KOLを使ったマーケティングとは?手順やプラットフォームについて徹底解説

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KOLとは、キー・オピニオン・リーダー(Key Opinion Leader)の略で、販売促進に影響力がある専門家や人物のことです。

海外への商品のプロモーション手段として、KOLを活用するための方法を紹介します。

まずKOLにマーケティングを行う前に知っておきたい基本情報について触れた後、メリット・デメリットについての紹介を行い、導入にあたって気をつけたいポイントと事例をご紹介します。

なお本記事では、特に中国のKOLについて取り上げます。

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KOLとは?インフルエンサーとの違い

KOLとは、キー・オピニオン・リーダー(Key Opinion Leader)の略で、中国において販売促進に影響力がある専門家や人物のことです。

東南アジアやヨーロッパなどでも、KOLを利用したマーケティング手法は見られますが、今回は市場規模が最も大きく、KOLによるプロモーションが盛んである中国に焦点を置きます。

なお似たような言葉として「KOC」という言葉がありますが、こちらは「Key Opinion Consumer(キーオピニオンコンシューマー)」の略です。KOLと比較するとフォロワー数は少ない傾向にありますが、消費者の立場として影響力のあるレビューをもたらす人を指します。

またインフルエンサーがSNSでの表現者であるのに対し、KOL特定分野での専門性が高く、SNSに限らずその分野で世間的に信頼される人物だといえます。

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KOL市場規模と特徴|海外商品プロモーションには欠かせない存在

2020年3月13日に発表された中国ビジネス産業研究所の「2020年中国インターネット有名人の経済市場の見通しと投資調査レポート」によると、2020年までの、インフルエンサーも含めた中国のインターネット有名人経済の総規模は3,400億元(訪日ラボ編集部換算:5兆7,465億円)に達すると予測されています。

市場規模の特徴として、「金盾(きんじゅん)/グレート・ファイアウォール」という存在があり、国家の情報統制が激しいため、メディアにあまり信頼感が置かれていない点があげられます。

また中国で「口コミ」が重要視される背景には、「圏子(チェンツ)」の存在が影響していると考えられます。

「圏子」とは、同じ地域に住む人々のこと、またライフスタイルや趣味などを共有する人々から構成されるコミュニティのことで、お互いに助け合い共存していくことが重要とされます。

場合によっては、他の「圏子」よりも自分の所属する「圏子」のメンバーの利益が優先されるケースが珍しくありません。

自分の「圏子」メンバーにに有益な情報を提供するために、口コミが多く投稿されると考えられます。

KOLを使ったマーケティングが行えるプラットフォーム

主に中国を対象とすると、KOLを利用したマーケティングが行えるプラットフォームとして、WeChatや、WeiboRED小紅書)、TikTokなどがあげられます。

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WeChat

WeChatは中国の大手IT企業テンセント社が、2011年から提供するメッセージアプリです。

チャットのやり取りや、SNSとしての機能だけではなく、モバイル決済機能や配車、宅配、オンライン診療までもWeChat内で行うことができます。

テンセントの2020年第三四半期の財務報告によれば、中国を中心に全世界での月間アクティブユーザー数(MAU)は12億人以上とされています。

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Weibo

Weibo微博)は、全世界で8億人が利用している中国のSNSです。

Weibo公式サイトによると、17~33歳の高収入層を中心として、男女問わず都市部の若者に多く利用されています。

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RED小紅書

小紅書RED)とは、中国発のソーシャルECプラットフォームで、都市部在住の若い女性が主力ユーザー層となっています。

InstagramとAmazonを掛け合わせたようなサービスで、次世代SNSプロモーションの中心として注目を集めています。

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Tiktok

Tiktokは中国のByteDance社が運営する、スマートフォン向けショートビデオプラットフォームです。

若者を中心として人気を集めており、日本でも若者に人気があります。

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なお、有名なKOLについては以下のサイトで詳しく紹介しています。

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KOL導入までの手順|SNS投稿から自社サイト見直しまで

KOL導入までの手順を紹介します。

1.商品とターゲット地域を選定

まず自社のどの商品やサービスを紹介してもらうのか、またどの地域を対象にするのかを決めます。地域によって文化も大きく異なるため、細かく見極めて設定する必要があります。

2.KOLの選定

KOLの利用にあたっては、自社選定もしくは代行サービスを利用する方法の2通りが考えられます。

自社で選定するメリットとして、KOLに詳しかったり、現地語を話したり現地の商習慣が分かるなどの人材が社内にいる場合、代行業者を利用するよりもコストを抑えることができます。

