旅行会社・ランドオペレーターはどうやって通販・越境ECをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、旅行会社・ランドオペレーターが通販・越境ECを活用することでインバウンド集客する事例が増えています。旅行会社・ランドオペレーターの通販・越境ECを活用した成功事例では、効果的にマーケティングを行えています。このページでは、旅行会社・ランドオペレーターのインバウンド対策やインバウンド集客における通販・越境ECの活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 旅行会社・ランドオペレーター×通販・越境EC事例その①:越境ECアプリに新機能、タビナカで中国語の説明表示を可能に
- 旅行会社・ランドオペレーター×通販・越境EC事例その②:日本旅行が「和食」ビジネスに資本参加、越境ECや海外向け試食サービスなどで連携へ
- 旅行会社・ランドオペレーター×通販・越境EC事例その③:JTB、日本の食を海外に販売する越境ECを開始 -産地への訪日旅行の誘客
旅行会社・ランドオペレーターの通販・越境ECによるインバウンド対策やインバウンド集客には、訪日中ではない外国人にもマーケティングできるというメリットがあります。インバウンド業界でよく用いられる用語の一つに「旅マエ・旅ナカ・旅アト」というものがあり、これはそれぞれ「訪日前・訪日中・訪日後」を表します。通販・越境ECは特に旅マエや旅アトの、日本にいないインバウンドにマーケティングをする手段として利用されています。たとえば、訪日中に気に入った食品がありこれを自分の国に帰っても食べたい、というインバウンドからのニーズがあった場合、その食品を取り扱うメーカーが越境ECサイトに出店していれば、外国人は自分の国でもその食品を手に入れられるということです。通販・越境ECを利用することで、旅アトにもマーケティングのチャンスを広げることができます。
ここでは、旅行会社・ランドオペレーターという業界・業種における通販・越境ECによるインバウンド対策事例を紹介していきます。
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「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「越境ECサイト制作」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロードする越境ECアプリに新機能、タビナカで中国語の説明表示を可能に
中国向け越境ECプラットフォーム「ワンドウ(豌豆)」を運営するインアゴーラは、訪日中国人向けインバウンド事業を拡大。越境ECアプリ「ワンドウ」に日本国内オンライン販売モードを追加し、来日後は自動的にモードが切り替わようにしたもの。日本でのタビナカ需要に応え、中国人がショッピングをしやすくしました。
訪日後に店頭で商品にバーコードをかざすと、価格や中国語の説明、動画、他のユーザーのレビューなどが確認できるほか、「日本国内オンライン販売モード」で商品を購入する際には、国際送料や税金の上乗せがない割安価格を提示します。さらに購入後は空港のABCカウンターまで配送され、移動中は荷物を持ち歩くことなく滞在できます。
第一号店舗として、東京・赤坂駅近くに「豌豆公主免税店」をオープンし、自然流入による入店には依存せず、日本在住中国人がプライベートガイドサービスを提供する企業と連携し、ガイドの案内の中で免税店に誘導する流れを作る方針です。今後は30~50店を目標に展開していく計画で、フリーペーパーでは、プライベートガイドのほか、Wi-Fiレンタル、国内ホテル、飲食店などと連携して中国人目線の充実したコンテンツの提供を考えていると言います。
日本旅行が「和食」ビジネスに資本参加、越境ECや海外向け試食サービスなどで連携へ
日本旅行は2016年7月28日、日本食に特化した越境ECサービス「和食エクスプローラー」を運営するゴハンスタンダードへの資本参加を発表しました。株式取得後の日本旅行の持ち株比率は3.4%。
今後は両社連携のもと、
- 日本各地の特産食品を扱う越境ECサービス「和食エクスプローラー」運営
- 食品の越境サンプリング事業「ワンバイトジャパン」運営
- 日本食特化の分散型メディアの運営
- インバウンド・フードツーリズム事業
の4つを軸に展開を進めていく計画です。
生産者から仕入れた食品を海外に販売する越境ECサービス「和食エクスプローラー」では、地方自治体からの紹介を強化すると同時に、外国人顧客獲得に向けてSNSなどでの展開を実施。越境サンプリングサービスでは、ネットを通じて海外消費者による試食を推進し、市場調査などのマーケティング活動につなげていく予定です。
また、8月頃には新たな取り組みとして郷土料理などに特化したレシピ動画制作を実施する予定。ここでも地方自治体と連携してSNSを通じた拡散を狙う方針です。さらにインバウンド・フードツーリズム事業では、食品生産地への旅行商品を造成・販売を実施。同時に、旅行者のタビナカ、タビアトに向けた商品販売も進めていくとのこと。
JTB、日本の食を海外に販売する越境ECを開始 -産地への訪日旅行の誘客
JTB西日本は2015年11月20日から、イオンダイレクトの越境ECサイトで日本の農林水産物を海外に向けて販売しています。JTBグループとして推進している「食農観光プラットフォーム構築」の一環として実施するもの。JTB西日本では、訪日観光客に対して魅力のある地域の産品であり、海外にアピールできる高品質の産品を発掘・プロデュースし、食を活用した地域振興ブランド「J’sAgri」商品として、イオンダイレクトの越境ECサイト「新鮮直送~Japan premium online shop~」で販売するほか、あわせて訪日観光客向けに産地での着地型旅行商品を造成。日本商品の海外輸出と訪日旅行の販売をセットにした新しい事業モデルとして、全国展開をする方針です。まずは香港向けに、京都府京丹後市の「白岩恒美農園」の梨を販売。苺やリンゴ、メロン、桃、ブドウなどと、通年で販売します。また、販売先の国・地域をシンガポールにも拡充する予定。
なお、JTBグループが推進する食農観光とは、日本の「食」「農」を「観光」に結び付け、本物の日本の魅力を伝えることで、交流人口の拡大と地域づくりへの貢献を目指す取り組みです。これを実現するため、食農観光の人材育成から商品開発・コーディネート、国内・海外の販売まで、一気通貫の体制基盤の構築を進めています。