フランスと日本の関係や違いは?両国のインバウンド事情を比較・年間8,690万人が訪れるフランスのインバウンド施策・日仏友好160周年

公開日:2019年11月20日

日仏関係が結ばれて160年が経過し、日本文化を発信するジャパンエキスポが今やフランスで毎年開催されています。

日本独自のアニメやマンガ、伝統音楽などに興味を持つフランス人も見受けられるようになり、毎年の訪日フランス人の数も増加傾向にあります。

世界一の観光客数であるフランスはどのようなインバウンド対策をしているのか、また訪日フランス人は日本の何に興味を持っているのかについて詳しく見ていきます。

世界最大の観光立国フランス : インバウンド対策は?

2018年に国連世界観光機関(UNWTO)が出した世界各国・地域への外国人訪問者数によると、フランスは1位で8,691万8,000人でした。

日本は11位で、1位のフランスに見習うべき対策があるかもしれません。

フランスはインバウンド対策としてどのようなことに力を入れているのでしょうか。 フランスの実施する3つの取り組みについて紹介します。

ビザなしでも48時間の滞在が可能

フランスでは2020年に1億人の観光客の誘致を目指しており、目標実現のため2017年よりASEAN5ヵ国やロシアなどフランスへの観光客の多い国10か国に、48時間有効の簡易ビザを発行しています。

また短期滞在ビザが必要だったインドネシア、インド出身の外国人観光客に対しては、2017年11月からはビザなしでも48時間フランスに滞在することが可能になりました。

パリと最寄りの空港を結ぶ高速道路の整備

フランスの入り口となる、シャルルドゴール空港とオルリー空港からパリ市街地までを通る高速道路が整備されています。

道路をきれいに保ち、緑化することで観光客の移動時の利便性が向上しました。

免税手続きの簡略化

通常免税の手続きは免税カウンターでする必要がありますが、フランスでは空港設置の「Pablo」という端末を使って簡単に済ますことができます。

この端末は、免税カウンター付近に設置されていることが多く、カウンターに人がたくさんいる時など時間の短縮に繋がります。
その手続き方法は、以下の通りです。

  • 言語選択をする
  • お店で発行された輸出販売明細書のバーコードを機械にかざす
  • 機械が情報を読み取り、承認されれば手続きが完了

もし認証されなければカウンターに行く必要がありますが、時間のないときなどに端末のみで手続きできるのは観光客の利便性に繋がります。

フランスの親日度は?

    JNTOによると2018年に日本を訪れたフランス人は30万4,896人です。距離が遠いことやLCCが遠距離路線には進出しにくいことで中国、台湾、韓国などに比べると旅客数は少ないですが、フランス人の観光客は増加傾向にあります。

    フランス人は日本文化に興味を持つことが多く、フランスでは様々な日本を感じられるイベントが開催されています。

    日仏友好160周年 : ジャポニズム

    ジャポニズムとは19世紀にヨーロッパで流行した日本趣味を指す言葉であるように、その当時から現在までフランスで日本文化というのは、高い評価を受けています。

    2018年に日仏の友好は160年となり、その記念としてジャポニズム2018が開催されることとなりました。

    ジャポニズム2018はフランスと連携した日本文化の祭典のことで、アニメや漫画、初音ミクなどの日本文化を中心に、食や祭りをテーマとした国際イベントです。

    その期間は8か月と長く、パリを中心としたフランス全土で盛大に開かれ、パリ人口が220万人のところ、353万2,978人の来場者を記録し、大きな反響のあったイベントとなりました。

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    毎年パリで開催されるジャパンエキスポは、マンガ、ビデオゲーム、伝統音楽からJ-POPまで幅広いジャンルの日本文化を披露しています。音楽であれば、日本の音楽をただ流すだけではなく、実際に活躍するアーティストやミュージシャンがステージでパフォーマンスを行います。

    ビデオゲームのブースでは自由にゲームを体験することができ、人気のコスプレイベントも開催されています。

    2018年は4日間開催(7月5日~8日)で24万3864人の来場者数となり、日本文化が海外に人気であることが分かります。日仏友好160周年には、友好をテーマとした和太鼓×三味線などのライブの開催もありました。

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    日本文化に惹かれる人が多い

    フランスに行くと歴史的建造物がたくさん見受けられ、有名な画家や建築家を多く生み出してきたフランス人の誇りや、愛国心を感じる場面も少なくありません。

    自国の文化をとても大切にする国だからこそ、自国とは異なる日本文化を魅力的に感じる人が多いと考えられます。

    アニメやマンガ、コスプレなど、日本人よりもそれらに詳しいフランス人も多く、いまやフランスにおいて日本文化を知る機会は多いといえます。 

    日本がフランス人観光客にできるインバウンド対策は?

