中国人が殺到!中部国際空港のセブンイレブンで1時間待ってでも買いたいものとは?

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日本を訪れる外国人観光客は、年々増加しています。これまでそんなに目につかなかったような場所でも旅行者と思しき外国人の姿が見られます。

愛知県常滑市にある中部国際空港セントレアの近くにはコンビニがあります。一見普通のコンビニですが、実はある国からの外国人観光客が押し寄せています。

この記事では、中部国際空港セントレア付近のコンビニに中国人客が殺到している理由と、同空港が実施する訪日中国人向けインバウンド対策について解説します。

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中国人が大行列のセブンイレブン、中国語スタッフ常駐

中国人に大人気のセブンイレブンは、中部国際空港セントレア近くのホテル『東横INN中部国際空港1』の一角にあります。

レジ待ち1時間も!?空港近くのコンビニ、お客はほぼ中国人

『東横INN中部国際空港1』と『東横INN中部国際空港2』は空港から程近い所に位置するホテルです。

ビジネスマンだけでなく、空港を利用する中国人グループ客などにも多く利用されています。周辺宿泊施設の中で宿泊費が比較的安価であること、空港への距離の近さが人気の理由だと言えます。

そんなホテルの中に唯一あるコンビニエンスストア、セブンイレブンは中国人客で大盛況を見せています。

時間帯にもよりますが、店内はほとんど中国人客で埋め尽くされ、レジには1時間待つ程長い列が出来ていることもあります。

このセブンイレブンを実際に利用した日本人客は、

「利用する中国人客は家族連れや若い女性が多く、皆かごに商品を大量に入れてレジに並んでいます。特に日本のスナック菓子やお弁当・おにぎりなどの食品類、さらには化粧品などが人気のようでした。」

と話します。

目的の商品は意外にも日常的なアイテムのようです。訪日旅行中の中国人には、コンビニで販売されているものですら魅力的に映るのかもしれません。

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店側のインバウンド対応:店長はコンビニ仕事で中国語習得

このような訪日中国人に対し、店側もきっちりと対応をしています。

一つ目に、品揃えや陳列方法です。このセブンイレブンでは普通のコンビニエンスストアに比べてかなりインバウンドを意識した工夫が見られます。商品名や案内など店のあらゆる所に中国語表記を設けたり、人気のある化粧品はドラッグストアのように豊富に並べられていたりします。

二つ目に、免税専用レジが設置されていることです。外国人観光客がわざわざ他の場所で手続きをする手間が省けるようになっています。

三つ目に、多言語対応です。訪日中国人に対し、中国語が堪能なスタッフを配置して案内ができるようにしています。店長は、このコンビニエンスストアの仕事を通じて中国語を習得したようです。

そして最後に、スタッフの接客態度です。外国人客が押し寄せ、大変な賑わいを見せる店内でも常に落ち着いて客を誘導し、丁寧な態度で接客をされていると日本人客からも口コミで高い評価を得ています。

このように、訪日中国人客の増加に対し様々な工夫をして、インバウンド対策に成功しています。

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中部国際空港セントレアを利用する中国人の数は?なぜ多い?

中部国際空港セントレア近くのセブンイレブンを訪れる訪日中国人は、当然、中部国際空港セントレアを利用しています。

なぜ、中部国際空港セントレアは訪日中国人に人気があるのでしょうか。

インバウンド145万人のうち59万人=約40%が訪日中国人!

中部国際空港セントレアは、愛知県常滑市にある国際空港です。

2018年には約145万人の訪日外国人が中部国際空港セントレアを利用して入国しており、日本の全空港・港湾の中で 6位の入国者数です。また、出国者数は 1,375,707人で同じく国内 6位となっています。

同空港を最も利用した訪日外国人は出入国ともに訪日中国人で、入国が59万4,444人、出国が59万2,070人です。中部国際空港セントレアから入国および出国する人のうち、40%以上が中国人ということになります。

中部国際空港セントレアを利用した訪日外国人の 2位は、出入国ともに訪日台湾人で入国が18万181人、出国が17万3,667人と、どちらも1位の中国と大きく差があります。続く 3位は出入国ともに訪日韓国人となっています。

さらに、訪日中国人が利用した日本の空港では、1位関空、2位成田、3位羽田に次ぐ4位に中部国際空港セントレアが入っています。

これらのデータから、中部国際空港セントレアを利用する訪日中国人の数は非常に多く、訪日外国人の国別で見ても他の国より群を抜いて訪日中国人の利用者数が多いということが分かります。

