前回の記事では、アパレル業界が訪日外国人観光客を集客するうえで、知っておくべき訪日外国人消費動向データをまとめてご紹介しました。今回は、このデータを参考に、実店舗でどのようなインバウンド対策に取り組めばいいのかに関して説明していきます。
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[①外国語対応] アパレル店舗において最大のターゲットである訪日中国人の7割が外国語対応を希望
訪日外国人観光客を相手に接客する場合、外国語対応 は必須の項目といえるでしょう。前回の記事でも取り上げたように、訪日旅行時に 「衣服類」の購入率(44.6%)と購入者単価(49,357円)が高い訪日中国人観光客 は特に外国語対応を必要としています。スペイン・マドリードに本社を置くIT企業Amadeusのアジア・オセアニア圏出身の海外旅行者に関する調査レポートによると、中国人の海外旅行客のうち 73%がショッピングをする際に、外国語対応スタッフが必要 であると感じています。アパレル業界にとってもっとも重要視すべきターゲットである中華圏出身の訪日外国人観光客を集客するうえで外国語対応ツールの導入は検討すべきものでしょう。国内でリリースされている外国語対応ツールは、中国語の通訳に対応しているものがほとんどであるため、時に訪日外国人観光客から詳細な商品に関する説明を求められるアパレル店舗の場合、特に役立つものになるでしょう。
また、訪日外国人観光客がお店に入りやすくなるといった理由から、店頭において 多言語表示 で訪日外国人観光客の来店を促す努力も必要です。店内にも、最低限度の外国語表記に取り組むと良いかもしれません。経済産業省では、店内のインバウンド向け外国語表記を促進するため「小売業の店内の多言語表示ガイドライン」を策定し無料で公表しています。こうした資料の活用も一つの手でしょう。また、商品に対するより詳細な外国語表記が必要な場合は、多言語表示サービスの導入も有効かもしえません。
そもそも訪日客は外国語対応を必要としてるの?母国語対応スタッフの需要
訪日外国人観光客を集客したいと考える全国の観光協会や宿泊施設、各種店舗にとって 「外国語対応」はもっとも大きな課題 です。これまでの訪日ラボの記事でも取り上げたように、こうした課題を解決するべく、国内では外国人観光客との接客時に役立つツールが多く開発されています。iliやメガホンヤク、指さし会話シートなどがその好例でしょう。では、実際にどこの国出身の訪日外国人観光客が外国語対応を必要としているのでしょうか。 Amadeusの資料をもとに紐解いていきます。インバウンド市場や各国の訪日外国人に...
接客時の外国語対応サービス、どれを使用すればいい?:これまで紹介してきたサービスをおさらい
観光庁の資料によると、訪日外国人観光客が旅行中に困ったこととして、「施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない(英語が通じない等)」との回答が2番目に多い数値となっており、訪日外国人観光客は日本の外国語対応に不満を持っていることが把握できます。こうした問題を解決するべく、国内では多くのインバウンド向け外国語対応サービスが存在しています。今回は、これまで訪日ラボの記事で紹介してきた接客時に役立つ外国語対応サービスをおさらい。インバウンド誘致を検討している店舗や観光施設・自治体に役立つかも...
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[②決済方法の拡充] 現金を持たない訪日中国人:WeChat Payment・Alipay・銀嶺(Union Pay)いずれかの導入が必要かも
決済機能の拡充 することによって、実店舗においてより多くのインバウンド消費を促すことができます。アパレル店舗においてもっとも大きなターゲットになってくる訪日中国人観光客の間では、オンライン決済が主流なものに なっています。中国で普及しているオンライン決済サービスの2台巨頭としてしられるのが、WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)とAlipay(アリペイ/支付宝) です。どちらのサービスもスマートフォン上に表示されたQRコードを読み込んで決済が完了します。英経済情報メディアFinanceFeedsによると、2016年時点でWeChat Paymentの月間アクティブユーザーは8億600万人、対して、Alipayは4億5,000万人となっており、WeChat Paymentの方が利用者が多い結果になっています。しかし、Alipayも近年、中国を中心として急速にユーザー数を獲得しているオンライン決済であるため、双方の導入がベストかもしれません。
また、中国の元祖決済サービスともいわれる 銀聯カード(Union Pay) は、発行枚数が45億枚以上ともいわれる中国でもっとも広く利用されているデビットカードです。先ほどのWeChat PaymentやAlipayとは違い、銀聯カード(Union Pay)は、決済時に特別な機器を必要としない ため、比較的楽に導入できます。 アパレル業界内では、ユニクロにて銀聯カード(Union Pay)決済の導入がすでに行われています。
取引額153兆円の中国電子決済サービスとは:Alipay、WeChat Payの2大巨頭
中国では驚異的な速さで電子マネーが普及しています。その中でもAlipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)という2つの電子決済サービスが市場争いを繰り広げています。ネット通販から始まった決済サービスが実店舗へも広がり、取引額はおよそ日本の30倍以上。今回は、現在中国で支払いのスタンダードとなりつつある電子決済サービスについてご紹介します。関連記事Alipay(アリペイ・支付宝)とはQR決済WeChat PayとはAlipayとWeChat Payのシェア(2019年)Alipay...
