いよいよ中国の春節(旧正月)が1月28日から始まります。中国は訪日旅行消費額が1位であり、インバウンド事業を展開する企業にとって見逃せない市場の一つです。一方で、FIT(個人旅行)化、SNSの発達などにより中国人旅行者のニーズは多様化しており、旅行トレンドも目まぐるしく変わることから、最新情報を把握することが非常に難しくなってきています。
そこで本記事では、めまぐるしく変化する中国人旅行者のニーズを把握するために、2024年の「国慶節」に関する中国当局や中国企業のレポートをもとに、中国人旅行者の旅行トレンドや、今後求められるインバウンド対策を深掘りします。
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中国人旅行者の「スローチャージ型旅行」の拡大
Ctripのレポートによると、2024年の国慶節では「スローチャージ型旅行」がトレンドになったようです。航空券やホテルの提供が回復し、予約の「争奪戦」が緩和され、余裕を持って旅行を計画できるようになったことも背景にあります。中国で広がりをみせる「スローチャージ型旅行」の特徴や、旅行者が求めるポイントを探ります。
スローチャージ型旅行の3つの特徴
中国では、従来の「短期間で効率的に巡る旅」から、心身のリフレッシュを重視した「スローチャージ型」へと旅行スタイルが移行しているといいます。宿泊施設でのんびり過ごす「ホテルステイ」、地方の魅力を楽しむ「ミニ旅行」、心を癒やす「癒やしの旅」など、余裕をもった旅行スタイルが人気を集めています。スローチャージ型旅行は、以下が3つの特徴です。
- 計画を立てない
- 旅程を詰め込みすぎない
- 観光名所巡りにこだわらない
スローチャージ型旅行では、あえて厳密な計画を立てず、余裕のある旅程を組み、意図的にペースを落としてその土地の文化や体験を楽しむことを重要視します。人混みが多くなる観光名所巡りにこだわらないことも特徴です。
中国人旅行者が追求する4つの価値観
旅行先やアクティビティの選択において、以下の4つのポイントが重要とされています。- のんびり過ごせるかどうか
- 現地での体験を楽しめるかどうか
- リラックス時間を確保できるか
- 心を豊かにする旅かどうか
スローチャージ型旅行においては、「リラックス」が一つのキーワードといえます。予定を詰め込みすぎて逆に疲れたり、観光地の混雑でストレスを感じたりするような旅行ではなく、心も身体もゆっくりチャージできる旅先やアクティビティを求めていると考えられます。
2024年国慶節から見る総合的な旅行トレンドと傾向
2024年の国慶節では、旅行スタイルがより多様化し、旅程と目的地が分散化する特徴をみせました。スローチャージ型旅行は、国慶節期間中に人気となった旅行スタイルの一つです。ここでは、より総合的な中国人旅行者の旅行トレンドや傾向をまとめます。
ピークを避ける傾向
国慶節期間中は、旅程の前倒しと後ろ倒しでピークを避ける傾向が多く見られました。連休前後に分散して旅行することで、ピーク時の高額な航空券やホテル代を節約できるメリットもあります。また、混雑を避けることで、より快適な旅行を楽しみたい意図があることもうかがえます。実際に、あえて閑散期を選択し、割引の機会を探して直前予約をする旅行者は増えているといいます。コスパが良く、時間的にも余裕を持てることから、今後もこの傾向は増えていきそうです。
「非観光エリア」の消費も拡大
個人旅行やセルフドライブ旅行が急成長し、非観光エリアでの消費が拡大していると考えられています。例えば、北京市の798芸術区や上海の田子坊など、もともとは観光地ではなかったエリアが観光客の新たなスポットとして人気を集めているといいます。この流れの中で、新たな旅行トレンドとして注目されているのが「逆向旅行(反向旅游)」です。逆向旅行(反向旅游)とは、混雑する観光名所はあえて行かず、人の少ない穴場スポットを訪れる旅行スタイルのこと。これまでは人気の大都市を観光する人が多い傾向にありましたが、近年では地方の農村や歴史的な建築物の訪問などが人気を集めています。
これは訪日旅行でも同様で、あまり知られていないニッチな映えスポットが注目を集める傾向にあるようです。このトレンドは、地方都市にとってビジネスチャンスであるとともに、有名観光地に観光客が集中するオーバーツーリズム解消の一助となるかもしれません。
関連記事:中国人の間で流行中の「逆向旅行(反向旅游)」とは?混雑避ける“穴場”が人気
一方で、中国のライフスタイルメディアによると、逆向旅行(反向旅游)で訪れた先が期待外れだったという声もあるようです。非観光エリアや地方は、アクセスしづらく、宿泊施設や飲食店が少ないなど利便性に欠けることもあります。やみくもに旅行者を呼び込むだけでなく、インバウンド観光客を受け入れる体制を整えることも重要といえそうです。
旅行体験の深化
中国人観光客に限りませんが、観光客のニーズは「モノ消費」から「コト消費」に移行し、より旅行体験に価値を感じる傾向があります。中国国内でも交通インフラが整備されたことで、旅行者はより速く目的地に到達し、観光地での滞在時間が延びています。時間に余裕が生まれたことで、地元の食事や娯楽施設を楽しむ体験の幅が広がっているといいます。海外旅行においても、交通インフラが重要な要素となりそうです。訪日旅行では、禅や伝統工芸体験などの体験型コンテンツが注目され「日本でしかできない体験」に関心が高まっています。また「絶景×交通」がSNSで人気を集めており、海が見える観光列車や、東京タワーが見えるバスツアーなども人気だといいます。
なお、中国の運転免許では原則として日本国内で運転できません。このような事情も、公共交通機関とセットで絶景も楽しめる観光地が注目されている理由の一つかもしれません。
今後も日本が選ばれるために、求められるインバウンド対策
2024年の国慶節では、日本が最も人気な海外旅行先となりましたが、旅行トレンドや目的地の選択肢が多様化し、細分化された点も特徴的でした。都市レベルや年代ごとでも旅行トレンドやニーズの違いがあり、それぞれのターゲットに合わせた魅力的なコンテンツやプロモーションを考える必要がありそうです。今後も日本が旅行先として選ばれるために、2025年の春節、国慶節に向けてできるインバウンド対策を考えます。
関連記事:中国の大型連休「国慶節」、人気海外旅行先1位は日本(2024年)
観光地の多言語化など受け入れ体制の整備
以前訪日ラボが日本政府観光局(JNTO) 北京事務所長 佐藤氏に取材したところ、2024年6月の北京国際旅遊博覧会(BITE)でJNTOが実施した日本に関するアンケートでは、「これまでの海外旅行で日本を選択しなかった理由」として、「言語障壁」が最も多く挙げられたといいます。この続きから読める内容
- 「日本でしか体験できない」観光コンテンツの造成と発信
- SNSなどでのプロモーションの強化
- 日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
- 【インバウンド情報まとめ 2026年2月後編】訪日中国人数6割減でも「インバウンド全体としては好調」、観光庁 / 1月の訪日外客数359.8万人、韓国が史上初の110万人超え ほか
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