外国人観光客はコンビニがお好き…人手不足と人件費高騰の間で、インバウンドに活路を見出すコンビニの苦悩

公開日:2018年08月08日

H29年度の観光庁の消費動向調査によると、訪日外国人(観光目的)の66.0%がコンビニを利用しています。コンビニエンスストア訪日外国人が最もよく買い物をする場です。このため政府もコンビニエンス業界に訪日対応サービスへの取り組みを要請してきました。2020年の東京オリンピック開催をひかえ、各コンビニチェーンは次々と新しいインバウンド向けのサービスが打ち出しています。

しかし、店舗経営の側面から見ると、足元の人手不足(失業率2.4%:6月総務省発表、年々改善の傾向)と賃金の上昇(6月現在 全国平均で時給848円を2020年までに平均1000円までの引き上げを目標としている)の中での外国人向けサービスの多様化は負担増に違いありません。コンビニでどのようなインバウンド向けのサービスが提供されているのかまとめました。

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「便利で安全」という日本に対するイメージを支えるコンビニエンスストア

訪日外国人がコンビニエンスストアをよく利用する理由は何でしょうか?24時間営業で津々浦々にある、という利便性だけでなく、近年では日本のコンビニのスナックやお惣菜を訪日時の楽しみに挙げる外国人もいるようです。

訪日中国人にとって「日本のコンビニで唐揚げを買う」ことは訪日旅行のハイライト!?背景にあるのは「中国国内の日系コンビニ普及」「宵夜」:日本で

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リーズナブルな簡易宿所やビジネスホテルで宿泊し「朝食や間食はコンビニで買う」という行動パターンも増えており、コンビニが訪日外国人にとって食堂の役割を果たしていることもうかがわれます。

また、24時間明るいというのは「暗い=危険」という海外の常識からいうと安全イメージにつながりやすく、深夜でも安心して入店でき、幅広い品ぞろえからお土産必需品を手に入れられるコンビニは訪日外国人にとって日本で最も頼りになる施設の一つといえます。

そんなコンビニエンスストアのインバウンドサービスを分類すると以下のようになりました。

コンビニのインバウンドサービス① お金まわりのサービス

既存のATMを利用したり、電子決済を取り入れて日本円への両替をしないでも買い物が出来るように対応しています。

ATMの海外キャッシュカード・クレジットカード対応(セブンイレブン)

コンビニATMで自国のキャッシュカードで日本円がおろせる銀聯・VISAその他に対応。

電子マネー・アリペイ決済サービス(ローソン)

中国・阿里巴巴集団(アリババグループ)のモバイル決済サービス「Alipay支付宝・アリペイ)」を全店導入。電子マネーによる決済で日本円への両替不要で買い物ができる。

免税サービス(セブンイレブン)

2015年から開始。合計5001円以上50万円以下の消耗品購入の際、レジで精算時にパスポート提示すれば免税書類(購入記録票)を発行。出国時に税関に提出すれば免税手続きが完了する。1000店舗より開始、順次拡大。

コンビニのインバウンドサービス② 言葉まわりのサービス

外国人とのコミュニケーションで現場スタッフにかかる負担を減らすため、店舗のために本部が開発した多言語対応サービスが登場しています。

多言語コンタクトセンター(セブンイレブン)

平成28年9月より全店舗にて開始。セブン-イレブン加盟店に訪日外国人が来店した際、トランスコスモスの「多言語コンタクトセンター」を通じて逐次翻訳を行う。対応言語は英語・中国語。時間は午前9時から午後9時まで。

マルチメディア端末「ファミポート」(ファミリーマート)

都内11店舗で店内の「ファミポート」の電話機能を使い、多言語案内を開始。英語・中国語・韓国語・タイ語の4か国語で、ファミリーマート店内での買い物以外に、観光スポットなど店舗周辺情報案内、タクシー予約など相談にのる。

セブンイレブンら 大手コンビニの訪日外国人観光客向けサービス:社会インフラとして電子決済、多言語対応など多様な取り組み

セブン‐イレブン・ジャパンとトランスコスモスが平成28年(2016年)8月31日、コールセンターによる多言語対応サービスを開始することを発表しました。専用のコールセンターにより、セブン-イレブン加盟店の運営を支援する「店舗サポートサービス」を実施するもの。訪日外国人が来店した際、トランスコスモスの「多言語コンタクトセンター」を通じて、逐次翻訳を行います。対応言語は英語、中国語で、時間は午前9時から午後9時まで。状況に応じて、サービスを拡大することも検討しています。現在、各地にあまたと存在す...

コンビニのインバウンドサービス③ 宿泊まわりのサービス

上記の2つはすでにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、3つ目のインバウンド向けサービスは、今年6月に施行された住宅宿泊事業法によってコンビニに新たに加わった、民泊の鍵の受け渡し宿泊者台帳作成の代行です。現時点で以下の3チェーンが参入予定しています。

民泊チェックイン機能(セブンイレブン)

平成30年6月から一部店舗に専用端末を置き、民泊利用者の本人確認鍵の受け渡し業務を代行する。JTBと共同の取り組み。

民泊鍵保管代行(ローソン)

一部店舗に民泊の鍵保管箱を設置。

電子キーのQRコード発行(ファミリーマート)

施設の電子キーを開けるQRコードを発券するサービスを沖縄にて開始予定。

コンビニのインバウンドサービス④ 物流や通信の拠点

その他にも、コンビニが訪日外国人に提供するサービスは物流や通信の拠点としてインバウンドのインフラとなりつつあります。

EMS・国際スピード郵便の引き受け(ファミリーマート)

ファミリーマートは山九や日本郵便と連携し、新宿靖国通り店(東京都新宿区)で、EMS引き受けを3月末まで行った。近隣有名百貨店で爆買いした商品を自宅配送する実証実験。国土交通省関東運輸局が提唱する「手ぶら観光」**のインフラ作りの一環。

無料Wi‐Fiの設置(セブンイレブン)

無料Wi‐Fi「セブンスポット」がほとんどの店舗で利用できる。

まとめ:訪日外国人向けサービスのニーズ拡大は理解するも、人手不足に苦悩する現場。求められるコンビニ店員の資質も変容?

ここまで見て来て、これらコンビニが新たに取り組むサービスがどれも複雑でハイレベルであると感じます。コンビニ店員といえば、手際よくお客をレジでさばいたり、商品の棚への陳列をするなど、定型業務がメインというイメージがあります。しかし、訪日客向けの新たなサービスをこなすには、定型業務以外に語学力や非定形業務への高い対応能力が要求されそうです。比較的低賃金でのシフト勤務という条件と、能力の高いアルバイトへのニーズは新たなコンビニ店員像を作っていくのかも知れません。

コンビニは「インバウンドで売れる」理由の宝庫 人気の訪日旅行アクティビティと化す日本のコンビニエンスストア

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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