まさに三国志状態 中国3大決済サービスWeChat Payment、Alipay、銀聯カードの日本でのシェア争い始まる
国内で巨大な市場になっている「インバウンド市場」企業・店舗が訪日外国人観光客を集客、もしくは誘致する際に、大きなターゲットになってくるのは「爆買い」とのキーワードでも知られる訪日中国人観光客。「爆買い」は失速したとの情報も耳に入りますが、観光庁による2016年のインバウンド消費額における内訳を確認してみると、訪日中国人観光客によるインバウンド消費は、ダントツの1位である1兆4,754億円を記録しており、2位が訪日台湾人観光客、4位が訪日香港人観光客であることを加味すると、中国語圏からの訪日...
[③免税制度の導入] 衣服類に対する免税実施率は20%と比較的高い数字に:免税制度拡大により2018年は消費拡大も見込まれる
以前の記事でもご紹介したように、衣服類を購入した訪日中国人観光客は全体のうち 37.2% でした。そのうち、20.0%が免税手続きを行っており、 この数値は他の費目に対する免税実施率と比べると比較的高い数値です。アパレル店舗にて免税対応を実施することで、より多くの訪日中国人観光客の集客が期待できるでしょう。
また、追い風を与えるように、2017年11月15日、観光庁は訪日外国人観光客を対象とした 消費税の免税制度を拡大することを発表 しました。複雑な免税制度を簡素化し、免税店の増加、さらなるインバウンド消費を後押していくことが目的です。これにより以前であれば、消耗品・一般物品それぞれに対して5,000円以上の購入に対して免税が適用されましたが、2018年からは消耗品・一般物品あわせて5,000円以上購入すれば免税制度が適応されるようになります。衣服類に対しても免税制度の拡大は適応されるため、2018年はアパレル店舗にてインバウンド消費が増加する ことが見込まれます。
今さら聞けない「免税」とは?インバウンド担当者が知っておきたい訪日外国人消費に関わる税金まとめ
最近のインバウンド関連ニュースで「免税」というキーワードをよく目にします。読者の方にも海外旅行や海外出張をする時に空港の免税店でのお買い物を楽しみの一つにしている方が多いのではないでしょうか。 先日のニュースで、観光庁が、訪日外国人観光客が酒造やワイナリーなどで日本で製造された酒類を購入した場合、酒税を免除する制度を2017年度税制改正要望に盛り込む方針を固めた、との報道がありました。そもそも、「免税」とは「税金を免除すること」の総称であり、この場合の酒税の免除も「免税」と言えます。...
免税制度改正
2018年度に、 訪日外国人を対象とした消費税の免税制度が拡大されました。政府は2020年に訪日外国人4,000万人、消費額8兆円という政府目標を達成するために煩雑な免税制度を簡素化し、免税店の増加、さらなる訪日客の消費の後押しを狙っています。ここでは、訪日客の消費トレンドなどの免税制度改正の背景を紹介し、今までの免税制度と今後の免税制度の違いを徹底解説します。また、政府主導の免税制度の周知についてだけでなく、直接訪日客と接する免税店の様々な取り組みについても紹介します。インバウンド対策な...
