各自治体などが取りまとめている補助金・助成金には様々な種類のものが存在しますが、こういった補助金・助成金制度を使うことで、事業費の負担を抑えることが可能です。近年のインバウンド市場の盛り上がりと、政府の観光立国の方針もあり、インバウンド事業の推進に活用可能な補助金・助成金が多数公募開始されてきています。
インバウンド対策をしなければならない事業者は、大企業だけではありません。むしろ、地域の小売店や旅館などの宿泊施設といった小規模事業者事こそ、インバウンド対策の主役とも言え、こうした補助金・助成金制度を上手に活用してインバウンド対策を進めて行くことが求められています。今回は、インバウンド対策に活用可能な補助金として「インバウンド対応力強化支援補助金」をご紹介しましょう。
インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない?
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- インバウンド対応力強化支援補助金とは?
- 補助対象施設は大きく分けて5種類
- 「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【宿泊施設】
- 「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【飲食店】
- 「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【小売店(免税店)】
- 「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【中小企業団体等】
- 「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【観光関連事業者グループ】
- 補助対象事業は各施設ごとに細かく明文化されている
- 【宿泊施設】で「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象となる事業・取り組み
- 【飲食店】で「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象となる事業・取り組み
- 【小売店(免税店)】で「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象となる事業・取り組み
- 【中小企業団体等、観光関連事業者グループ】で「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象となる事業・取り組み
- 「インバウンド対応力強化支援補助金」の申請から受領に必要な手続の流れ
- 「インバウンド対応力強化支援補助金」などの補助金・助成金を活用して上手なインバウンド対策を
目次
インバウンド対応力強化支援補助金とは?
インバウンド対策においては、多言語対応、客室やトイレなどの様式化、外国人受け入れのための人材育成などが必要とされていますが、こうしたインバウンド対応を事業として行う場合に、公益財団法人 東京観光財団地域振興部観光インフラ整備課が募集しているのが「インバウンド対応力強化支援補助金」です。
「インバウンド対応力強化支援補助金」は、東京都内の宿泊施設、飲食店、小売店等が、東京を訪れる訪日外国人旅行者のニーズに対応した利便性や快適性を向上させる目的で、新たに実施するインバウンド受入対応強化の取組を支援する補助制度です。
補助対象施設は大きく分けて5種類
「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする施設の種類は幅広く、
- 宿泊施設
- 飲食店
- 小売店(免税店)
- 中小企業団体等
- 観光関連事業者グループ
が補助金の対象となっています。
「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【宿泊施設】
宿泊施設に関しては東京都内で以下の営業を行っている民間の宿泊施設が、補助金対象となります。
- ホテル営業(旅館業法第2条第2項)
- 旅館営業(旅館業法第2条第3項)
- 簡易宿所営業(旅館業法第2条第 4 項)
「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【飲食店】
飲食店に関しては東京都内で以下の要件を全て満たして営業を行っている民間の飲食店が補助金の対象となります。
- 飲食店営業(食品衛生法)又は喫茶店営業(食品衛生法)の許可を受けている店舗
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者が営業している店舗であること
- 東京都が実施する「EAT 東京」(多言語メニュー作成支援ウェブサイト)の「外国語メニューがある飲食店検索サイト」に掲載されている店舗
無料で飲食店メニューを多言語化/英語・中国語・韓国語…アレルギー表記への対応も
飲食店にとってインバウンド対策としてメニューの多言語対応は現在は必須とも言えるものですが、自分で辞書や翻訳サイトを参考にしながら翻訳していくのも大変です。有料のメニュー作成サービスを展開する企業も多数存在しますが、実は、飲食店のインバウンド対応をサポートするため、各都道府県や地方自治体ではウェブ上で簡単に無料で多言語対応メニューを作成できるようにしています。多くのサイトで、英語だけでなく、中国語、韓国語といった主要なインバウンド市場の言語でメニューの作成ができるようになっています。今回は、...
