渋谷交差点や浮世絵鑑賞を「オンライン」で体験:コロナ後の訪日意欲喚起を狙い

公開日:2020年12月29日

新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動が制限されており、インバウンド業界は大きなダメージを受けています。

そんな中、打開策として注目を集めているのがオンラインツアーです。

オンラインツアーでは、インターネットを使って旅行を疑似体験でき、アフターコロナの訪日需要の喚起にも効果が期待されています。

本記事ではオンラインツアーの定義と効果、外国人向けの取り組みについて紹介します。

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オンラインツアーとは

オンラインツアーは、新型コロナウイルスの感染拡大が続くいま、家にいながら旅行気分を味えるコンテンツとして注目されています。

ここでは、オンラインツアーの定義、種類、効果について解説していきます。

コロナ禍で話題の旅行方法

オンラインツアーとは、インターネットを使って、世界各地の観光地と旅行に行けない観光客をつなげ、家にいながら旅行気分を味わえる「擬似旅行」です。

「リモート観光」「リモートトリップ」「リモートツーリズム」「オンライン観光」などとも呼ばれています。

オンラインツアーの形式が様々です。

360度の写真や動画で擬似体験をする「VRトラベル」やリアルタイムで観光地と消費者を繋げる「ライブコマース」、 旅行をテーマにした「ショート動画」などがあります。

また映像を見るだけでなく、その場でガイドに質問をしたり、他の参加者と交流する時間を設けているツアーも多くあります。

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オンラインツアーの種類

オンラインツアーは、その内容に応じていくつかの種類に分かれています。

  • 学び型

歴史や文化などの学びの要素を重視したコンテンツです。

具体的には、川や山といった大自然の中や、博物館、美術館の中をバーチャルツアーで巡りながら、コンテンツに精通したガイドが詳しい解説や説明を加えるといったものがあげられます。

  • 体験型

料理、ダンス、ヨガなど、参加者がオンラインを通じて講師からレクチャーを受けながら、実践形式の体験を提供するコンテンツです。

  • ツアー型

オンラインを通じて、ツアー旅行を擬似体験できるタイプのコンテンツです。

実際にガイドがライブで街歩きをしながら地域紹介をしたり、現地の人とオンラインを通じた交流などを提供します。

さらに、地域の特産品や名物料理などを事前に参加者に届け、当日にガイドの説明を受けながら食べるといった体験を提供するコンテンツもあります。

訪日意欲の喚起が期待

オンラインツアーは、アフターコロナの訪日意欲の喚起につながるインバウンド対策の一つとして注目を集めています。

現在、国内向けのオンラインツアーだけでなく、日本に関心が高く将来的に日本への旅行を希望している外国人を対象としたオンラインツアーが開催されています。

文化庁が海外向け文化観光情報サイト「WOW U」とともに実施した日本遺産のオンラインガイドツアーでは、参加した全員が訪日意欲が向上し、このようなオンラインガイドツアーを家族や友人知人にも勧めたいと回答しています。

このようにオンラインツアーは、将来的なインバウンド需要の掘り起こしに繋がることが期待されています。

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日本で行われているインバウンド向けのオンラインツアーを紹介

現在日本では多種多様なオンラインツアーが行われていますが、ここからは外国人向けのオンラインツアーの事例を取り上げて紹介します。

1. HIS:ベトナム人向けの「寿司にぎり体験ツアー」

旅行代理店HISは、鹿児島県観光連盟と連携し、10月20日から訪日意欲の高いベトナム人をターゲットとした訪日体験オンラインガイドバスツアー「鹿児島市内と寿司にぎり体験コース」を開催しています。

ベトナム人をターゲットとした背景としては、鹿児島における外国人労働者のうち、ベトナム人は最も多い50.6%を占めており、その数も年々増加していることがあげられます(2019年10月末現在)。

新型コロナウイルスの感染拡大で訪日が難しいいまでも、鹿児島とベトナムの交流拡大を維持するために、今回のオンラインツアーが企画されました。

このツアーは、ベトナムにも進出している日本料理店「ちよだ鮨」で参加者を集めて開催され、鹿児島の観光地や風景を動画で紹介し、リモートで日本人職人の指導を受けながら実際に寿司づくり体験もできます。

ツアーはベトナム語に対応しており、双方向のコミュニケーションを通してよりリアルな旅行体験を提供できるように工夫されています。

YouTube:寿司にぎり体験ツアーの紹介動画

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2. M&Company:「浮世絵」アートトリップ

岐阜県に位置するM&Companyは、コロナ禍で日本に来れない外国人向けにオンラインツアー を「JAPONISME(ジャポニズム)」というサービスで提供しています。

