世界の10の「親日国」を紹介 日本人が意外と知らない歴史とつながりについて紹介

日本の文化や技術は、世界から評価されるコンテンツであり、世界における日本の典型的イメージとして定着しています。また自然環境の豊かさや空気の清浄さなどは、他国にはない魅力として認識されています。

世界には数々の親日国が存在しますが、各国の抱く日本のイメージは実はさまざまです。なかには、19世紀や20世紀の出来事を契機に、日本に対する良好なイメージを持ち続ける国もあります。

この記事では、代表的な10の親日国について、日本のどんなポイントを魅力と感じてくれているのかついて紹介します。

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日本を好きな国はどこ?世界の親日国10選

日本は諸外国からどのような印象を持たれているのか、日本国内で生活する私たちにはイメージし難いものです。

「親日国」と一口に言っても、歴史的背景から日本を好む国、地理的、観光的に魅力を感じて親日となる国などその理由はさまざまです。

日本を好きな国はどこ?世界の親日国10選

親日国であるといわれている、10の国についてその理由も踏まえて紹介します。

また、親日国は訪日旅行に訪れる外国人として、インバウンド需要も期待されています。それらに関連するデータも紹介します。

1. 台湾

台湾は1895~1945年まで日本に統治されていたという歴史背景もあり、日本語を勉強している人・日本語を話せる人が非常に多いです。

日本のサブカルチャーも人気が高く、訪日リピーターが全体の8割を占めます(中でも4月~7月に来日する人が多い)

訪日台湾人の数は毎年増え続けており、2012年には1,024万人だった海外旅行者数は、2018年には約1.6倍となる1,665万人を記録しています。

台湾人がよく使う旅マエの情報収集方法としては、「個人ブログ(34%)」「SNS(20.7%)」「旅行会社ホームページ(18.5%)」が挙げられます。

2019年版訪日外国人消費動向調査によると、台湾人に日本で購入したいもの第一位は「菓子類」で、一人あたり平均8,470円分購入されています。

関連記事:台湾人8000人に聞いた「人気の都道府県」ランキング

2. タイ

2013年のビザ発給要件の緩和以降、訪日タイ人客数は右肩上がりに増加しています。

4月(ソンクラン)、10月、12月など、タイ人の連休がある時期が訪日旅行のハイシーズンです。

各所へのアクセスが良い首都圏や、タイでは見れない雪景色を楽しめる「白川郷」や「北海道」もとても人気が高いです。

個人ブログと並んで電子掲示板『pantip』が情報収集する際のメディアとして有力です。

タイは訪日リピーター率が全体の60%を占めており、日本に対する高い満足度が伺えます。

日本国内の消費額は、2013年からの6年間で3倍以上も数値が伸びていることがわかっています。タイの平均月収=605.10米ドルから鑑みると訪日旅行は決して容易ではないにも関わらず、日本がタイ人が行きたい国第4位になるなど根強い人気を誇っていることがわかります。

関連記事:データでわかる訪日タイ人観光客

3. シンガポール

シンガポールもまた、親日的な国だといわれています。ただし、戦争中に起きたできごとから、1970年代までは親日派ではない人々の方が多数派だったといわれています。

1980年代に入り日本企業の進出が進み、現地での接触が増え、ローカルなつながりを通して日本人に対して徐々に親しみを覚えていったと考えられます。

JNTOの訪日旅行誘致ハンドブック2021によると、シンガポールは外国旅行において個人旅行が多く、その割合は全体の約9割を占めます。

また、個人旅行のことを FIT(Free Independent Tour)ではなく、「フリー&イージー」やDIY(Do It Yourself)」と呼びます。かつてフリー&イージー型商品の購入者は、団体ツアーで訪日経験のある人が多かったが、近年では、初訪日旅行者でも、フリー&イージー型商品を利用する人が増えています。

シンガポール人が最も多く日本に訪れるシーズンは12月です。タイ人だけではなく、シンガポール人にも日本の冬は魅力的で、自国では見られない雪景色への高い関心が読み取れます。シンガポール人は景色同様グルメにも関心が高く、JNTOの調査によるとシンガポール人の訪日目的の第一位は、日本食を食べることとあります。

シンガポール人は口コミサイトやSNSから情報を得るケースが多く見受けられますので、飲食店側はSNSを用いて積極的に発信するなど、ネット上で得られるグルメ情報を普段から充実させておくとよいでしょう。

4. トルコ

日本と地理的に近接しておらず、ヨーロッパにもほど近いトルコが「親日国」となった背景には、歴史的背景があります。

1890年に和歌山県沖にトルコ(旧オスマン帝国)の軍艦エルトゥールル号が座礁しました。600名近い犠牲者を出したものの、日本人が総力を挙げての救護活動を行った結果、負傷しているトルコ人を69名救出しました。

この「エルトゥールル号遭難事件」により、トルコが日本に対して好意的な印象を持つようになったといわれています。トルコは親日国ではあるものの、訪日観光客数はアジアの中で最も少ないのが特徴です。他のアジア圏の国々に比べると日本までの距離が長いこと等地理的条件が大きいと思われます。

また、トルコ人の多くがイスラム教を信仰しています。トルコ人をイスラム教を信仰するムスリムへの理解も重要です。

ムスリムが食すことのできるハラルフードの準備や、ムスリムが礼拝室を設けるなどの施策を施すことで今後より多くのトルコ人の訪日が見込めるでしょう。

5. ポーランド

情熱的で感情豊かなポーランド人ですが、日露戦争やロシア革命、第二次世界大戦の渦中で一般人が飢餓や疫病にさいなまれたという史実が残っています。

悲惨な状況に置かれていたポーランド人の孤児たちを保護し、体力が回復するまで彼らを日本で保護し、母国に送り届けたのは日本政府や日本赤十字でした。

2015年にはワーキングホリデー協定を結び、2016年に成田空港からワルシャワへの直行便が就航しているなど、現在でも日本とポーランドは様々な形で交流が続いています。