「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【小売店(免税店)】
小売店に関しては、東京都内で以下の要件を全て満たして営業を行っている民間の小売店(免税店)が補助金の対象となります。
- 次のいずれかの許可を受け営業を行っている小売店(免税店) - 免税販売手続を行う消費税免税店(一般型消費税免税店) - 販売場が所在する特定商業施設内に免税手続きカウンターを設置する承認免税手続事業者が免税販売手続を行う消費税免税店(手続委託型消費税免税店)
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者が営業している店舗であること⇒ 小売業の場合 次のいずれかを満たすこと - 資本金の額又は出資の総額 5,000 万円以下 - 常時使用する従業員の数 50 人以下
「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【中小企業団体等】
中小企業に関しては以下のいずれかの要件に該当する中小企業が補助金の対象になります。 1. 中小企業等協同組合(中小企業等協同組合法)で、東京都内に主たる事業所を有していること。 1. 協業組合、商工組合及び商工組合連合会(中小企業団体の組織に関する法律)で、東京都内に主たる事業所を有していること。 1. 生活衛生同業組合(生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律)で、東京都内に主たる事業所を有し、かつ、その構成員の3分の2以上が、中小企業者であること。 1. 社団法人及び財団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律)で、以下の要件を全て満たすもの。 1. 東京都内に主たる事業所を有していること。 1. 直近2期分の確定申告書が提出可能であること。 1. 中小企業者4者以上で構成または拠出されていること。 1. 中小企業者が構成又は拠出の3分の2以上を占めていること。
「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象とする【観光関連事業者グループ】
観光関連事業者グループに関しては、次の要件を全て満たす東京都内の観光関連事業者グループが補助金の対象となります。
- 東京都内に主たる事業所を有する4者以上の事業者で構成されていること。
- 大企業が実質的に経営に参画していない中小企業者が構成の2分の1以上を占めていること。
補助対象事業は各施設ごとに細かく明文化されている
【宿泊施設】で「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象となる事業・取り組み
宿泊施設の場合、施設の案内表示に関わる多言語対応などのほか、施設やトイレの様式化などが補助金の対象となります。
- 多言語対応(施設の案内表示・室内設備の利用案内・ホームページ・パンフレット等の多言語化、多言語対応タブレット導入等)
- 館内及び客室内のトイレの洋式化
- 客室の和洋室化
- 館内及び客室内のテレビの国際放送設備の整備
- クレジットカードや電子マネー等の決済機器の導入
- 外国人旅行者の受入対応に係る人材育成(研修会の開催、外部セミナーの受講等)
- その他、理事長が外国人旅行者の受入対応の強化のために必要と認める事業
【飲食店】で「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象となる事業・取り組み
飲食店の場合は店舗の案内表示、ホームページやパンフレットなどの多言語化が補助金の対象となります。
- 多言語対応(店舗の案内表示・店内設備の利用案内・ホームページ・パンフレット等の多言語化、多言語対応タブレット導入等)
- 店舗内のトイレの洋式化
- クレジットカードや電子マネー等の決済機器の導入
- 外国人旅行者の受入対応に係る人材育成(研修会の開催、外部セミナーの受講等)
- その他、理事長が外国人旅行者の受入対応の強化のために必要と認める事業
【小売店(免税店)】で「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象となる事業・取り組み
小売店(免税店)の場合は多言語対応、免税処理の簡素化を図るパスポートリード等端末機器の導入などが補助金の対象となります。
- 多言語対応(店舗の案内表示・店舗設備の利用案内・ホームページ・パンフレット等の多言語化、多言語対応タブレット導入等)
- 店舗内のトイレの洋式化
- クレジットカードや電子マネー等の決済機器の導入
- 外国人旅行者の受入対応に係る人材育成(研修会の開催、外部セミナーの受講等)
- 免税処理の簡素化を図るパスポートリーダー等端末機器の導入(免税システム等の導入を含む。)
- その他、理事長が外国人旅行者の受入対応の強化のために必要と認める事業
【中小企業団体等、観光関連事業者グループ】で「インバウンド対応力強化支援補助金」が対象となる事業・取り組み
中小企業、観光関連事業者グループの場合、多言語対応などの他、外国人旅行者受け入れ対応に関わる人材育成などが補助金の対象となります。
- 多言語対応(案内表示・利用案内・ホームページ・パンフレット等の多言語化、多言語対応タブレット導入等)
- 外国人旅行者の受入対応に係る人材育成(研修会の開催等)
- その他、理事長が外国人旅行者の受入対応の強化のために必要と認める事業
「インバウンド対応力強化支援補助金」の申請から受領に必要な手続の流れ
こうした補助金の申請から受領にはいくつかのステップが存在します。まずは申請を行う場合は、東京観光財団に申請書を提出します。その後審査を通過した場合に、交付決定通知が送られます。その後、申請者は事業に着工、事業を完了、業者への支払いを済ませてから実績報告書の提出します。
この実績報告書を受領してから、東京観光財団は補助金額を決定、事業者に通知します。この通知を受けてから事業者は補助金の請求書を提出します。この後になって初めて補助金が振り込まれる流れとなります。また、実績報告書の提出から1年後に、事業者は受け入れ対応状況報告書の提出が義務付けられています。
「インバウンド対応力強化支援補助金」などの補助金・助成金を活用して上手なインバウンド対策を
年々インバウンドが盛り上がりをみせ、東京オリンピックが目前となるなかで、国をあげてインバウンド受け入れ体制の強化が推進されています。今回ご紹介した「インバウンド対応力強化支援補助金」だけでなく、各自治体などで様々なインバウンド対策に活用可能な補助金・助成金が公募されています。
インバウンド対策や受け入れ体制整備には、ソフト面・ハード面ともに整備をしていかなければならないことから、ある程度まとまったコストがかかるものです。そのため、このような補助金・助成金制度を上手に活用し、インバウンド対策を進めて行きましょう。
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<参考>
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