近年、訪日中国人の増加により、インバウンド市場では、中国向けのインバウンド対策が各業界の関心を集めています。
日本ではインターネットを使って情報収集をする際に、検索エンジンやSNS、あるいはECや価格比較に特化したサイトで対象のものを検索するでしょう。中国でもこうした検索の需要は存在しますが、利用するインターネットサービスは日本と全く異なっています。例えばECサイトをとってみても、日本でも利用者の多いAmazonはほとんど利用されていない状況です。
中国ではどのような検索エンジン、SNSやECサイトやが利用されているのでしょうか。ここでは、中国でおすすめの人気サイトをまとめてご紹介します。
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中国のインターネット事情・利用状況
インバウンド市場において、中国は訪日外客数や消費額にて圧倒的なシェア率を占めています。とりわけ、2018年の消費額は、中国が1兆5,450億円(構成比34.2%)と最も大きく、インバウンドで重要な位置付けといえます。ここでは、実際に中国におけるインターネット事情や利用状況について解説します。
中国人の57%がインターネットを利用
世界各国でのインターネット利用状況をまとめた「Digital 2019」によると、中国のインターネット利用状況は57%(約8億人)です。驚くべきことに、インターネット利用者は前年比9.1%(約3億人)の伸び率となっており、増加傾向にあります。
中国ではGoogle・Twitterが使えない!?
中国には金盾(グレートファイヤーウォール)という大規模情報検閲システムが存在し、インターネット上でこのシステムによる検閲と通信規制が行われています。
そのため、中国ではGoogleやYouTubeなどのサイトが利用できません。日本でも人気の高いSNSのLINEやTwitter、Instagramも、同様の理由からアクセスできません。中国では、中国企業の開発、運営する類似サービスあり、こうしたサービスが市場をほぼ独占してます。
中国カテゴリ別サイト解説&SNS10選
中国のインターネットは情報規制により、GoogleやYouTube、LINEやTwitterが利用できません。それに代わって、中国企業が開発したサイトが中国での利用率を独占しています。ここでは、中国で人気のあるサイトやSNSを厳選して紹介します。
1. 検索サイトは1強
検索サイトで圧倒的なシェアを誇る、「百度(バイドゥ/Baidu)」は、中国の百度公司が提供している検索エンジンです。中国国内における百度の検索率は42.54%となり、他の検索エンジンよりも利用率が高い状況にあります。
2. ECサイト3選
「天猫(ティエンマオ/Tmall)」は、中国ECの最大手アリババが運営する中国で人気が高いECサイトです。日本をはじめ、アメリカ、韓国など、「国家地区館」という各国カテゴリーで、店舗が集約されています。「京東(ジンドン/JD.com)」も、年間の恒例行事となっている各ECセール期間にはアリババに迫る売り上げを記録しており、両者は中国の2大ECサイトとなっています。
また、日本はじめ各国の海外製品が購入できる「越境ECサイト」では、「网易考拉(ネットイースコアラ)」が人気を博しています。
ネットイースコアラはナスダックに上場するネットイース(網易)が運営しています。海外製品と一口に言っても、育児用品や基礎化粧品・メイク用品、生活雑貨や食品、サプリメントなど取り扱う商品カテゴリは非常に幅広いと言えるでしょう。
3. 動画サイト3選
続いては中国で人気の動画サイトです。特にユーザーに支持されている3つを紹介します。
まずは、「爱奇艺(アイチーイー/iQIYI)」です。2018年3月、同社は百度(バイドゥ)傘下としてアメリカのナスダック株式市場に上場しています。会員数については、2018年度決算報告によると、有料会員は8,740万人にまで達しています。
次に、「优酷(ヨウクー/youku)」と呼ばれる動画サイトも人気です。特徴は、豊富な映画作品の配信をはじめ、ドラマやバラエティなどジャンルを問わずオリジナルの動画作品も配信しています。
最後に、「腾讯视频(テンセントビデオ)」です。同サイトは、中国を代表するIT企業「腾讯(テンセント/Tencent)」によって、運営されている動画配信サイトです。特徴は、映画会社であるウォルト・ディズニー映画やパラマウント映画との契約にあります。国内外の豊富な映画コンテンツが視聴でき、有料会員数は2018年末時点で、8,900万人に達しています。
4. 3大SNS
中国のその他のインターネットサービスと同じく、SNSでも中国企業が開発したサービスが市場のほとんどを占めています。
とりわけ、人気のSNSは主に3つあります。
まずは、「微信(ウィーチャット/WeChat)」です。「Digital 2019」によると、WeChatは中国のインターネットサービスのうち最も高い利用率となっています。中国版LINEと呼ばれ、日常的な連絡ツールとして利用されています。
WeChatの機能は、テキストや画像の送信、音声通話、タイムラインだけでなく、ミニプログラムや決済機能、またサードパーティのツールが提供されているなど、非常に幅広くなっています。
メッセンジャーアプリとして利用されているのが、「腾讯QQ(テンセントQQ/Tencent QQ)」です。通話中に音声通話と動画通話モードの切り替えが可能です。また、利用する際に相手がオンラインかオフラインか表示があるため、タイムリーに連絡を取りたい場合にも重宝されています。
3つ目が「中国版Twitter」と呼ばれ、日本でも知名度の高い「微博(ウェイボー/Weibo)」です。従来は、画像や140文字以内のテキストが主流でしたが、近年では、Vlogや3分以内の短編動画といった動画コンテンツが主流になっています。
5. 口コミサイト
中国最大の口コミサイトとして有名なのが、「大衆点評(ダージョンディエンピン)」です。世界中の店舗情報と消費者によるレビューが掲載されています。日本の「食べログ」のような位置づけであり、グルメの情報が充実していることから、「中国最大のグルメナビサイト」とも評されています。
中国の動画配信サイト・アプリ完全まとめ
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【2019年最新/保存版】中国EC人気サイトランキング5選
日本の日常でもECの利用が増えてきています。海外でも同様の傾向があり、インバウンド市場でも自社商品の購買チャネルとしてECの利用価値はますます高まっています。海外のECサイトを正しく利用することは、市場を広げ、売り上げを上げていくために重要になってくると考えられます。この記事では訪日旅行に関連した市場の中でもひときわ大きな存在感を持つ「中国」のECサイトについて解説します。目次越境ECとは?「旅アト」との関係は?そもそもECとは?越境ECとは?そのメリットは?越境ECと深い関係にある「旅ア...
