訪日外国人観光客に人気の旅行先は、以前であればゴールデンルートに偏っていましたが、最近では 地方にもスポットライトが当たり始めています。 そのような状況の中、最近の訪日外国人観光客は、何を目当てに地方を訪れているのでしょうか?日本政策投資銀行では、2017年4月に新潟県に関するインバウンド観光レポート「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」を発表しました。本資料をもとに、2回に分けて新潟県におけるインバウンド観光の特徴をご紹介します。今回は後編。
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新潟県を訪れる訪日外国人のうち80%がリピーター!
「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」によると、新潟県を訪れる訪日外国人観光客のうち、80%がリピーターです。
国籍別にみてみると、主に中国、台湾、香港からリピーター観光客が多く、新潟を訪れた訪日中国人観光客のうち、60%が6回以上新潟を訪問しています。 また、台湾人のうち、36.4%が4回、もしくは5回新潟を訪れています。
前編でご紹介した通り、新潟は訪日アメリカ人観光客や訪日オーストラリア人観光客にとっても人気の観光地となっていますが、リピーター率はいずれも低く、1度のみの訪問にとどまっています。
ほとんどが観光目当て:しかし、ビジネスで訪れる人は全国平均より多い
「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」によると、新潟県を訪れた訪日外国人観光客のうち、84.7%が観光目的でした。
この数値は、一見高く見えますが、全国平均(ある都市の訪問理由が観光目的であるパーセンテージ)は89.9%、他の地方都市では、ほとんどが90%以上になっており、新潟県には観光目的のみならず、他の目的でも訪日外国人観光客が訪れていることがわかります。
観光以外の訪問目的として、挙げられるのが「ビジネス・国際会議」です。新潟県にビジネス・国際会議で訪れている訪日外国人観光客は、全体の10.2%にのぼります。 この数字は東京(4.9%)よりも高い結果になっています。
Niigata Convention Naviのコンベンションカレンダーによると日本海沿いであり、韓国や中国など日本と密接なかかわりのある国々と地理的に近い新潟では、年中、国際会議が開かれている ことが把握できます。こういった要因から、国際会議・ビジネス目的で新潟県に訪れる外国人が多いことが予測できます。
また、「親族や知り合いに会うため」との選択肢は5.1%を占めており、全国でもっとも高い結果になりました。
日本の国際会議の開催状況:2010年から誘致に注力し、アジア・オセアニア・中東地域では4年連続1位
日本政府観光局(JNTO)は6月2日、国内での国際会議の開催件数が過去最高となる355件だったことを発表しました。アジア・オセアニア・中東地域では4年連続で開催件数1位を記録しており、世界全体でも7、8位をキープしています。しかし、国際会議は欧米での開催が過半数を占めており、ドイツでは日本の倍にあたる600~700件ほど開催されています。今後も日本ではMICE誘致に向けた積極的な取り組みが行われるのではないでしょうか。今回は、国際会議をはじめとしたMICE誘致の現状について解説します。 目...
MICE誘致に欠かせないユニークベニュー:歴史的建造物などを会議、レセプション会場に
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MICE招致した外国人の事故・病気時の対応は企業の悩みの種に:ジェイアイ 訪日客用海外旅行保険 おもてなし安心プラン を販売
2016年11月2日、日本政府観光局(JNTO)により、2016年1月から10月までの訪日外国人観光客数が2,000万人を超えたとの報道発表がありました。訪日外国人観光客数は異例のペースで増えており、JNTOは2020年の訪日外国人観光客数4,000万人誘致を目指して、これからもインバウンド誘致に向けた取り組みを加速させていくとしています。このような状況の中、企業・自治体はさまざまな国から外国人を招致して訪日外国人観光客の集客に関するアドバイスをもらったりすることで、インバウンド誘致を進め...
その経済効果5,905億!2015年のMICE(国際会議)開催による経済効果を観光庁が調査
観光庁は今年4月にMICE(国際会議)の経済波及効果に関する調査結果「平成 28 年度 MICE の経済波及効果及び市場調査事業」を発表しました。MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称として定義されている...
