日本政府は2020年10月以降、全世界からの渡航制限を一部緩和するという方針を発表し、実際に10月から11月にかけて段階的に緩和を実行してきました。
本記事では日本政府の渡航制限緩和に関する動向について、時系列で整理します。
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- 政府は10月以降渡航制限緩和を進める方針を表明
- 10月〜11月の政府の渡航制限緩和の動向
- 10/1:全世界を対象に入国制限措置を緩和
- 10/3:外国人観光客の受け入れの検討を開始
- 10/8:韓国との間でビジネス目的での往来を再開
- 10/8 :ブルネイとの間での往来を再開
- 10/15:ハワイ政府、日本などからの観光客の自主隔離措置の緩和
- 10/22:滞在72時間以内の短期滞在者の入国許可を検討
- 10/30:海外に短期出張の日本人などの帰国後の14日間の隔離免除
- 10/30:9つの国と地域の渡航制限レベルを引き下げ
- 11/1: ベトナムとの間でビジネストラックの運用を開始
- 11/12:東京オリンピックの外国人観光客の14日間の隔離免除を検討
- 10月の緩和で訪日外国人客数は増加:今後の動向は?
目次
政府は10月以降渡航制限緩和を進める方針を表明
9月25日、菅内閣として初めてとなるコロナ対策本部で、菅首相は10月以降に海外からの入国制限を緩和する方針を決定しました。
9月28日には、10月以降に海外への渡航中止勧告を段階的に解除していくと発表しました。
全世界からの入国解禁へ、10月から:一日1000人、中韓台などは更に追加枠も 観光客除く
日本政府は10月初めに、全世界からの入国を一部解禁する方向で調整を進めていることがわかりました。関連記事台湾とのビジネス往来再開 8日から:中韓より先行 東アジアでは初目次10月初め、全世界からの入国を一部再開へ10月初め、全世界からの入国を一部再開へ一部の報道によると、日本政府は10月初めに、全世界からの入国を一部再開する方針で調整しているといいます。現在日本政府が入国制限対象としているのは、世界の159カ国・地域となっており、これらの国・地域で過去2週間滞在歴のある外国人は原則入国を拒...
10月〜11月の政府の渡航制限緩和の動向
10月から11月にかけての、政府による渡航制限緩和の動向について時系列でまとめます。
10/1:全世界を対象に入国制限措置を緩和
日本政府は10月1日から、全世界を対象として入国制限を緩和しました。
ビジネス関係者や医療・教育関係者、留学生など、中長期の在留資格を有する外国人に日本への新規入国を認めることとしました。
ただし感染拡大の懸念が残ることから、日本への入国者は14日間の待機などの措置を確約できる団体や受け入れ団体がいることを条件とし、入国できる数も限定的な範囲にとどめることとしました。
10/3:外国人観光客の受け入れの検討を開始
10月3日には、日本政府が2021年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、訪日外国人観光客の受け入れ再開をめぐり、本格的な検討を始めたことが分かりました。
新型コロナウイルス対策の柱として、スマートフォンアプリによる健康管理の徹底や、専用の「発熱健康相談サポートセンター(仮称)」の設置などが挙げられ、早ければ来年の春から試行するとされました。
外国人観光客の入国、オリンピックに向け本格検討 4月再開の可能性も…インバウンド向けコロナ対策案は?
10月3日、日本政府は来年夏に開催される東京オリンピックに向け、訪日外国人観光客の入国解禁について、本格的に検討し始めたことがわかりました。インバウンド向けの新型コロナウイルス対策案についても詳細が一部示されました。目次「観光客」の入国について、初の本格検討へアプリによる健康管理や専用の「発熱センター」設置を検討「観光客」の入国について、初の本格検討へ日本政府は来年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、訪日外国人観光客の受け入れ再開をめぐり、本格的な検討を始めました。...