コンテンツとして、ヨーロッパで関心の高い、浮世絵について鑑賞や解説する「浮世絵アートトリップ」や、岐阜県飛騨高山の四季の風景などを交えて紹介する「飛騨高山バーチャルツアー」などを用意しています。

ツアーは英語に対応しており、ガイドとの双方向コミュニケーションが可能です。

YouTube:JAPONISMEの紹介動画

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3. ジャパン・トラベル:多様なバーチャルツアーコンテンツを用意

様々なインバウンド事業を展開するジャパン・トラベルは、2020年10月よりオンラインツアーに特化した「Japan Travel At Home」の提供を開始しています。

Japan Travel At Homeでは、訪日外国人に人気の高い渋谷のスクランブル交差点にスポットを当てた「夜の渋谷の交差点風景」や「茶道体験」、「ラストサムライツアー」など17個のコンテンツを用意しています。

これらのオンラインツアーを通して、今後の訪日意欲の喚起だけでなく、渡航制限解除後、実際に訪日した時に「景色や体験が想像と違う」というようなギャップを埋めることにもつながることが期待されています。

渋谷に外国人が集まる3つの理由とインバウンド観光スポット5選

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4. 琴平バス:アメリカ人向けの「コトバスツアー」

香川県の観光バス・タクシー会社「琴平バス」は、アメリカに本社を置く日系旅行会社「IACEトラベル」と提携し、アメリカ人を対象として、四国のバーチャル旅行を提供するオンラインバスツアーを開催しました。

ツアーは空港に降り立つところからスタートし、四国の主要観光スポットを凝縮して案内する中で日本の文化やご当地グルメまでを紹介しています。

また、参加者とはチャットを用いて双方向のコミュニケーションが可能で、うなぎの蒲焼を紹介した時にはタレの製造方法に関する質問が寄せられるなど、参加者の日本に対する高い興味がうかがえます。

琴平バス、初の「インバウンド向け」オンラインバスツアー開催:画面越しでも外国人惹きつけるその工夫とは?

テレビにも取り上げられ話題となっている「オンラインバスツアー」を企画する香川県の観光バス・タクシー会社である琴平バスは10月2日、アメリカに本社を置く日系旅行会社IACEトラベルと提携し、アメリカの参加者を四国のバーチャル旅行に案内するオンラインバスツアーを開催しました。これまで開催していた国内向けのオンラインバスツアーでは、そのユニークな演出が話題を呼び、開始後4ヶ月で延べ800人を超える参加者が集まるなど、メディアにも大きく取り上げられていました。今回はそうしたノウハウも生かした、初の...

5. フリギー×JR西日本:中国人向けの京都バーチャル旅行を開催

10月9日、中国の大手IT企業であるアリババグループが運営するオンライン旅行サービスプラットフォーム「フリギー(飛豬/Fliggy)」は、JR西日本と連携し、京都嵐山の各観光スポットを中国にライブ配信するバーチャルイベントを開催しました。

このバーチャル旅行では、日本在住の中国人旅行インフルエンサーがレポーターとして、嵯峨嵐山のトロッコ列車や竹林の小径、二尊院などを約2時間にわたり巡りながら、京都の魅力をアピールしました。

ライブ配信中には視聴者から多くのコメントが寄せられ、「きれい!」「早く日本に行きたい…」といった中国人の日本への高い関心や訪日意欲が見られました。

フリギー×JR西日本、京都バーチャル旅行開催:「美しすぎる...」と中国人が絶賛

10月9日、中国の大手IT企業であるアリババグループ(中国語:阿里巴巴集団)が運営するオンライン旅行サービスプラットフォーム「Fliggy(飛豬、以下フリギー)」は、西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)と連携し、京都の嵯峨嵐山の各観光スポットを堪能する様子を中国にライブ配信するバーチャルイベントを開催しました。このイベントは、コロナ禍で渡航制限が続く中、訪日旅行が困難な中国人に対し、京都の嵯峨嵐山をはじめとする西日本の魅力を発信することを目的としています。そして、こういったライブ配信...


オンラインツアーで訪日意欲を高める

オンラインツアーとは、インターネットを通して旅行を疑似体験できるサービスです。

新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動が制限される現在、注目されているツアー形態です。

現在日本では外国人向けのオンラインツアーを多く展開しており、日本の「今」を海外に発信することで、今後の訪日意欲の醸成・喚起を図ります。

オンラインツアーをはじめ、海外向けの情報発信やコンテンツの造成など、アフターコロナの観光客の再誘客に備えて対策を講じることが求められます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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