令和5年版観光白書 徹底解説(5):第Ⅲ部・令和5年度に講じようとする施策「第1章:持続可能な形での観光立国の復活」

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前回の記事では、令和5年版観光白書 第II部・令和4年度に講じた施策「第2章:観光立国の実現に向けた観光施策」を紹介しました。

前回の記事はこちら:第II部・令和4年度に講じた施策「第2章:観光立国の実現に向けた観光施策」

今回の記事では「第Ⅲ部 令和5年度に講じようとする施策」より「第1章 持続可能な形での観光立国の復活」について解説していきます。

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第1章 持続可能な形での観光立国の復活

第1章は、観光立国の復活に向けて取り組む予定の施策について、「持続可能」の観点から取り上げています。

観光庁では多くの施策が検討されていますが、観光白書の第1章では、3つの戦略軸に整理して紹介されています。

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持続可能な観光地域づくり戦略

持続可能な観光地域づくりに取り組む地域数を現在の12地域から、100地域に拡大することを目標として、以下4つの戦略を掲げています。

観光地、観光産業の再生および高付加価値化

宿泊施設の改修や廃屋撤去などのハード面、そしてキャッシュレス化などの観光地のDX化によるソフト面の取り組みを、継続的に支援すると書かれています。

加えて、観光DXや観光産業の革新における取り組み、そして観光人材の育成と確保における取り組みも支援するとのことです。

補助金に頼らない持続的な観光戦略

一過性の補助金に頼らない持続的な観光戦略の策定、実施を促進するために、地域における事業経営の取り組みを支援するとのことです。

具体的には、観光地域づくり法人(DMO)の形成を進めるための体制強化を支援するとのこと。支援対象としては、外部からの専門人材登用、中核人材の確保・育成、宿泊税入湯税といった持続可能な財源の確保などの取り組みが該当します。

地域独自の観光資源を活用するための環境整備

地域独自の観光資源を活用するためのシステムや、地域に還元するための環境整備を支援するとのことです。

具体的には、自然や文化、歴史、地場産業などのコンテンツづくりや、観光旅行者から入域料を徴収する設備の整備が該当します。

また、地球環境に配慮した旅行を普及すべく、啓発運動をするとのことです。

良好な景観の形成、保全、活用を目指す

観光地の魅力を向上させるため、優れた観光資源の保全、活用を進めるとされています。

良好な景観の形成、保全、活用を進めるとともに、エコツーリズムや旅行者の安全確保における取り組みを支援することが示されています。

インバウンド回復戦略

多岐にわたる分野の取り組みを支援

観光白書によると、文化、自然、食、スポーツなど多岐にわたる分野を対象とし、伝統芸能などの特別体験や期間限定の取り組みを支援するそうです。

加えて、海外では日本への誘客イベントを集中的に開催するとのことです。

消費拡大に効果の高いコンテンツを整備

アドベンチャーツーリズムをはじめ、芸術、地域の食材を活用したコンテンツなど、消費拡大に効果の高いコンテンツの整備を支援することが書かれています。

また、皇居三の丸尚蔵館などの整備を含め、魅力ある公的施設の公開、解放するとのことです。加えて、外国人旅行者向けの消費税免税店の拡大や、新宿御苑前を整備することが書かれています。

地方誘客に効果の高いコンテンツを整備

民間企業の提案による国立公園の魅力の向上、国際競争力の高いスノーリゾートの形成、歴史的資源を活用した観光まちづくりを進めることが書かれています。

また、文化観光を推進するため、文化施設の夜間活用や日本遺産の活用、文化観光拠点の整備を支援するとのことです。

具体的には、スポーツイベントへの参加を目的としたスポーツツーリズム、農山漁村滞在型の農泊、自転車を活用したサイクルツーリズムなど多種多様なコンテンツを整備するとのことです。

誘客を支援する取り組み

戦略的な訪日プロモーションを実施し、高付加価値旅行者の誘客を集中的に支援することが書かれています。

また、MICE(ビジネストラベル)への誘致および開催支援や厳格なカジノ規制を実施したうえでの統合型リゾートの整備を進めるとのことです。

インバウンドの受け入れ環境を整備

インバウンドの受け入れ環境を整備するための支援を強化する方針とのことです。

具体的には、空港業務の省略化、自動化や業務効率化など航空ネットワークの回復と強化、国際拠点空港の整備などが挙げられています。

また、クルーズ再興に向けた訪日クルーズ回復への取り組みも支援するとのこと。具体的には、国際交通機関へのアクセス向上、公共交通機関や観光地でのキャッシュレス決済の導入支援が該当します。

加えて、ビザ緩和、入国手続きの強化、最先端技術を活用した出入国審査の導入など、受け入れ体制を確保するそうです。そのうえで、観光案内拠点の整備など、外国人対応を着実に進めるとのことです。

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国内交流拡大戦略

旅行支援を進め、国内旅行の平準化を目指す

観光立国推進基本計画で措置された予算を活用し、全国旅行支援を着実に進める方針とのことです。

また、平日旅行需要を喚起するキャンペーンを実施することで、国内旅行需要の平準化も進めることが示されています。

新たな交流市場の開拓

新たな交流市場を開拓するために、大きく分けて3つの取り組みが明記されています。

1つ目は、「ワーケーション」、「ブレジャー」の普及と定着です。

ワーケーション」とは、テレワークを活用し、自宅とは異なる場所で仕事をしつつ自分の時間も過ごすことを目的としたものです。

一方、「ブレジャー」とは、出張などの機会を活用し、出張先などでの滞在を延長して余暇を楽しむことを指します。

ワーケーション」と「ブレジャー」、両方の普及と定着を進めることで、交流市場を開拓を目指すことが書かれています。

2つ目は、地域への継続した来訪を促す「第2のふるさとづくり」の定着です。そのために、より一層、環境を整備する方針とのことです。

3つ目は、ユニバーサルツーリズムを定着させることが挙げられています。定着のために、公共施設のバリアフリー化を着実に進めるとのことです。


ここまでが、「第Ⅲ部 第1章」の解説となります。第1章では、戦略や取り組みの方向性についての説明が中心でした。第2章以降では具体的な施策を紹介していきます。

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<参考>
観光庁:令和5年版観光白書

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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