2024年「中国国慶節」はいつ?10月の大型連休に向け、中国インバウンドの最新動向を解説!

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中国の建国記念日にあたる「国慶節」。今年2024年の国慶節は、10月1日から7日となっています。中国の大型連休となるこの期間、例年多くの中国人観光客が日本を訪れています。

直近で言えば、コロナ禍で訪日客が激減した後も、中国の水際対策の緩和の遅れや日中間の摩擦などの影響から訪日客数は低迷していました。一方で、2024年は中国における「海外旅行の回復元年」とも言われ、中国からの訪日客数は急回復しています。今年は「コロナ後初」の国慶節となるため、今後の中国インバウンド市場の動きにも注目が集まります。

今回は2024年の国慶節の詳細や、例年の中国インバウンドの動向、今後に向けた対策などを解説します。

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国慶節とは?

国慶節は中国の建国記念日で、例年建国を祝って北京の天安門広場では国旗が掲揚され、10年ごとの節目には軍事パレードが行われます。

中国旧正月である「春節」と並ぶ大型連休で、国内や海外旅行に出かける人が増えるのも特徴。日本にも毎年多くの訪日中国人観光客がやってきます。

2024年の国慶節はいつ?

1949年10月1日に中華人民共和国の成立が宣言されたことから、毎年10月1日が国慶節として定められています。また、前後の土日で振替出勤日を設定し、大型連休を設定するのが恒例となっています。

今年2024年の国慶節について、中国政府は10月1日から7日までの計7日間を休暇とし、代わりに9月29日(日)と10月12日(土)を出勤日とする旨の通知を発表しています。

※なお、中国の特別行政区である香港にも国慶節がありますが、休日となるのは10月1日のみです。また、台湾は中華民国の独立を祝う日「国慶日」が10月10日に設定されており、中国本土とは祝日事情も大きく異なるため、注意が必要です。

国慶節に近い休日「中秋節」

国慶節に近い祝日として、「中秋節」があります。中秋節とは、中国において旧暦8月15日にあたり、五穀豊穣を祈る伝統行事の日です。家族そろって月餅をお供えして、満月を眺めて楽しむなど家族で過ごす人も多いようです。

昨年2023年の中秋節は9月29日で、10月1日の国慶節と合体し、9月29日から10月6日までの8連休と大型連休になりました。

今年2024年の中秋節について、中国政府は9月15日から17日までの計3日間を休暇とし、代わりに9月14日(土)を出勤日とする旨の通知を発表しています。2023年と違い、中秋節国慶節との時期が少し離れているのがわかります。

国慶節期間のインバウンドの動向は?

訪日中国人観光客の増加が期待される国慶節期間ですが、これまでこの時期のインバウンドにはどのような動きがあったのでしょうか。

コロナ禍前とコロナ禍後、それぞれの動向を振り返ります。

【コロナ前】海外旅行先として日本が人気、消費も好調

コロナ禍前の2019年まで、訪日中国人客数は6年連続で増加し、2019年には過去最多となる年間959万人に達しました。国慶節の7日間は訪日するのにちょうど良い季節、日数と捉えられているようで、多くの中国人が日本を訪れました。

キャッシュレス社会の中国モバイル決済は支払いのおもな手段となっており、訪日中国人の増加に伴い、国内でモバイル決済を導入する企業や店舗が急速に増えました。

中国の大手決済サービスアリペイ」の消費統計データによると、2019年の国慶節期間の日本におけるアリペイでの取引件数前年同期比124%増で、海外旅行先別の取引件数ランキング世界1位となりました。

アリペイ使用の場所トップ3は、3大コンビニエンスストアチェーン、マツモトキヨシ、関西国際空港となっていて、小さな買い物からアリペイによるモバイル決済が活用されました。

関連記事:中国スマホ決済「アリペイ」海外使用で日本が1位に!長年のライバル、タイに逆転【国慶節2019】

【コロナ禍】訪日中国人客数減、中国国内の旅行が主流に

新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年。中国政府による隔離措置や国際便の減便などの影響で、国慶節期間中に海外旅行をする人は減少しました。しかし、自粛期間の反動からも旅行への意欲は根強く、国内旅行を楽しむ中国人旅行者が多かったようです。

中国文化観光省によると、2020年の国慶節期間中に全国の観光地を訪れた旅行者数は延べ6億3,700万人、それに伴う観光収入は4,665億6,000万元(約7兆2,804億円)に達しました。海外への団体旅行が制限されたことから、2021年、2022年と訪日中国人客は減少し、日本の消費にも影響を与えました。