ただしデメリットとして、自社でKOLの選定からコンテンツ内容の決定、発信後の効果検証まですべて行うのは時間がかかることが考えられます。

代行サービスを利用することのメリットとして、紹介したい商品と地域に合わせて、KOLの選定およびKOLとのコミュニケーションを任せられることがあげられます。

デメリットとしては自社で依頼するよりもコストがかかること、信頼できる業者の見極めが必要となります。

3.プラットフォームの選定

どのプラットフォームを利用するのか選定します。上記のプラットフォームなどから、それぞれの特色を参考に自社のプロモーションに最も適した媒体を選ぶ必要があります。

4. プロモーション内容の企画

KOLへ発信を依頼するプロモーション内容を企画します。

アピールポイントや、競合の商品に対する優位性を分かりやすく伝えて、費用対効果の高いプロモーションを目指すことが重要です。

5. 集客先のサイトをブラッシュアップ

KOLマーケティングにより、商品を認知したユーザーが問い合わせや商品の購入に至るための集客先のサイトを準備する必要があります。

KOLで集客したユーザーを取り逃さないよう、効果的なサイトを構築する必要があります。

また外国人に発信する際に、言葉の壁が超えられるよう多言語対応なども求められていると考えられます。

KOLマーケティングのメリット、デメリット

KOLマーケティングのメリットとデメリットについて紹介します。

KOLマーケティングのメリット

メリットとしては、一度に認知度を上げられることがあげられます。新商品など一刻も早く注目を集めたい商品宣伝においては有効な手法だと考えられます。

また、宣伝コストを削減できます。従来であれば現地に行って宣伝を依頼する必要があったものの、KOLを利用すると宣伝担当者は日本にいながら海外消費者に向けてアピールできます。

さらに、情報を正確に伝えられることもKOLのメリットです。消費者にしっかりとした情報を届けられるのは、専門性が高いKOLならではの特徴です。

その商品に対しKOL自身が愛着を持ってもらえることもメリットとして考えられます。KOLに商品を気に入ってもらえれば、持続的に紹介してくれる可能性もあり、広告を依頼していないときにもKOLが紹介してくれるケースも見受けられます。

KOLマーケティングのデメリット

一方でデメリットとしては、一過性の施策になるケースが多いことがあげられます。

ある程度の費用も必要となり、約30万〜200万くらいの予算は見ておいた方がよいでしょう。

またKOLのディレクションは大変な作業で、KOL選定から依頼と効果の調査を自社だけで取り組もうとすると非常に手間がかかります。

さらに、先払いが当たり前といった中国の商習慣も考慮する必要があります。

KOLの事例

KOLを使ったマーケティング事例について紹介します。

パルコ、緊急事態宣言中にKOLを使ってライブコマース

パルコは、2021年4月25日から休業対象となった施設のうち、渋谷・池袋・心斎橋の3施設のパルコで、越境ライブコマース施策を実施しました。

「タオバオライブ」では、KOLがブランドの店頭やPRスペースから、自身のアカウントのフォロワーに向けて発信しました。

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中国で開催の北海道物産フェア、KOLを使い集客に成功

中国マーケティング・インバウンドプロモーション誘客事業を手掛ける行楽ジャパンは、2021年2月1日~2021年3月18日の期間、日中経済協会上海事務所北海道経済交流室と連携し、上海、ハルビンで開催する北海道フェアの情報拡散事業を実施しました。

特にグルメに精通した、100万人以上のフォロワーを擁する中国人KOLによる、薄力粉やお米など北海道産の食材を活かした簡単料理レシピの企画が好評を博しました。

開催から7週間で、北海道公式Weiboアカウント「北海道_北国魅力」のフォロワー数は、新たに約1万人(現在22.3万人)増加しました。

ロレアル、自社でKOLを生み出し大人気に|「口紅王子」として注目

ロレアルの美容部員の経歴を持つ李佳琦氏(Austin)は、端正なルックスと女性目線の話術で人気を集め、「买它」(マイター、Buy itの意味)という中国語のフレーズは自身の代名詞ともなっています。

1回の配信で3億円分を売り上げるなどの実績を有しており、日本企業でも資生堂や、コーセー、カルビー、龍角散、近江兄弟社などが利用しています。

中国の事情に詳しければ、中国に向けてKOLを生み出すことも可能となるでしょう。

KOLマーケティング、特徴をおさえて活用を

KOLは主に中国で影響力を持ち、様々なプラットフォームで配信しています。

メリット・デメリットが存在するものの、自社に合わせたKOLを起用することが重要です。

訪日ラボの姉妹サイト訪日コムでも、KOLを使った広告プロモーションを行う代理店企業をまとめています。

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<参照>
PRTIMES:緊急事態宣言発令・施設休業に伴う越境ライブコマース施策によるテナント支援
PRTIMES:【北海道物産フェアin中国 】中国における物産PRと集客に成功

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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