日本でもカジノ上陸が刻一刻と近づいています。カジノを含む統合型リゾート(IR)を整備するための法律「特定複合観光施設区域整備法(IR整備法、IR実施法)」が2018年7月に成立しました。
2020年現在、九州から北海道まで全国各地が候補地として名乗りを上げています。最大3か所に開業される施設はインバウンド需要も喚起するものとして期待されています。
ところが、IRの開業を待たずとも、日本の国内にはすでに大きなギャンブルツーリズムが存在しています。パチンコ・ツーリズムです。
訪日外国人によるパチンコ・ツーリズムへのニーズは日々顕在化しており、外国人対応のパチンコホールの盛況が伝えられています。欧米の旅行専門情報サイトでもパチンコは「やってみるべき体験」リストの上位に位置付けられています。
パチンコ業界がどうやって訪日外国人へのアピールを強め、実際に顧客満足度を上げているのかをまとめました。
関連記事
日本のIR(統合型リゾート)はどうなる?
IR(統合型リゾート)とは
日本でも五輪需要に向け整備進む IR(統合型リゾート)推進法:カジノ、公営賭博、パチンコ店のインバウンド対応ってどうなってるの?
海外では、観光客が立ち寄る場所として一般的な施設という印象が強い カジノに代表される賭博施設 ですが、日本では現時点でこうした合法カジノはありません。その代わりに海外にはない 公営競技という名称で呼ばれる公営賭博 、そして 風営法のもとで遊技とされるパチンコ が存在します。こうした カジノ、公営賭博、パチンコとインバウンドの関係 はどうなっているのでしょうか。インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする「翻訳・多言語化」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料...
インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる
- 「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる
- 「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる
- 「多言語化表示サービス」を資料で詳しくみてみる
- 「テレビ電話型通訳サービス」を資料で詳しくみてみる
- 「訪日外国人向け道案内」を資料で詳しくみてみる
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
パチンコ業界はサブカルチャー経由でファン獲得/アニメ・マンガ・J-pop
なぜ外国人がパチンコを知っているの?という疑問に答えるのが、アニメ・マンガ・J-popなどのコンテンツ産業とタッグを組んだ日本独自のパチンコ文化です。
もともと日本のパチンコは玉を打つ台に流行りのコンテンツを搭載してきました。これが外国人にウケているのです。
莫大な市場規模になりつつあるアニメツーリズム 中には22億円を稼ぎ出す自治体も:インバウンド誘致のキラーコンテンツはやっぱりアニメ?
2016年に行われたリオオリンピック・パラリンピックの閉会式にて、安倍首相が東京オリンピック・パラリンピックのPRを兼ねて世界的に知名度の高い任天堂のキャラクターである「マリオ」に扮して登場したことが世界中のメディアに取り上げられ話題になったように、 日本の魅力を語るうえでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーは欠かすことのできない存在 です。では、実際に日本を訪れた外国人観光客にとってアニメやマンガなどのクールジャパンコンテンツはどのように捉えられているのでしょうか。日本政策投資銀行の...
パチンコ業界大手で、全国300店舗以上のパチンコホールを経営する株式会社マルハンは北米でのプロモーション活動に力を入れています。
その活動の場は北米最大のアニメイベント・ロサンゼルスで毎年開かれる『ANIME EXPO 2017(アニメエキスポ2017)』です。
『ANIME EXPO(アニメエキスポ)』には「パチンコ・パチスロブース」があり、そこでは多くの外国人がパチンコを体験する姿が見られました。
日本のパチンコは本場のカジノのスロットに慣れたアメリカ人にとっても光・サウンド・ギミックの複雑さからハマるコンテンツのようです。
「日本に行ったらパチンコ・パチスロをやってみたいか?」とのアンケートには、なんと9割以上が「はい」と答えています。
100万人の訪日客が「聖地巡礼」を実施…「クール・ジャパン」はインバウンド地方誘致・地方創生の切り札となるか?全国の地方自治体が取り組む漫画
より多くの訪日外国人観光客を誘致するために、地域の観光資源を発掘し海外に発信している日本国内の自治体が数多く存在 しています。観光資源といってもさまざまですが、最近では漫画やアニメの舞台となった地域の自治体が、そのマンガやアニメのファンの「聖地巡礼」を促すなど、日本が世界に誇ることができるソフトパワーである「漫画・アニメ」を活用したインバウンド地方誘致・地方活性化が注目を集めています。 埼玉県秩父郡横瀬町でも同様の取り組みを行っています。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバ...
「パチンコはOTT!」海外の旅行情報サイトやブロガーも日本のパチンコ体験に注目
海外の旅行情報サイトやブロガーも日本のパチンコに注目しています。
パチンコホールのいわゆる「チンジャラ」という出玉の音や大音響のBGM、目くるめく光や動画・ギミックの効果は外国人にとって異次元体験のようです。
このサイト「contentedtraveller.com」にはパチンコを体験した外国人が残したコメントもあります。
「OTT」という文言ですが、これを日本語に訳すと「Over The Top=ぶっ飛んだ体験・常軌を逸したすごいもの」の意味になります。まさに外国人にとっては自国には存在しない体験のようです。
[地方誘致]仙台市が欧米豪の誘致に成功した たった1つの理由とは?欧米豪インバウンド 狙うなら「体験型観光」に着目するべき!
インバウンド市場において企業や自治体のターゲットは多様化してきています。以前であればアジア圏出身の訪日外国人観光客がもっとも大きなターゲットでしたが、近年では 欧米豪圏・東南アジア圏出身の訪日外国人観光客を狙う企業や自治体も増加 しています。こうした層の訪日外国人観光客を誘致する方法は多岐にわたりますが、宮城県仙台市では 「体験型観光」 をアピールすることで欧米豪圏の訪日外国人観光客の誘致に成功しているようです。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプ...
進むパチンコホールの訪日外国人受入れと多言語対応
こうした動きを受け、パチンコ業界でも訪日外国人観光客の受入れと多言語対応が進んでいます。
前述のマルハンでは2015年からインバウンド対応型店舗「マルハン新宿東宝ビル店」(東京都)をオープン、その後も次々に「マルハンなんば新館」「マルハンなんば本館(大阪府)」「マルハン新世界店」などでインバウンド対応(電話通訳サービスや・まんがで分かる遊技ガイドブック設置)が進んでいます。
また、訪日外国人の多い福岡や沖縄のパチンコ業界でも多言語対応が進んでいるようです。
日本独特の観光資源パチンコは「コト消費」の成功事例を作るか
訪日外国人が増えるに従いお金を使わないコト消費のための海外情報も増えつつあります。
「オトクに日本を旅する」「日本で無料の体験をする」といった情報です。日本は全般に無料サービスが多く・使い勝手も良いため、こういった情報で多くのコト消費を失っているともいえます。
パチンコ・ツーリズムはコト消費の中でも確実に消費金額を増やしてもらえる体験の一つです。これはインバウンド業界において貴重な観光資源です。パチンコ産業には日本のコンテンツ産業との連携があるため、経済波及効果が大きくなるという点も見逃せません。
既に津々浦々にあるパチンコホールがインバウンド産業化する可能性を持っていることは覚えておきたいものです。
関連記事
コト消費とモノ消費
日本をオトクに旅する節約術(1)
日本をオトクに旅する節約術(2)
<参考>
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!