食品・お菓子メーカーはどうやって通販・越境ECをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、食品・お菓子メーカーが通販・越境ECを活用することでインバウンド集客する事例が増えています。食品・お菓子メーカーの通販・越境ECを活用した成功事例では、効果的にマーケティングを行えています。このページでは、食品・お菓子メーカーのインバウンド対策やインバウンド集客における通販・越境ECの活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 食品・お菓子メーカー×通販・越境EC事例その①:カゴメ株式会社、インアゴーラと協業で中国向け越境ECを開始
- 食品・お菓子メーカー×通販・越境EC事例その②:中国向け越境ECにアサヒグループとして初出店。「Calpis医薬保健海外旗艦店」をオープン
- 食品・お菓子メーカー×通販・越境EC事例その③:カルビー、越境ECで「フルグラ」の販売開始へ
食品・お菓子メーカーの通販・越境ECによるインバウンド対策やインバウンド集客には、訪日中ではない外国人にもマーケティングできるというメリットがあります。インバウンド業界でよく用いられる用語の一つに「旅マエ・旅ナカ・旅アト」というものがあり、これはそれぞれ「訪日前・訪日中・訪日後」を表します。通販・越境ECは特に旅マエや旅アトの、日本にいないインバウンドにマーケティングをする手段として利用されています。たとえば、訪日中に気に入った食品がありこれを自分の国に帰っても食べたい、というインバウンドからのニーズがあった場合、その食品を取り扱うメーカーが越境ECサイトに出店していれば、外国人は自分の国でもその食品を手に入れられるということです。通販・越境ECを利用することで、旅アトにもマーケティングのチャンスを広げることができます。
ここでは、食品・お菓子メーカーという業界・業種における通販・越境ECによるインバウンド対策事例を紹介していきます。
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「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「越境ECサイト制作」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロードするカゴメ株式会社、インアゴーラと協業で中国向け越境ECを開始
カゴメ株式会社は、中国向け越境ECプラットフォーム「プラットフォーム」運営のInagora株式会社より カゴメの越境EC事業における販売・マーケティングの協業をスタートさせました。「ワンドウ」を通じて販売するのは、カゴメトマトジュース、野菜生活100、野菜生活100ジュレ、トマトケチャップ、カゴメ醸熟ソースの5品目で、メインターゲットは20~30代の健康意識が高い女性とのこと。今後は、取扱商品数を増やすほか、ライブ配信などのプロモーション手法を活用して販売促進に取り組む方針です。
インアゴーラは、カゴメの越境ECに関する全社戦略方針の検討に際し、情報・物流・決済などの課題をワンストップで解決できるサービスの独自性・先進性を評価され、越境ECパートナーとして選定頂きました。「ワンドウ」は初期費用や月額固定費が無料のECプラットフォーム。アプリ上に商品を陳列するだけではなく、ブランドや商品の詳細情報や、商品の使い方などを動画や記事コンテンツとして提供することも可能。アプリ内のSNS機能などを通じてユーザーとコミュニケーションを図ったり、情報拡散を促進したりすることもできます。2015年8月にスタートし、2017年3月時点で取扱品目は約2万7500商品に。日本の大手食品メーカーでは、味の素も「ワンドウ」を通じて中国向け越境ECに参入しています。
中国向け越境ECにアサヒグループとして初出店。「Calpis医薬保健海外旗艦店」をオープン
アサヒカルピスウェルネス株式会社は、中国の越境ECモール「京東全球購(JD Worldwide)」に、「Calpis医薬保健海外旗艦店(可尔必思官方旗艦店)」をオープンしました。中国向け越境ECへの出店としては、アサヒグループとして初の取り組みです。今回出店する「Calpis医薬保健海外旗艦店(可尔必思官方旗艦店)」では、商品の安全性や品質の高さを重視していて健康への関心度が高い層をコアターゲットに、日本国内「乳酸菌サプリメント売上No.1」で 「L-92乳酸菌」配合の「アレルケア」や「カルピス酸乳」から生まれた機能性表示食品「ラクトウェル」などの「カルピス健康通販」限定商品(健康食品)を販売。
「京東全球購(JD Worldwide)」の運営母体の「京東集団」は、中国のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場で第2位のシェアを誇るインターネット通販企業です。中国のBtoC-EC市場規模は、日本の同市場の規模(774億ドル)の約12倍となる年間9,276億ドルとなっており、日本製品のターゲット市場として大いに注目されています。また、中国国内のBtoC-EC市場では「安心・安全・高品質」を理由に、日本製品への注目が高まっています。アサヒカルピスウェルネは、日本で展開している健康食品通販事業で培ったノウハウや、豊富なエビデンスを活用し、中国でのユーザー拡大を目指す予定です。
カルビー、越境ECで「フルグラ」の販売開始へ
カルビー株式会社は、中国の電子商取引最大手のアリババ・グループ・ホールディングと協力し、越境ECサイト「天猫国際」において、シリアル商品「フルグラ」の販売を開始すると発表しました。日本で300億円規模のヒット商品に育った「フルグラ」を海外で本格展開するというものです。松本晃会長兼CEO(最高経営責任者)は会見で「中国市場の大きさはすごい」と述べ、2〜3年で200〜300億円の売り上げが見込めるとしています。同商品は安心・安全をアピールするため、パッケージには「北海道製造」を打ち出す方針で、北海道工場は40億円規模の生産量。
カルビー株式会社は、「フルグラ」について、将来的には、国内500億円、海外10,00億円の目標を掲げています。松本CEOは「フルグラビジネスは、日本だけでなく中国でも大きく花を開かせ、他の国にも広げていきたい」と述べています。「フルグラ」は現在、宇都宮市の清原工場で生産しており、カルビーは輸出を行っていなかったものの、中国からの訪日観光客などに人気となり、中国のオンラインなどで60億円程度の売り上げがあがりました。しかし、中国政府が栃木県を含む1都9県の食品の輸入規制を厳格化したことで、流通量は大きく減少。今回、北海道と京都という規制対象外の都道府県で生産したフルグラを越境ECで販売することで、中国でのニーズに応えるというものです。今後は、越境ECで取り扱うカルビーの全商品において、アリババと協働していきます。中国では、日本の人口に匹敵する約1億人が越境ECで買い物をしているのだといいます。