中国サイトの活用事例
前述では、中国で人気のサイトやSNSを紹介しました。日本の企業でも、これらのサイトやSNSを活用したインバウンド対策の事例があります。ここでは、その事例をもとに、インバウンド対策を紹介します。「微博(ウェイボー/Weibo)」:マツモトキヨシ
2015年、訪日中国人が大量に日本製品を買い求める「爆買い」が話題を呼びました。最近では、当時の「爆買い」に比べ落ち着きを見せているものの、依然として日本国内のドラッグストアにはたくさんの中国人で溢れています。とりわけ、マツモトキヨシは高い人気を誇っています。マツモトキヨシに訪れる彼女たちの目的は、目薬やのど薬などの医薬品のほか、美容マスクや基礎化粧品などの化粧用品です。
マツモトキヨシでは、「微博(ウェイボー/Weibo)」の公式アカウントを運用しており、商品やクーポンなどの最新情報を定期的に配信しています。その他、中国語版公式サイトへの誘導や、ECサイトの利用を促し、旅行前や旅行後の利用者もターゲットとしています。
「天猫(ティエンマオ/Tmall)」「爱奇艺(アイチーイー/iQIYI)」:エテュセ
資生堂グループ会社で、化粧品などを販売する「エテュセ」は、日本だけでなく、中国でも人気のあるブランドです。2016年から中国ECサイトで商品の販売を開始し、高品質で低価格が中国でも評価されています。なかでも注目を集めたのは、中国で毎年11月11日開催される「双11」(独身の日)と呼ばれるセールです。アリババが運営する「天猫(ティエンマオ/Tmall)」などの中国ECサイトでは、2018年に約4兆円の膨大な取引額が記録されています。
エテュセは、2017年に「双11」(独身の日)のプロモーション施策を図り、中国で影響力のあるインフルエンサーを指すKOL(キーオピニオンリーダー)を起用し、「爱奇艺(アイチーイー/iQIYI)」などの動画サイトやSNSなど、さまざまなプラットフォームで中国人ネットユーザーに視聴されました。エテュセの2017年の売上は、前年比約260億円増となり、海外向けの施策が功を奏した結果ともいえるでしょう。
「大衆点評(ダージョンディエンピン)」:ラーメン店「一蘭」
中国の大手口コミサイトである、「大衆点評(ダージョンディエンピン)」において、日本関連の店舗のうち最も多くの口コミを獲得している店舗があります。日本でも馴染みのある天然とんこつラーメン専門店、「一蘭」です。2019年8月時点で、道頓堀店は7,600件以上、新宿中央東口店は4,700件以上の口コミが確認できます。
同サイトは「味、環境、サービス」の3つの項目から評価されます。10点満点評価のうち、同2店舗はいずれも、平均9点を獲得しています。こうした口コミの高評価が影響してか、一蘭に並ぶ大勢の中国人は後を絶ちません。
中国SNSである「微博(ウェイボー/Weibo)」でも「#一兰拉面」というハッシュタグが存在し、PVは700万超、関連投稿は6,300件を超えています。
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中国のインターネット事情を理解して適切な対応を
中国人観光客の中には、主要な観光名所だけでなくニッチな場所を訪れたいという欲求も大きくなってきています。旅行のプランを立てるため、情報収集にはもちろんインターネットが利用されています。
中国人が利用しているインターネットサービスは日本とは大きく異なっています。また、中国政府の敷く規制により、一部のサービスはアクセスを制限されています。
こうした中国のインターネット環境を正しく理解し、中国人観光客が情報収集の目的に応じてどのようなサービスを利用しているのか把握することは、中国人向けのインバウンド対策を講じる際に非常に重要です。
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