【韓国の反応】なぜ反日"自己"批判本『反日種族主義』は韓国でベストセラーとなったのか:口コミから分析

【韓国の反応】なぜ反日"自己"批判本『反日種族主義』は韓国でベストセラーとなったのか:口コミから分析

日韓関係が冷え込む中、反日であることに対しての批判を書いた『反日種族主義』という本が韓国でベストセラーとなっています。

8月7日から13日まで韓国の書店・ネット通販の総合ランキングで1位を獲得し話題になっています。

※韓国語訳は訪日ラボ編集部作成

『反日種族主義』は自国の未熟な精神を批判?

『反日種族主義』は、韓国社会の反日要素やその感情についてを批判・否定した本で、ソウル大学名誉教授のイ・ヨンフン氏ら6人が共著しています。

「強制徴用はなかった」「日本軍慰安婦は性奴隷ではなかった」などといった内容が書かれており、歴史問題に関する今までの「誤解」に基づいた反日感情は未発達な精神文化の表れであり、これを克服することで韓国社会が発展する、といった旨が主張されています。

8月16日には著者の一人である韓国・落星台経済研究所の研究員のイ・ウヨン氏が「BSフジ プライムニュース」に出演しました。

同氏は同番組内で反日種族という言葉について、「事実と異なった主張をする背景というのが反日種族主義。日本を絶対悪と見て、朝鮮を絶対善とする見方によるものなんです」と説明しました。

反日種族と呼ぶ3つの理由とは

イ氏は「種族主義」は前近代的だとしていて、3つの理由を挙げています。

1つ目は「観念的な性格」です。今の韓国社会では日本が悪であるということを思い込みレベルで作り上げており、具体的な内容はなくとも観念的に絶対善の韓国は絶対悪の日本に何をしてもいいと思っているという考えです。

2つ目は「非科学的な性格」です。事実ではないことを感情的に主張してしまうことです。例として慰安婦問題を挙げ、支援者たちが「20万人の少女を連行した」という主張を合理的・理性的な思考を伴わずにしてしまうことを指しています。

3つ目は「歪んで偏った現実認識」です。韓国は日本を下に見る一方で、アメリカや中国を迎え入れる姿勢を見せており、国としてのバランス感覚が喪失していると指摘しています。

これら3つの前近代的な考えが、日本悪や反日感情を強める一因になっているとしています。

年内に日本国内での出版も検討中

『反日種族主義』を出版した出版社「未来社」のコ・ヨンレ代表は、同書について「近いうちに10万部を超えると言われている」と述べています。

▲韓国ネット書店「Yes24」の口コミ評価では10点満点中7.7の高評価がついている:yes24.comよりキャプチャ
▲韓国ネット書店「Yes24」の口コミ評価では10点満点中7.7の高評価がついている:yes24.comよりキャプチャ


また、日本での日本語版出版についても現在文藝春秋と協議を進行中であるとの情報を明らかにしています。

『反日種族主義』はもともと、李承晩学堂で行われたオンライン映像講義を本としてまとめたものですが、映像が制作された当時から日本語字幕がついていました。李承晩学堂の関係者によると、「講義映像は韓国人より日本人の反応の方が熱かった。これを受け韓国での出版が決定する前から日本語版の出版が検討されており、年内に出版しようとしている」と話しました。

日韓関係の報道が絶えないこの数か月ですが、このタイミングでベストセラーとなったことを考えると、日本国内で日本語版が出版される可能性もかなり高いでしょう。

なぜ親日本がベストセラーに?

イ氏は同番組内で『反日種族主義』がベストセラーになっている理由について次のような見解を述べました。

「現政権は、国交正常化以降もっとも反日的な政府ですよね。そこで私たちが見逃してはいけないことは、反日に反対する新しい流れが出てきたことなんです。韓国の歴史上初めてのことだと思います。それを明確に表しているのがこの本なんです。売れていること自体がそういう勢力の台頭を意味しています。韓国人全員が反日しているのかというと違うんです。反日デモ、反日の日本商品不買運動だけを見ると韓国の本当の姿は見えてこない。」

また、日韓の今後の進展については「韓国の反日的教育から脱することが必要だ。日本を絶対悪とみなす観念的な虚像を作り上げ、敵対視している」と述べています。

韓国人の反応は?

実際に韓国の人たちは『反日種族主義』についてどう考えているのでしょうか?TwitterやNaverブログの反応を集めてみました。

訳 : 反日種族主義。ベストセラー。韓国が発展するために必要なことがたくさん書いてあります。

訳 : イヨンフンが書いた『反日種族主義』という本を皆で買って燃やしたい。独立運動家は本の販売を拒否しなければいけないんじゃなかったか?ゴミにもならない本がベストセラーだなんて腹が立つ。

訳 : イヨンフンのは朝鮮人一世 『反日種族主義』の本の開始から嘘の国・嘘を言う国民だと言い、自分はソウル大名誉教授だと嘘をつき、独立運動家の子孫だという嘘までついて(笑)そんなだからこの本は韓国人の名前より日本人の名前で出版した方が真実に近かったと言えるだろう

訳 : 図書館で『反日種族主義』予約申請しなきゃ

訳 : 『反日種族主義』という雑文を書いたイヨンフンに一言言いたい。あなたの目には日本がどのように映っているのだろうか?私が見るに「嫌韓種族主義」で全社会がうねっているように見えるんだけど。

訳 : 10年間家出本を読むことが一度もなかったし買ったこともなかったのに本を買ってきた。『反日種族主義』! うわ、イヨンフンすごいね。最近の太極旗たちにこの本を買えと命じたいくらいだ。


▲NAVERブログより一部抜粋

訳 : 一度まず憂鬱な気持ちになりました。次にはアイデンティティに混乱が起きた気がしました。そのアイデンティティというのも、韓国人という民族主義的観点に基づくものというより、シャーマニズムに基づいたもののような…?

もしこれらのトピックに詳しい方がいらっしゃれば説明を聞きたいほどです。納得のいく部分も、厄介に感じる部分もありました。論争に関わらず、一度読んでみることをおすすめしたいと思います。

ベストセラー背景、全員が反日ではない

実際にTwitterなどを見ていると、この時期に韓国に旅行に行っている日本人からは、「日本人と聞いてサービスをしてくれた」「人の親切に触れて楽しい旅行が出来た」などという意見も多く見られます。

また、韓国のメディアは一連の報道主語を「日本政府は」と表現しています。韓国の政治と文化の交流は別のものであるといった意識が明確に表れていると言えるでしょう。

このような時期に、韓国で「反日否定」の本が1位のベストセラーになっているという事実を踏まえると、すべての韓国人が反日的な考えを持っているわけではない、もしくは政治と文化は切り離して考えている、と見ることができそうです。

日韓関係の冷え込みは様々に報道されていますが、こうした事態は一概に両国の互いに対する悪感情を増大させているわけではなく、まだまだ冷静な意見も多く存在していると言えるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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