10/8:韓国との間でビジネス目的での往来を再開
10月8日には、韓国との間でビジネストラックとレジデンストラックの運用が開始されました。
ビジネストラックとは、主に短期出張者を対象に、14日間の自宅隔離が免除され、限定的なビジネス活動が可能となるもので、利用者は新型コロナウイルス検査証明や行動計画書の提出などの追加的条件を満たす必要があります。
レジデンストラックは、主に長期滞在者を対象に、入国後14日間の自宅等待機は維持しつつ、双方向の往来を再開するものです。
10/8 :ブルネイとの間での往来を再開
10月8日には、ブルネイとの間での往来が再開しました。
9月25日にシンガポール、ブルネイの間で往来を再開することが発表されており、シンガポールとの往来は9月30日に再開していました。
10月8日にブルネイとの間でレジデンストラックの運用が開始され、企業の駐在員など長期滞在者を対象に、往来が再開されました。
10/15:ハワイ政府、日本などからの観光客の自主隔離措置の緩和
ハワイ州政府は、日本などからの観光客の自主隔離措置を緩和する方針を決定しました。
ハワイでは、これまで観光客などに対し到着後14日間の自主隔離が求められてきましたが、事前のウイルス検査で陰性が確認されれば、到着後の自主隔離は不要とするよう基準を緩和しました。
さらにハワイ州は、日本から訪れる人についても指定の医療機関で決められたウイルス検査を事前に受けるなどの条件を満たせば、到着後の自主隔離を免除する方針を決定しました。
10/22:滞在72時間以内の短期滞在者の入国許可を検討
日本政府は10月22日、感染状況が落ち着いている国や地域を対象として、一定の条件下で滞在72時間以内のビジネス関係者の入国を認める方向で検討を開始しました。
滞在中の待機措置を免除する代わりに、訪問先やウイルス検査の実施などを記入した「活動計画書」の提出などを求める方向で調整を進め、早ければ11月にも実施するとしました。
10/30:海外に短期出張の日本人などの帰国後の14日間の隔離免除
日本政府は10月30日、11月から全世界を対象として、海外に短期出張した日本人や日本居住の外国人の再入国にあたり、一定の条件下で14日間の待機を免除すると決定しました。
具体的な条件として、入国後14日間は公共交通機関を利用しないことや、訪問先などを記入した「活動計画書」の提出が求められます。
10/30:9つの国と地域の渡航制限レベルを引き下げ
日本政府は10月30日、9つの国と地域の渡航制限レベルを引き下げることを決定しました。
およそ160の国と地域を対象に、原則として入国拒否を継続しているものの、9つの国と地域については、渡航制限レベルを「レベル3(渡航は止めてください)」→「レベル2(不要不急の渡航はやめてください)」に引き下げるものです。
対象となる国と地域は、アジアの7つの国と地域(韓国、シンガポール、タイ、台湾、中国(香港、マカオ含む)、ブルネイ、ベトナム )および大洋州の2か国(オーストラリア、ニュージーランド)です。
11/1: ベトナムとの間でビジネストラックの運用を開始
11月1日、ベトナムとの間でビジネストラックの運用が開始されました。
ベトナムとのビジネストラックの開始は、菅首相のベトナム訪問に際して10月19日に行われた日ベトナム首脳会談で合意されており、調整を進めた結果として実現したものです。
11/12:東京オリンピックの外国人観光客の14日間の隔離免除を検討
11月12日、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本政府と東京都、組織委員会による会議が開かれ、外国人の観客の受け入れについて検討が行われました。
外国人の観客の受け入れにあたっては、原則として14日間の待機を免除し、公共交通機関の利用も認める方向で具体的な感染対策を検討し、来年の春までに決定することとなりました。
組織委員会の武藤事務総長は、外国に住むチケット保有者の数が多いことから、2週間の隔離や公共交通機関の制限は現実的ではないとの考えを示しました。
10月の緩和で訪日外国人客数は増加:今後の動向は?
9月の政府による渡航制限緩和の方針発表以降、10月から11月にかけて段階的に渡航制限が解除されてきました。
2020年10月の訪日外客数は2万7,400人で、前月の1万3,700人から倍増しています。
今後もビジネストラックやレジデンストラックの運用、14日間の隔離免除などの緩和措置の効果が引き続き現れていくのではないかと考えられます。
2021年夏に迫る東京オリンピックを見据えて、外国人観光客の受け入れ検討が進むことも期待されます。
10月訪日外国人、先月から倍増し27,400人に:段階的な入国制限の緩和の効果か
11月18日、日本政府観光局(JNTO)は訪日外客数の2020年10月推計値を発表しました。10月の訪日外客数は27,400人と、13か月連続で前年同月を下回りましたが、実数としては7か月ぶりに2万人を突破しました。10月は、全世界を対象に中長期の在留資格を持つ外国人の入国が認められるようになったことから、訪日外客数は増加傾向にあると考えられます。本記事では、10月の訪日外客数のデータをふまえ、市場ごとの回復動向と、10月と11月の日本の入国制限緩和の状況について解説します。目次10月の訪...
【世界の航空便の増減まとめ・10月】国内線を中心に需要回復の兆し タイ・ハワイはインバウンド受け入れに積極姿勢
新型コロナウイルスの影響で各国の航空会社では運休・減便が相次いでいましたが、新たな動きが出てきています。日本政府が10月1日から全世界を対象として入国制限を緩和したことに伴い、各地で運航再開などの動きがみられています。運休していた路線が再開されるほか、ANAの羽田~サンフランシスコ線など、就航が延期されていた新規路線が開設されるケースも出てきています。さらに日本国内でも、LCCが11月の連休に計画対比100%の運航を行う日もあるなど、GoToトラベルキャンペーンによる需要の回復も見られてい...
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<参照>
外務省:国際的な人の往来再開に向けた段階的措置について(韓国・ビジネストラック及びレジデンストラック)
JETRO:日韓のビジネス往来が10月8日に再開
外務省海外安全ホームページ:各国に対する感染症危険情報の発出(レベルの引き下げ、引き上げ又は維持)
外務省:ベトナムとの間の「ビジネス・トラック」の開始について
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