中部空港(セントレア)の出入国外国人数

中部空港 (ちゅうぶくうこう、正式名称:中部国際空港)は、愛知県常滑市にある国際空港です。愛称はセントレア。2019年は 1,776,454人 の訪日外国人が中部空港で入国しており、全空港・港湾中 5位 の入国者数です。また、出国者数は 1,667,574人 の 6位 となっています。

地理的要因:ゴールデンルートの通過点

訪日中国人が中部国際空港セントレアを利用する要因のひとつとして、愛知県がゴールデンルートの通過点に位置することが挙げられます。

ゴールデンルートとは、外国人が日本を旅行する際に定番とするルートのことを言います。東京・箱根・富士山・名古屋・京都・大阪という日本の人気5都市を周遊するルートのことです。

成田空港から入国し東京周辺を巡ってから、箱根、富士山、名古屋等を経由し関西を観光し、関西国際空港から帰国するという、およそ5日〜10日程度の旅程が一般的です。関西から関東に向かう逆のルートもあります。

中部国際空港セントレアは、ゴールデンルートの通過点・名古屋にアクセスが良く、東京や関西から飛行機を使って名古屋に移動する際には便利な立地と言えます。

そのため、ゴールデンルートの途中で名古屋に立ち寄る際に、中部国際空港セントレアを利用する訪日中国人も多いのかもしれません。

ゴールデンルート インバウンド用語集

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地方の空港ランキング世界一!中部国際空港のインバウンド対策とは?

中部国際空港セントレアは、世界の空港ランキングにおいてその規模に比べて上位にランクインしています。また、これまで述べたように訪日中国人の誘致に大いに成功していると言えます。

以下では、中部国際空港セントレアが高い評価を受ける要因と訪日中国人に向けたインバウンド対策について解説します。

世界全体ランキングでも6位

英国SKYTRAX社(スカイトラックス)が世界各国 550以上の空港を対象に満足度調査を行い発表する「The World's Best Regional Airport(首都圏以外の空港)」で、中部国際空港セントレアは5年連続 1位を獲得しています。

また、同社の「The World's Top10 Airports 2019」では 6位を獲得し、日本だけで見ると世界 2位の羽田空港に次ぐ2番目となっています。

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訪日中国人向けインバウンド対策が充実:多言語・キャッシュレス・SNS

中部国際空港セントレアでは、出入国する外国人の40%を占める中国人観光客に向けて様々な取り組みを実施し、好評を博しています。

中部国際空港セントレアは早くから中国語スタッフの積極採用を開始し、2016年には買い物好きな中国人観光客のために免税品予約サイトの中国語対応を開始しました。

2017年からはAlipay」と「WeChat Pay」の取り扱いを開始し、買い物客の満足度向上につなげました。

また同年には、中国で最大の小売り商戦日である「ダブルイレブン(11月11日 独身の日)」に中国へ向かう便の利用客を対象に、特別キャンペーンを行いました。このキャンペーンは中部国際空港セントレアと中部地域の認知度向上を目的としており、オリジナル記念品のプレゼントや免税店の購入者への特典などが実施されました。

さらに、2017年に中部国際空港セントレアはWeChatの公式アカウントを開設し、中国本土の利用客に対してもお得情報やキャンペーン情報、地域の魅力情報などを発信できるようにしました。訪日後の情報配信も可能になるため、再来日を促したり、フォロワーの口コミ拡散によるさらなる新規利用者獲得を目指しています。

このように、中部国際空港セントレアでは早くから訪日中国人を対象としたサービスの充実やSNSでの情報発信などのインバウンド対策に積極的に取り組んできました。こうした取り組みは実際に利用者から高い評価を受けているようです。

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中部国際空港は、地理的要因と適切な施策で中国人観光客の誘致に成功

中部国際空港セントレアは、日本旅行の定番ルート・ゴールデンルートの通過点に位置するという地理的アドバンテージと、早くからターゲットを絞った適切なインバウンド対策で訪日中国人の誘致に成功しているようです。

また、はじめに挙げた中部国際空港セントレア近くのコンビニの例からもわかる通り、多くの観光客が利用する空港などの主要施設の近隣地域でもインバウンド対応の需要は高まっており、適切に対応できている事業者も多く見られます。

これからは、今回紹介したような有効なインバウンド対策の成功事例からの学びを活かし、年々増加するインバウンドにしっかりと対応していく必要があるでしょう。

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2023年年間の訪日外客数は2,500万人を突破。外国人消費額は5兆円で、過去最高額となっています。また、2024年1月の訪日外客数が268万8100人となり、2019年1月(268万9339人)とほぼ同数となったと発表され、今後さらなる伸びが見込まれます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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