郊で気軽に非日常感が味わえることもステイケーションが注目される理由です。
ステイケーション需要に対応するホテルの取り組み
現在、ステイケーションの需要に応えるため、多くのホテルでステイケーションプランなどの特別プランが用意されています。
ステイケーションに人気のホテルやプランには、「リーズナブルな価格で非日常感が楽しめる」「普段は選択できないような贅沢なオプションが付いている」などいくつか共通点があります。
ここでは、実際のホテルを例に、ステイケーション需要に対応している取り組みを紹介します。(2020年10月25日時点)
1. ザ・ペニンシュラ東京
ザ・ペニンシュラ東京は「フォーブス・トラベルガイド2019」の“ホテル部門”と“スパ部門”で最高ランクの5つ星を獲得したホテルです。同ホテルでは2020年12月20日までの期間限定でステイケーション宿泊プランを用意しており、朝食や5,000円分のスパクレジットなど全部で8種類の特典が受けられます。
この他にもフード体験や皇居外苑散策ツアー、バーテンダーによるカクテル作り体験など、全8種類の中から好みのアクティビティを選んで体験できます。
また、特典では非日常感を味わえる体験コンテンツを充実させるだけでなく、2泊目以降の滞在が50%オフになるなど、連泊や次回以降の利用につなげるための工夫もなされています。
2. コンラッド東京
汐留、新橋から歩いてすぐの立地にあるコンラッド東京は、2020年7月8日から2021年3月31日まで、ステイケーションプランと銘打って、ホテル内施設の利用がチェックアウト時25%オフになる割引や駐車場無料などの特典をつけています。
他にも朝食無料やプレミアムWi-Fiの利用、アーリー・チェックイン、レイト・チェックアウト対応など、週末に快適かつ柔軟に利用できる工夫がなされています。
また、Go Toトラベル専用サイトから予約することで、宿泊も35%割引で利用できるようになっており、Go Toトラベルキャンペーンによる宿泊需要の取り込みも行っています。
3. ホテルインディゴ箱根強羅
2020年1月にオープンしたホテルインディゴ箱根強羅は、ステイケーションプランを用意しています。特典の中には最大25%オフになる特別料金でのプラン案内や、朝食2名様まで無料のサービス、リバーサイドキッチン&バーでの飲食が20%OFFなど格安で宿泊できるサービスが揃っています。
他にも46台収容可能な無料駐車場を完備、ジム・大浴場&サウナの利用が無料など、幅広い年代の方が利用しやすい設備やプランで集客を行っています。
近場で非日常を味わえるステイケーションでホテル利用促進
ステイケーションは、近場のホテルでゆったりと週末を過ごす新しい旅の形として近年注目を集めています。
ステイケーションでは、移動時間の短縮や費用の削減ができるため、消費者はその分ホテル内でどんな休暇が取れるのかに着目しながらホテル選びを進めていきます。
スパやクラブフロアの利用、ルームサービスの強化など、ステイケーションを存分に楽しめるようなプランの造成で、顧客の需要に応えることが重要になってきます。
また、「三密」を回避して、新型コロナウイルスの感染拡大を防止しながら非日常感を味わえることもステイケーションの人気の理由のひとつです。
プランの造成と併せて、ホテルの衛生管理や感染防止対策もアピールすることで、安心してステイケーションに利用できるホテルとして顧客の心をつかむことができるでしょう。
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