ポーランド人の中には日本のアニメやポップカルチャーが好きな人も多く、2012年以降、ワルシャワでは日本祭り「Matsuri Piknik z Kulturą Japońską」が開催されています。

訪日ポーランド人の数はコロナ禍前までは年々増え続けており、中でも3月~4月に来日する人が多く、全体の26%を占めていました。

6. モンゴル

モンゴルと日本はかつて紛争を起こしたこともある対立国でしたが、当時モンゴルに抑留されていた日本人の態度に好感を覚えたモンゴル人も多かったようです。

これまで、日本政府からモンゴルのインフラ整備に対する経済的支援が大きな影響を与えました。日本にとってモンゴルは重要な貿易相手国でもあり、2国間での経済連携協定も発行されています。

現横綱の白鵬や日馬冨士など大勢のモンゴル人の力士が日本で活躍していることもあり、日本に親近感を頂くモンゴル人は少なくありません。日本で東日本大震災が起きた際には、モンゴルの国家公務員全員が給与1日分を義援金として寄付したというエピソードもあります。

モンゴル人の性格としては好戦的、自分の意見をしっかり持ち、集団より個人プレーを好むという国民性を持っています。

訪日モンゴル人の数は2014年から毎年増加傾向にありますので、個人旅行向けにしっかり特徴を抑えて施策を施すことにより、より多くのモンゴル人の集客に繋がるでしょう。

7. フィンランド

フィンランドについては、日露戦争時にフィンランドとスウェーデンのあいだで起こっていたオーランド諸島の領有権争いを新渡戸稲造が解決したというエピソードがあります。

この一件による新渡戸稲造への感謝から親日に発展したと考えられています。

フィンランドは国連が発表している「世界幸福度ランキング」で3年連続幸せな国第一位の座に輝きました。※日本は62位。

近年の北欧地域からの訪日外国人数増加に伴い、フィンランドはスウェーデンとともに2020年からビジットジャパン準重点市場に追加されました。スウェーデンのインバウンド市場の今後の伸びしろが期待されます。

訪日フィンランド人のハイシーズンは3月~6月と10月ということから、「お花見」や「紅葉」など日本独特の風光明媚な景色を楽しむことに期待していることが伺えます。

関連記事:堅実な成長を見せる「訪日フィンランド人」市場:5年間で訪日客数1.3倍増、誘致する上で押さえておきたい基本情報

8. パラオ

パラオは西太平洋にあたるミクロネシアの島々で構成される、1994年に独立した新しい国です。

パラオは第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて日本の委任統治領でした。

パラオ側は自国を支配されていたにも関わらず、当時を知る地元の人は日本政府による統治を忌むどころかむしろ肯定的にとらえている人もいます。パラオは西欧諸国による厳しい支配も経験しており、それらとは違って教育やインフラ整備に力を入れた日本統治時代は、パラオの発展に貢献したと考えられているのです。

他にも日本の文化統制の影響を色濃く残しています。日本語でのテレビ放送もあり、日本語を流暢に話すことができる人もいます。

パラオはスペインやドイツによる苛烈な支配も経験しており、それら西欧諸国の統治とは違って、教育やインフラ整備に力を入れた日本統治時代は、パラオの発展に貢献したと考えられているのです。

9. インドネシア

インドネシアの親日の背景には、インドネシアの独立を巡って共に戦った日本人の存在がありました。

インドネシアは340年の間オランダに植民地支配され、1942〜1945年の3年間は日本の統治下にありました。その後インドネシアが独立を宣言した時、オランダがインドネシアの独立を認めず再び支配しようと試み、独立戦争が勃発します。

その際にインドネシアと共に戦った軍籍を離脱した日本人たちがいました。結果としてインドネシアはオランダの再植民地化を免れ、独立を果たしたという歴史があります。

インドネシア人が最も多く日本を訪れるハイシーズンは6月と12月です。

タイやシンガポールと同様、赤道直下のインドネシアでは見られない雪や温泉を体験に日本に来るケースが多いようです。インドネシア国民の約9割を占めるムスリムへの配慮も必要です。

関連記事:インドネシア人のインバウンドデータ

10.ブラジル

日本が貧しかった1900年代初頭にブラジルに移住した日本人が、そこで規律正しさや勤勉さにを表し、ブラジル社会で日本への信頼を創設したとされています。

日本国内では12万人のブラジル人労働者が生活しています。※2017年厚生労働省調べ

ブラジル本国からのVFR(Visiting Friends and Relatives)「友人・親族訪問を目的とした旅行」もインバウンド市場としては見逃せないターゲットになります。

過去の日本人が「親日国」をつくった

世界各地の「親日国」の多くに共通しているのは、かつて苦境に立たされた際、日本と相互に協力しあったという点です。この事実は私たちに示唆を与えてくれます。国を超えて他者を思いやることこそが、時を経ても容易に崩れない友好関係を築く鍵となることがわかります。

「親日国」と言ってもその特徴はさまざまです。それぞれの国民性や嗜好、日本に求めるもの、よく用いられている情報収集ツール等、各国の特徴を掴んで的確なプロモーションを行いたいところです。国ごとに異なる特性を理解したうえで施策を練ることができれば、さらなるインバウンド誘致が見込めるでしょう。

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訪日ラボ編集部

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