日本には昔からフィリピン人の出稼ぎ労働者が多く、2018年に訪日外客数が約50万4,000人となりました。
親日国であるフィリピンは、今後も訪日フィリピン人の増加が期待できます。
フィリピン人の文化や国民性の特徴を理解し、良質なおもてなしをするためのインバウンド対策についてご紹介します。
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フィリピン人の特徴
フィリピンは南国リゾートで有名なセブ島があり、陽気で明るいイメージを持っている人も多くいるでしょう。ここではフィリピン人の内面的な特徴について解説します。
フィリピン人の国民性
フィリピン人は一般的に、初対面の人ともあまり抵抗もなく接することができる人が多いといわれています。人と人とのつながりを大切にする国民性であり、家族で過ごす時間を何よりも大切にしており仕事や勉強よりも家族を優先する傾向があります。
家族との用事を優先し仕事を休むことも少なくないそうですが、会社側も寛容的だといわれています。
そのためフィリピンにおいて家族の悪口をいうことはタブーとされており、場合によっては大きなトラブルを招いてしまうので注意が必要です。
加えてフィリピン人は南国のおおらかな気質の人が多く、日本人と比べ時間に対してもおおらかです。
フィリピン人の時間感覚は「フィリピーノタイム」と呼ばれ、待ち合わせなどの時間も30分程度遅れることが多いようです。
ilippines-2-2">貯金はしない傾向
フィリピン人は貯金をせず、お金がある分だけ使う人が多い傾向にあります。将来のことを考えるよりも、いまを楽しむためにお金を使いたいと考える人が多いようです。
世界銀行によると、フィリピン人成人の口座保有率は2017年時点で34%しかありませんでした。
フィリピン中央銀行のチュチ・フォナシエ副総裁は「銀行口座の保有率を2023年までに70%に引き上げる」としています。
そのために低所得者や離島に住む住民も銀行口座を開設しやすい環境を整えるための施策を打ち出しています。
今後、フィリピン人の口座保有率が上がれば、フィリピン人のお金に対する考え方も変化するでしょう。
自分の意見を持ち、自己主張する
日本人は「空気を読む」という文化があり、多くの諸外国にはないコミュニケーション方法があります。
そのため日本人は自分の意見をはっきりと伝えるコミュニケーションを苦手としています。
一方フィリピン人は思ったことや考えをストレートに伝える傾向にあります。フィリピン人と接する際は、しっかり言葉にして伝えることが大切です。
ただし、フィリピン人を人前で怒るのは禁物です。フィリピン人では人前で怒られることは大きな恥とされているので注意するべきでしょう。
ilippines-2">フィリピンの社会的特徴
フィリピン人の性格について把握できたでしょう。ここからは、フィリピン人の社会的特徴を解説します。信仰が生活に浸透している
フィリピンはキリスト教が浸透しており、多くのフィリピン人がカトリックを信仰しています。16世紀から約300年にわたりスペインによって植民地支配されていた時代にキリスト教が浸透しました。そのため街の至るところに教会があり、信仰が生活に浸透しています。日曜日になると、多くのフィリピン人が教会に足を運びます。
フィリピンではイースターやクリスマスなど、キリスト教に関わるイベントや祝日が多いという特徴があります。フィリピン人と接する際は、信仰を否定するような発言を控えましょう。
ilippines-3-2">男女格差が少ない社会
フィリピンは世界的に男女の格差が低い国として知られています。
世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2018年12月に公表した「The Global Gender Gap Report 2018」では、フィリピンの男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)は0.799と世界8位を記録しています。
また独立行政法人労働政策研究・研修機構(The Japan Institute for Labour Policy and Training)が編集・作成している『データブック国際労働比較2018』の「就業者及び管理職に占める女性の割合」でフィリピンの女性管理職の多さは群を抜いています。
貧富の差が大きい
著しい経済成長を遂げているフィリピンですが、貧富の差が大きい現状があります。
2017年12月1日に民間調査機関のSWS(Social Weather Station)が発表したデータによると、フィリピン国内で「自分の家庭が貧しい」と答えた人の割合は47%となりました。
フィリピンでは富裕層が暮らすエリアと貧困層が暮らすスラム街とでは大きな隔たりがあります。
フィリピンで有名スラムといえば、スモーキーマウンテンがあります。現在は閉鎖されていますが、首都圏から大量のゴミが運び込まれていました。
この地域にはゴミの中から廃品回収を行い僅かな日銭を稼ぐ貧民(スカベンジャー)が住み着き、急速にスラム化していきました。
スモーキーマウンテンは、自然発火したゴミの山から燻り立つ様子から名付けられています。悪臭のひどさもまた有名です。
訪日フィリピン人観光客のインバウンド
訪日フィリピン人は、2016年の訪日外客数で前年比29.6%増となる 347,800人 となりました。2012年が85,037人でしたので、フィリピン市場のインバウンド需要は 4年前の約4.09倍まで成長 しています。
訪日フィリピン人を呼び込むためのインバウンド対策
特に訪日フィリピン人はどのような特徴があるのでしょうか。訪日フィリピン人の特徴を解説します。
訪日フィリピン人の特徴
日本政府観光局(JNTO)のデータによると、2018年の訪日フィリピン人は50万人を超えました。2014年から2018年までの5年間で2.7倍に増加しています。訪日フィリピン人の特徴は「長い滞在」と「女性の訪日が多い」の2つです。
観光庁が発表した訪日外国人消費動向調査(2018年)によると、訪日フィリピン人の滞在日数は7〜90日間が59%であり、全国籍の中でも2番目に長い滞在日数となります。
宿泊施設と連携したインバウンド対策が有効といえます。また、2018年における訪日フィリピン人の59%は女性となります。
東南アジアの中では、最も女性の割合が高くなっています。女性向けのインバウンド対策が必要でしょう。
データでわかる訪日フィリピン人観光客
ここ5年で4倍の訪日客数の増加を記録:ハイシーズンは4月と10月滞在日数は約1カ月:全国籍中2番目に長く滞在してくれる訪日フィリピン人東南アジアの中でもっとも女性の訪日が多い市場:女性が占める割合は55%に
訪日フィリピン人市場の特徴
2016年の訪日フィリピン人観光客数は35万人を記録し、2012年と比較すると4倍に増加しています。2016年、訪日フィリピン人は一人当たり112,228円を訪日旅行時に使い、2016年のフィリピン人による総インバウンド消費額は過去最高となる390億円となりました。
訪日フィリピン人狙い目は4月
2014年から2018年間の5年間にかけて、年間で最も訪日フィリピン人が多くなっているのは4月です。
4月は花見を含め、日本の春を体験したいフィリピン人が訪れるようです。訪日フィリピン人の集客・誘致を検討しているのなら、4月に向けてプロモーションをかけていくのが得策でしょう。
他の東南アジア圏の国では、訪日旅行におけるハイシーズンは12月が一般的であるため異例とも言えます。
ilippines-4">フィリピン人の特徴を把握しインバウンド対策を
フィリピン人の特徴を把握できたでしょうか。フィリピン人は南国育ち特有のフレンドリーさと優しさのある性格といわれています。
家族を大事にし、信仰深い国民性です。特に訪日フィリピン人の特徴としてが、滞在時間の長さと女性が多いことが挙げられます。
中でも4月は訪日フィリピン人が多い時期のため、フィリピン人向けのインバウンド対策は4月を目安に数すると効果的でしょう。
<参照>
Social Weather Stations:Third Quarter 2017 Social Weather Survey
独立行政法人労働政策研究・研修機構:データブック国際労働比較2018
World Economic Forum:The Global Gender Gap Report 2018
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