観光庁が発表する「訪日外国人消費動向調査」によれば、訪日外国人観光客は、「旅マエ」や「旅ナカ」において、スマホやパソコンを使って、訪日観光の情報収集をWEBサイト(ホームページ)やSNSなどから情報収集をする割合が高い傾向にあります。

日本に行ったらどこにいくか・何をするかを決めるために調査などをする「旅マエ」で、訪日外国人に対してアプローチしていくことは、現在のインバウンドプロモーションにおいて最重要課題だといえます。特に、現状では訪日外国人に周知されているとは言えない日本の地方にインバウンド誘致するには、この「旅マエ」でのプロモーションは、より重要度を増します。
そのようなのインバウンドプロモーションの現状において、活用の幅が広がりつつあるのがインバウンドメディアを始めとして展開される、記事や写真、動画などを活用した「コンテンツマーケティング」です。今回は包括的なインバウンド向け情報発信をするプロジェクト『JAPANKURU(ジャパンクル)』についてご紹介します。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)『JAPANKURU(ジャパンクル)』とは:外国人目線作成した独自コンテンツを発信!
株式会社グローバル・デイリーが提供する『JAPANKURU(ジャパンクル)』はインバウンド黎明期の2012年9月に発足しました。「訪日外国人向け情報コンテンツの制作・発信」をメインとするプロジェクトとした『JAPANKURU(ジャパンクル)』のコンセプトは「Let’s Share Our Japanese Stories」。つまり、全員外国籍のクリエイターチームが、日本全国を巡り、リアルに体験した「日本の魅力」を、外国人目線のオリジナルコンテンツとして、多言語であらゆるデバイス・チャネルを通して全世界へ発信するといったものです。

『JAPANKURU(ジャパンクル)』の中核を成すのはWEB サイト「japankuru.com」や各国のブログ、FacebookなどのSNSです。Facebook ページは世界中に 52万人以上のファン を持っており、その情報発信力を下支えしています。また、イベント開催やコンシェルジュデスクといったオフラインの施策も可能です。これらのコンテンツやチャネルを通じて、インバウンドプロモーションにおいて、旅マエ・旅ナカ・旅アトを通じたプロモーション支援をすることができます。
オンラインだけでなくオフラインでも情報発信!その①:台北國際旅展(ITF)で3年連続ブース賞を受賞
『JAPANKURU(ジャパンクル)』では先月台湾で開催された、アジア最大級の旅行博「2017台北国際旅展」にブース展開しました。また、3年連続でブース賞を受賞しており、台湾現地メディアからの注目も浴びています。

今回の出展では、ステージでのパフォーマンスやゲームイベントなどを行ったり、台湾の有名人ゲストをMCに起用したりして注目を集めました。また、ブースの企画、運営するだけでなく、台湾現地で有名な著名人・テレビ番組にライブ中継やSNSを通して、ブースや商品などを紹介してもらったり、またイベントの様子を取材・記事配信をおこなってもらったりしました。
『JAPANKURU(ジャパンクル)』では、このようにして、オンライン・オフライン双方のチャネルを活用 したコンテンツによるプロモーションを行うことが可能です。
オンラインだけでなくオフラインでも情報発信!その②:JAPANKURUコンシェルジュデスク

また、『JAPANKURU(ジャパンクル)』は、プロジェクトの一環として、東京のインバウンド中心地 浅草に「JAPANKURUコンシェルジュデスク」を構えています。「JAPANKURUコンシェルジュデスク」とは、複数言語に対応可能なスタッフを常駐させることで、道案内や浅草観光プランなどの“おもてなし”のサービスを提供するものです。
観光情報を求めてやってくる訪日外国人に対し、徹底的な外国人目線で、オススメ観光スポット、グルメ、交通などの情報を提供しています。このように、リアルなコミュニケーションの場も持っていることも『JAPANKURU(ジャパンクル)』の強みの1つ です。
那須の導入事例: 『JAPANKURU(ジャパンクル)』導入をきっかけに3年間で約7.5倍のインバウンド集客増
それでは、実際の導入事例として、栃木県は那須町のケースを見てみましょう。
『JAPANKURU(ジャパンクル)』では、2013年から、那須町のインバウンドプロモーションを担当しています。『JAPANKURU(ジャパンクル)』の外国人ライターで編成された編集チームが、那須御用邸や温泉、神社、その他飲食店や雑貨店などの観光スポット、東京駅から最寄り駅までのアクセス、最寄りから町巡りの交通手段にいたるまで、さまざなまコンテンツを外国人目線で作成、配信しています。

東日本大震災の影響もあり、訪日外国人の宿泊数が減少していた那須町でしたが、2013年の『JAPANKURU(ジャパンクル)』導入の2013年以降、前年比1.5倍 のペースで推移しており、その後わずか3年間で宿泊者数を 約7.5倍 まで増加させることに成功しました。では、実際に『JAPANKURU(ジャパンクル)』がどのような施策を行ったのかを見ていきましょう。
『JAPANKURU(ジャパンクル)』の那須プロモーション施策
まず、2013年〜2014年の間でテーマとしていたのが「春夏秋冬の季節コンテンツの取材」です。外国人目線で、海外に発信するような素材がなかった状況から、観光コンテンツとしても最重要なものである季節コンテンツを中心に、外国人にどうやったら魅力が伝わるか、良いと思ってもらえるかを考え抜いて、取材とコンテンツ制作していきました。
次の年、2015年のテーマは「シチュエーションごとに那須の魅力発信」です。2014年までに発掘した季節コンテンツにからめて、家族旅行、女子旅、ハネムーンなどにテーマを分けて情報発信を行ってきました。
さらに、2016年には、これまで開拓してきたコンテンツを動画で発信し始めます。動画発信においては、基本的にショートクリップといわれる1分~2分程度の動画で「短く、面白く、わかりやすく」を基本に観光の魅力を伝える手法を活用しました。
なお、こちらの松川屋那須高原ホテルを紹介する動画は、2017年カンヌ国際広告祭:カンヌラインオンズにも出品しております。
そして、今年2017年は、これまで『JAPANKURU(ジャパンクル)』で取材・制作してきたコンテンツを2次活用 し、 他のメディアとコラボレーションを展開しています。例えば、台湾の旅行情報共有サイト「トラベルバー(旅行酒吧)」や那須町の外国人誘客のためのパンフレット制作にも、これまで『JAPANKURU(ジャパンクル)』が制作したコンテンツを活用しています。
まとめ:インバウンドプロモーションにおいて年々重要味を帯びるコンテンツ発信
今までのインバウンド対策といえば「訪日中国人向けに外国語対応&免税店対応などをしていればOK」という風潮がありました。しかしながら、爆買いの衰退に代表されるように、インバウンドトレンドが着実に「コト消費」に移行しており、単なる多言語での情報発信ではなく、訪日外国人に興味を持ってもらえる「外国人目線のコンテンツ」による情報発信が重要味を帯びつつあります。
また、今回ご紹介した那須町の事例のように、一度作成したコンテンツは2次活用することができます。そのため、インバウンド対策における「資産」ともなるため、コンテンツマーケティングは活用の幅が広いと言えるでしょう。
まずは、自店舗や地域の魅力は何なのか?それを外国人目線で考えてみること。それが今後のインバウンドプロモーションで重要になってくるでしょう。
『JAPANKURU(ジャパンクル)』を提供する株式会社グローバル・デイリーのその他インバウンド対策サービスの詳しい資料はこちらから
<参考>
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