2020年開催予定だった東京オリンピックで、史上初めてサーフィンが正式な競技として国際オリンピック委員会(IOC)により承認され、千葉県の釣ヶ崎海岸がその競技会場に選ばれました。東京オリンピックは残念ながら新型コロナウイルスの影響で翌2021年に延期となってしまいましたが、世界におけるサーフィンへの注目度は増しています。
そんなサーフィンを日本のインバウンド観光のコンテンツとして捉え、どれほどの可能性を秘めているのかを、実際にインバウンド誘致に取り組んでいる千葉県勝浦市のサーフィンスクールの事例も紹介しながら考察します。
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全世界のサーフィンマーケット
サーフィンのマーケットに関する詳細な統計は日本では取っていないため、その数は必ずしも正確とは限りませんが、日本国内では200〜250万人のサーフィン愛好家がいるとされています。
世界全体の数も同様に、詳細な統計情報は存在していませんが、国際サーフィン連盟(International Surfing Association)がIOCに提出した資料によると、世界では約3,500万人のサーフィン愛好家がいるとしています。大陸別での内訳は以下のようになります。
- アメリカ:1,350万人
- オセアニア:650万人
- アジア:600万人
- ヨーロッパ:450万人
- アフリカ:450万人
また、同資料からの情報によりますと、男女別の割合は男性81%、女性19%となり、サーフィン人口の年齢別での割合では25歳以上が60%、24歳以下が40%と大きく分けられています。
サーフィンの全世界の市場規模は、サーフボードなどのハードウェア、ウェットスーツやシューズ、ビキニ、ボードショーツなどの衣料品を含めると、220億ドル(約2.3兆円)もの規模になります。そのうち、アメリカのみで80億ドル(約8,500億円)と、約37%ものシェアを占めています。
これらの数字から、レジャーとしてもビジネスとしても、サーフィンは決して小さくないマーケットであることがわかります。5〜10年前には日本ではほとんど見かけなかった外国人サーファーも、近年はよく見かけるようになりました。
日本のビーチと波の特徴
サーファーにとって最も重要になってくるのが、ビーチと波の特徴です。中級者以上のサーファーであれば、より長く波に乗る、もしくはアクション(技)を入れることを求めるようになり、サイズがより大きい波、水量が多くパワーのある波、綺麗に横から一定に崩れていく波などが好まれます。
一方で、サーフィンをこれから始めたい・挑戦したい方には、波のサイズは大きいよりも小さい波、急に崩れる勢いのある波よりもゆっくり崩れる波、海底はリーフ(珊瑚や岩)ではなく、足のつく遠浅の砂浜の方が向いています。
このように、レベルによって求められる波や環境が異なってくるのが、サーフィンの大きな特徴です。
日本の海は、そのほとんどがビーチブレイクと呼ばれる、海底が砂で形成されるビーチが大半です。多くのビーチブレイクが足のつく遠浅になっているので、日本は海外に比べるとサーフィン初心者にとっては特に良い環境が整っています。
ビーチブレイクに限らず、日本にはサーフィン中級者以上が好むような、規則正しく波が割れパワーのあるリーフブレイク(海底が珊瑚や岩のポイント)もありますが、海外ほどのスケールの大きい場所は多くありません。しかし日本は四方を海に囲まれているため、サーフィンができるポイントの選択肢が多く、サーフィンをするうえでは大きな魅力であり、サーファーにとってのアピールポイントにもなります。
インバウンド観光コンテンツとしてのサーフィン
前述のとおりオリンピック正式種目にサーフィンが選ばれたことによって、スポーツとしての認知が世界で広まっています。一方日本では、サーフィンといえばやはりレジャーやカルチャーの側面がまだまだ強くなっています。
ハワイやバリ島などではサーフィンが国の重要な観光コンテンツとなっています。
その理由にはやはり、四方を海に囲まれ、多種多様なビーチと波に恵まれているという環境があります。初心者に特に向いているビーチブレイクのポイントも多く、そういった遠浅の砂浜ではたくさんの外国人がサーフィンを楽しんでいます。
日本も、海の環境的にはハワイやバリ島に匹敵するビーチが数多く存在しており、やり方や魅せ方次第ではハワイやバリ島のように多くのサーファーや外国人観光客を誘致することも可能なはずです。
この続きから読める内容
- 伸びるコト消費需要:地方を訪れた訪日外国人観光客は三大都市圏のみ訪問の1.4倍
- 訪日旅行時の消費額拡大にも大きく貢献
- インバウンド誘致の事例:千葉県勝浦市「Splash Guest House」
- 自治体・行政との対話と連携が鍵
- まとめ
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