新潟県の認知度はまだまだ低い:外国人の11.5%が新潟県を知っている
「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」によると、新潟県を認知している外国人は、全体の11.5%でした。(アジア全体では15.5%、欧米豪全体では3.9%。)ちなみに東京の場合は70.5%、北海道は49.6%、長崎は37.4%、神戸は41.6%の外国人が認知しています。
国別にみてみると、台湾人の間では全体の36.9%が新潟県を認知していました。 また、香港人の間では30.6%の人が新潟県を認知しており、この2国では比較的新潟県に対して関心があることがわかります。
意外と馬鹿にできない観光資源『忍者』 海外で「98.7%」が認知、「63.1%」は実在を信じていると調査で判明
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海外の「サムライと忍者」イメージは?訪日外国人に体験型コンテンツが人気の理由
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訪日客は新潟県でご飯と自然を楽しみたい
「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」によると、新潟訪問を希望している外国人のうち、72.1%が「伝統的日本料理を食べたい」 と答えています。2位の回答が 「現地の人が普段利用している安価な食事を食べる(67.6%)」 であることも踏まえると、訪日外国人観光客は新潟県に食文化に関して興味があることがわかります。
3位には同率で「自然や風景の見物(64%)」「桜の鑑賞(64%)」がランクイン しており、新潟県のもつ 豊かな自然を訪日外国人観光客は楽しみにしている ことがわかります。
この2点を踏まえると、新潟県が推し進めている 食、自然を活かした「ガストロノミー・ツーリズム」 は、訪日外国人観光客を呼び込むうえで有効な施策でしょう。
新潟市でも特区民泊スタートへ! 食、自然を活かした「ガストロノミー・ツーリズム」の推進を目指して
大阪、東京、京都など都市圏を中心に導入が進めれれている「特区民泊」。そこに新たに新潟県新潟市が加わる見込みであることが、平成29年4月20日に報じられました。新潟市は本州日本海側では最も人口が多く、唯一の政令指定都市となっています。米どころとして知られる同県の例にもれず、新潟市も自然が豊かな土地柄で、農泊やグリーン・ツーリズムの拠点として特区民泊制度を活用する狙いです。今回は、他の特区民泊導入地域とはやや毛色が異なる新潟市の動向についてご紹介します。 目次豊かな自然を資源に、新潟市が特区民...
「食文化」×「伝統文化」によるインバウンド誘致へ:注目を集め始める「ガストロノミーツーリズム」にぐるなびとANA総研が着手
2020年の「東京オリンピック」開催に向けて訪日外国人観光客数が大幅に伸びている中、さらなる訪日外国人観光客誘致へ向け、国内の企業や自治体は様々な取り組みを行っています。その中でも「郷土料理」と「日本文化」を活用し、インバウンド誘致を狙う「ガストロノミーツーリズム」が注目を集めています。日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)が主催する大規模な旅行博「ツーリズムEXPOジャパン」では、訪日旅行、国内観光、海外旅行をテーマとしたシンポジウムのプログラムを提供しています。2016年の「ツー...
まとめ:新潟県におけるインバウンド観光の実態:ポイントは「観光目的の多様化」「リピーター」「食・自然」
日本政策投資銀行の資料「新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を-」から新潟県におけるインバウンド観光の実態をご紹介してきました。今回は後編です。
2016年に新潟県に宿泊した延べ訪日外国人観光客数は、187,000人を記録し、過去最高を記録しました。
新潟県を訪れる 80%がリピーター であり、なかでも新潟を訪れた訪日中国人観光客のうち、60%が6回以上新潟を訪問 しています。また、台湾人のうち、36.4%が4回、もしくは5回新潟を訪れています。訪日オーストラリア人観光客や訪日アメリカ人観光客の訪問が多い新潟県ですが、彼らはリピーターにはなっていません。
新潟県を訪れる訪日外国人観光客の多くは観光目的ですが、全国比でみると 国際会議やビジネス等で同地を訪れている 人も多くいます。加えて、訪日外国人観光客は 「食・自然」 を新潟に楽しみに来ていることにも留意しておくべきでしょう。
訪日リピーターの台湾人女性1528名に聞いた! 「この夏、日本で行きたい場所・体験したいこと」を発表
この夏行きたい場所は『北海道』/体験したいのは『夏祭り』・『花火大会』が6割 ~ 台湾人・訪日リピーターのキーワードは「日本人と同じ感覚を楽しみたい」 ~[ジーリーメディアグループ]台湾・香港人向けの訪日観光情報サイトとしてNo.1のユニークユーザー数を有する「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を運営する株式会社ジーリーメディアグループ(本社:東京都渋谷区 支社:台湾台北市、代表取締役:吉田皓一)は、本サイトのユーザーである、2回以上日本に訪れたことがある20~30代の台湾人女性を対象に、WE...
観光庁が新たなターゲット層として掲げる「訪日教育旅行者」とは? 日本の学生への教育的な効果も
観光庁は、平成28年度の訪日プロモーション方針を発表。今後、注力するターゲット層として、富裕層や今までうまく取り込めていなかったヨーロッパやアメリカ、オーストラリアの外国人観光客に並んで、「訪日教育旅行者」を掲げています。 「訪日教育旅行」とはいったいなんなのでしょうか。今後、増加すると思われるこの訪日教育旅行について解説していきます。 インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない? 「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする 「調査・リサーチ」の資料を無料でダ...
<参照> - 日本政策投資銀行:新潟におけるインバウンド推進に向けて-認知度向上を図り、ホンモノ志向客の有利促進を- - Niigata Convention Navi:コンベンションカレンダー
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
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【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
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