[④ウェブ上の情報配信] 店舗のウェブサイトの多言語化・インフルエンサーの活用など
アパレル店舗が旅マエの訪日外国人観光客のアプローチする方法としてまず挙げられるものが、ウェブサイトの多言語化 です。店舗のウェブサイトを多言語することで店舗の場所や営業時間、商品の価格や詳細説明、ブランドのコンセプトなどの情報を配信することができます。
また、インフルエンサーの活用 も一つの手でしょう。インフルエンサーとは、ブログやSNSなどで多くのフォロワーを獲得するなどして、ネット上で大きな影響力を持つ人たちのことを指します。近年では、観光協会から鉄道会社、飲食業界や美容業界などあらゆる業界において、インフルエンサーを利用したマーケティングが主流になってきています。特にアパレル業界では、ウェブ上で情報配信する際に自社のブランドの商品を人気のある人に着用してもらい、写真や動画を通じてPRする必要があるため、インフルエンサーの存在はより大きなものになっています。アパレル業界にとって大きなターゲットである中華圏出身の訪日外国人観光客は、SNSの利用率が高い ことでも知られるので、ウェブ上でアプローチするのであれば、中華圏で知名度のあるインフルエンサーを活用 してみるのも良いかもしれません。
WEB・メディア活用のインバウンド事例集
スマートフォンの普及により、以前よりも多くの人が気軽にインターネットを利用できるようになりました。いまやプロモーションとWEB・メディアは切っても切り離せません。多くの人に効率的にプロモーションを行うには、WEB・メディアを上手に活用することが必要です。インバウンドにおいても、WEB・メディアの活用はとても重要です。多くの外国人観光客が、訪日前に日本の情報を手に入れるためにWEB・メディアを利用しています。このページでは、各業種における、WEB・メディアを活用したインバウンド対策に関する事...
インフルエンサーを呼んで満足していませんか?何故インバウンドの集客対策にSNS、特にFacebookを活用するべきなのか?
皆様こんにちは!株式会社ビヨンドの道越(みちごえ)です。最近のインバウンドの盛り上がりもあり、色々な地方自治体の観光担当者様や企業の担当者様とお話をさせていただく機会があります。その中で、SNSの活用の意味やメリットをもっとお伝えしたいな、と強く思うことが多くあります。そのため、本日は、インバウンド集客・PR対策で、何故SNSを活用するべきなのか、また、その中で何故Facebookが重要なのか についてお話ししていきたいと思います。株式会社ビヨンドのインバウンドソリューション資料を無料でダ...
[⑤越境ECの活用] 旅アトの訪日客へのアプローチ 帰国後も商品を売り込む体制づくりを
越境ECにて、旅アトも自社の商品を購入してもらえる仕組みを作る ことも重要なインバウンド対策の1つです。実店舗に無料Wi-Fiスポットを設置し、訪日外国人観光客に利用時にメールアドレスや国籍、年齢、性別、服に関する趣味嗜好などの個人情報を登録してもらうことで、お店を出た後も継続的に店舗やブランドに関する情報をオンラインで発信することができます。
こうした施策はのちに自国にてオンラインで日本の商品を購入する「越境EC」を促すことにもつながります。日本貿易振興機構(ジェトロ)が中国人に対して行った日本をはじめとする各国の海外旅行、越境ECなどへの関心についてのアンケート調査によると、中国人のうち 67.7%が越境ECにて日本製品を購入 しており、「訪日旅行をしたときに購入して気に入ったから」 との理由で越境ECにて日本の商品を購入した中国人の割合は、全体の40.4% を占めました。旅ナカで訪日中国人観光客を集客し、旅アトも継続的に情報を配信することにより、オンライン上でも商品の購入を期待することができるでしょう。
いま中国人が最も旅行したい国「日本」史上初の1位に!インバウンド需要の高まりは越境ECにも好影響 これからの中国市場は越境ECにも要注目
現在の日本のインバウンド市場のターゲットは、旅行支出が高くディープな体験を求める欧米圏や人口増加が激しいムスリム圏、経済成長が著しい東南アジア圏にまで広がっています。かつて「爆買い」と呼ばれた訪日中国人観光客の大量消費活動は落ち着きを見せ、現在中国人市場は下火ともいわれますが訪日外客数、インバウンド消費額ともに、依然大きなパイを占めており、日本のインバウンド市場にとって無視できない存在 であることは間違いありません。そんな訪日中国人市場に追い風を与える調査結果が日本貿易振興機構(ジェトロ)...
越境ECの舞台となる中国 そのEC事情の今
日本国内でも成長が続く電子商取引(eコマース:EC)ですが、その勢いが止まらないのがお隣中国のEC市場。中国のEC市場は3年前に米国を抜いて世界一位となりました。2015年には6300億ドル(約75兆6000億円)に達し、間もなく100兆円、数年後には200兆円規模に達するだろうと言われています。この爆発的な成長に目をつけ、越境ECに力を入れている企業も増えてきました。中国の小売市場におけるEC比率は約20%にまで達しており、中国の消費者にとって「ネットで商品を購入する」という行為が一般化...
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<参照>
- FinanceFeeds:AliPay Vs WeChat Pay vs UnionPay – Important research
- 博報堂:アジア14都市生活者のスマートフォンの保有とeコマースの利用
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短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
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【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
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