【2023年】中国からの海外旅行需要回復、東南アジア各国が人気

2023年8月10日に日本への団体旅行が約3年半ぶりに解禁されたことから、訪日中国人客数の増加が期待されました。しかし、福島第一原発の処理水海洋放出に関する日中間の摩擦の影響などから、日本への入国者数は伸び悩みました。他に要因としては、例年は中秋節国慶節が離れていて別々の訪日機会になるところ、2023年は連休期間が連続し、トータルでの休暇期間が例年に比べて減ったことが挙げられます。

ただし中国の海外旅行の需要自体は回復しています。中国国家出入国管理局の報告書によると、連休中の出入国者数の合計は1,181万8,000人(出国した人の数は594万8,000人)、1日の平均は147万7,000人でした。前年同月比2.9倍で、コロナ禍前の2019年と比較すると85.1%まで回復しています。

渡航先としては、中国人客に対する規制を撤廃・緩和したタイなどの東南アジア各国が人気を集めました。各国と比べて日本への旅行需要の回復は遅れをとりましたが、前年と比較すると年間の訪日中国人客数は223万6,000人増加しました。

関連記事:中国「国慶節」インバウンドの動向は?(2023年)

2024年の中国インバウンドの動向は?

今年は"コロナ禍収束後初"の国慶節となるため、今後の動向が注目されます。2024年の中国インバウンド動向と、今後の対策について解説します。

2024年、中国からの訪日客数が急回復中

2024年に入ってから、中国からの訪日客数は急速に回復しています。最新データである2024年6月の中国からの訪日客数は約66.1万人で、韓国(約66万人)に次ぐ第2位となりました。

さらに、2024年4-6月の訪日中国人旅行消費額は4,420億円(2019年同期比95%)とコロナ禍前の水準まで回復し、国・地域別で第1位の消費額となっています。現在、日本を訪れる訪日中国人は富裕層からミドルクラス、つまり旅行消費単価が高い層が増えているようです。

中国インバウンド回復の背景には、日中間の航空便が継続的に復増便していることや、中国人に人気の桜シーズンや労働節休暇などの影響が考えられます。

懸念を挙げるとすれば航空便復便・増便の遅れや中国国内の不景気がありますが、まず航空便に関しては、順調な回復基調にあります。不景気に関しては先行き不透明ですが、中国は人口が多くさまざまな層がいるため、全員が海外旅行できなくなるまでに景気が悪くなるとは考えにくく、今すぐ訪日需要が失速するような状況ではないと考えて問題ないでしょう。

関連記事:中国の訪日需要や不景気について、JNTO茶谷氏所感

例年は、夏休みシーズンにも多くの中国人が日本を訪れています。現在の回復基調を維持できれば、もしかすると国慶節期間にはコロナ禍前の水準まで達し、中国インバウンド完全復活へのターニングポイントとなるかもしれません。

関連記事:中国からの訪日客数が急回復、その要因は?

対策はいつからやるべき?:1〜2か月先を見越したプロモーションを

海外旅行の計画は、1〜3か月前から旅行先やプランを検討開始する人が多いため、1~2か月先を見越したプロモーションが大切です。国慶節は10月1日であることから、まさにこの後8〜9月がプロモーションに適したタイミングとなります。

中国人は口コミやSNSなど実際に体験した人の意見を重視しており、SNSなどを活用した情報発信も有効です。ほかにも電子決済の導入や多言語対応など、旅行中の不安や不便を解消する取り組みをアピールすることで、利用促進につなげられます。最終的には、利用者の満足度を高めることで、訪日旅行のリピートや口コミの拡散、さらにそれを見た中国人の利用という循環に繋げることも期待できます。

また、中国人の消費行動は「モノ消費」から「コト消費」へ変わりつつあり、買い物だけでなく、より満足度の高い旅行プランや体験型商品を求める傾向が高まっています。

中国からの多くの訪日客が訪れることが予想される国慶節期間、この時期を見すえて早いうちから具体的な施策を検討、実行することがインバウンド対策をするうえで重要となるでしょう。

関連記事:中国市場は夏休みシーズン前後に訪日のピーク、1〜2か月先を見越したプロモーションを

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<参照>

中华人民共和国中央人民政府:国务院办公厅关于2024年 部分节假日安排的通知

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最新のデータによると、中国からの訪日客数は月間77万6,500人となり、これまで1位だった韓国を抜き、2022年10月の水際対策緩和後初めて1位となりました。順調に回復してきている中国市場に向けて、プロモーションなどの施策を再開したいと考えている方も多いでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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