    近年、フランス人訪日旅客数は少しずつではありますが増え続けています。

    訪日が多い月は4月・7月・10月で、モノを買うよりも宿泊費やサービス費にお金を使う傾向にあります。

    何を目的に訪日するのか知っておくことで、フランス人の更なる集客に役立てることができます。

    日本文化体験の増進

    訪日外国人消費動向調査によると、フランス人の「訪日前に最も期待していたこと」と「次回したいこと」として、「日本の日常生活体験」との回答がそれぞれ10.8%と43.3%であり、全市場で最も大きな割合を占めています。

    フランス人の多くは、地元の人や日常生活に触れる機会を求めています。

    例えば、民泊などの地域の人と触れ合えるような場所を好む傾向があります。 

    リピート客は自然を好む?

    JTB総合研究所が調べた「日本を旅行先に選択した理由」によると、初めて日本を訪れるときは日本文化を知りたいと思う人が多いですが、二度目以降になると自然に親しむことを理由に来日することが分かっています。

    日本での旅行先は都市を選ぶ傾向にありますが、二度目以降になると都市と地方の両方を選ぶ人も増え、実際に一度日本に来て自然への関心が高くなったのだと読み取れます。

    フランス人のリピーターは全体の43%と高く、およそ半数の人が再来日しているということになります。

    多言語化で対応しよう

    フランス人は日本文化を高く評価していて、訪日の際は「日本の文化体験」や「地域の人との触れ合い」を大切にしたいという想いがあると分かっています。 

    フランスに限らず色んな国の人が日本を訪れますが、その際には日本について伝えたり、触れ合ったりすることもあると思います。その際のコミュニケーションはとても重要です。 

    英語が話せることは大切ですが、愛国心や自国の文化に誇りを持つフランス人の中には英語で会話をするのに良い感情を抱かない人もいるかもしれません。そのため多言語化対応が必要になってきます。

    特にフランス人と接する際には、フランス語での簡単なあいさつができたり、片言でもフランス語が話せたりできれば喜ばれるでしょう。

    最低限フランスに関する知識を持ち合わせておくのもポイントとなります。

    フランス語翻訳で使えるサイト・ツールは?おすすめ無料4選&有料3選!

    日本人の旅行先として非常に人気のあるフランスですが、そのフランスからも毎年多くの訪日客がやってきています。訪日フランス人観光客を受け入れる際必要となるのがフランス語翻訳ツールです。翻訳ツールを使えば、インバウンド対策のさまざまな場面で活用することができます。そこで今回は、精度の高いおすすめの無料・有料のフランス語翻訳ツールについて紹介します。目次日本を訪れるフランス人観光客は年々増加精度の高い無料で使えるフランス語の翻訳ツールを紹介1. エキサイト翻訳2. Weblio翻訳3. Infos...

    フランス人には日本文化が好印象 : 訪日時には現地体験もしたい

    世界最大の観光客数を誇るフランスは、それだけ魅力的な都市であり今後も観光客数を増やすために力を入れています。

    愛国心や自国の文化を誇るフランス人ですが、同時に日本文化を高く評価しています。フランスでは日本関連のイベントが開かれる機会もあり、こうした分野に興味を抱くフランス人の訪日旅客数も少なくありません。

    訪日の際は日本人との触れ合いや現地での体験をしたいと考えるフランス人も多く、今後は彼らとコミュニケーションを取るための多言語対応に力を入れる必要があるでしょう。

    観光客数NO.1であり、昔から芸術やファッションの中心であるフランスの発信力や波及力が世界に及ぼす影響も小さくはないでしょう。また観光立国を体現するフランスの人々に満足してもらえるような目線での接客により、日本の「おもてなし」をランクアップさせることもできるかもしれません。 インバウンド市場においてはアジアの訪日客の存在感が増していますが、フランス市場の動向にも注意を払うべきでしょう。


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    この記事の筆者

    訪日ラボ編集部

    訪日ラボ編集部

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